人生にゲームをプラスするメディア

マリオの父、山内相談役との関係を述懐「僕を息子か孫のように見ていたんだと思う」

マリオの父である任天堂の宮本茂氏は、山内溥相談役が社長だったころを述懐します。

任天堂 その他
マリオの父である任天堂の宮本茂氏は、山内溥相談役が社長だったころを述懐します。

「次にどんなゲームを作るか、山内さんは僕に任せてくれました。時々近くにやってきて“次のマリオが要る時じゃないか?”という以外は。アイデアがある時、僕は“みんなが楽しむ新しい方法があるんですよ”と山内さんにアプローチして、これを共有するんです。山内さんがこれに同意してくれた時、それは会社のプロジェクトとなって、開発をすぐに進めることができたんです」

「時々、山内さんはすぐにゴーサインを出してくれなかったんですが、そんな時、僕はプロジェクトをコッソリ進めました。山内さんは僕の両親と同じ年だったので、僕を息子か孫のように見ていたんだと思います。ビジネスという現実があるので、結果は時に一大事になります。私のゲームが予想より売れなかった場合、山内さんは全てをひっくり返す勢いで激怒しましたね」

「山内さんが社長だった時、どんな冒険が上手くいって、何が売れないかには独特の嗅覚がありました。山内さんが“これはいいんじゃない?”といった時は、プロトタイプはほぼ完全に近づいているということ。“これはいいタイトルになるだろうね”といった時は、それは一般的ではないということなんです。山内さんはソフトがどれくらい売れるかに関して、誰よりも正確な予想ができたんです。『ドンキーコング』を見せた時、他のプロジェクトを全て中止してこれに注力するよう言われました。『スーパーマリオブラザーズ』を見せた時の言葉は今も覚えています。“これはすごいね。地上と、空の上と、水中さえ行くことができる。こりゃ、みんな驚くだろうね”」

宮本氏と山内氏のコミュニケーションは独特だったようです。「僕は山内さんにプレゼンテーションシートを出したことがないんです。僕は何枚かの短いメモやスケッチを渡して説明しました。山内さんがイメージを理解したら、今度はそれをさらに詳細に説明するんです」

山内相談役の鋭い嗅覚が任天堂の発展に寄与したのは皆さんがご存じの通り。「プレゼンテーションシートを出したことがない」のにビジョンを共有できたというのは、これは「天才は天才を知る」ということでしょうか。
《水口真》
【注目の記事】[PR]
コメント欄を非表示
※一度コメントを投稿した後は約120秒間投稿することができません
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください

    編集部おすすめの記事

    任天堂 アクセスランキング

    1. 『スマブラSP』勇者の「パルプンテ」は何が起こる!? 100回検証して効果をまとめてみた

      『スマブラSP』勇者の「パルプンテ」は何が起こる!? 100回検証して効果をまとめてみた

    2. 『あつまれ どうぶつの森』移住費用5000マイル支払いに役立つ!序盤でもパパっと終わるたぬきマイレージ8選

      『あつまれ どうぶつの森』移住費用5000マイル支払いに役立つ!序盤でもパパっと終わるたぬきマイレージ8選

    3. 「同性パートナーシップ制度」導入 任天堂のゲームと性的少数者のこれまで

      「同性パートナーシップ制度」導入 任天堂のゲームと性的少数者のこれまで

    4. 『星のカービィ スターアライズ』いくつ知ってる?小ネタ10選【ネタバレ注意】

    5. 鉄道・箱庭・経営、全方位のおもしろさが進化! 『A列車で行こう3D』飯塚ディレクターインタビュー

    6. 『MOTHER3』歴史に残りそうなほど奇妙な敵キャラ10選

    7. 任天堂なのにセクシーなゲームキャラ10選

    8. 『ポケモン スカーレット・バイオレット』ではメガシンカが「テラスタル」として実装!? 全ポケモンが使えるタイプ強化+個体によってタイプが変わる“めざパ”的な側面も

    9. 『あつまれ どうぶつの森』風呂やプールに入る裏技が発見される!?いろいろな家具の中に入ってみた

    10. ポータブルゲーミングPC界に巨龍出現。MSI「Claw 8 AI+ A2VM」の進化した性能を徹底チェックしてお店で体感しよう

    アクセスランキングをもっと見る