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【E3 2010】岩田社長が3DSを初披露、そして異例の体験会も・・・任天堂プレスカンファレンス

任天堂は15日(現地時間)、E3に先駆けて恒例のメディアブリーフィングを開催しました。

任天堂 Wii
任天堂は15日(現地時間)、E3に先駆けて恒例のメディアブリーフィングを開催しました。会場では裸眼で立体映像が楽しめる新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の実機が展示されたほか、『ゼルダの伝説』シリーズ最新作『Skyward Sword』、3DS専用ソフトの『パルテナの鏡』など、多数のゲームソフトが発表されました。

超満員の会場NOA COOのReggie Fils-Aime氏


今年の最大の特徴は時間でした。メディアブリーフィングは2時間が予定されていましたが、実際は約80分で終了しました。そして残りの約40分間は、『Skyward Sword』と3DSの実機デモプレイの時間に当てられたのです。

講演が終了するとステージ前には床からWiiと液晶テレビがせり上がり、檀上からは3DSを手にした数十人のコンパニオンが登場し、出口に向かって列を作りました。3DSの実機デモはマリオやゼルダといったキャラクターが立体視で表示され、アナログスティックでグリグリと動かせるというもの。わずか数分で終了しましたが、立体視の実力を知るには十分の内容で、思った以上に鮮明で驚かされました。また行列も数十分は並ぶことを覚悟しましたが、10分程度で体験でき、二重に驚かされました。

過去のE3でも大量の実機を用意し、プレゼン時間を削って体験時間に当てさせるのは、おそらく初めてのこと。これぞ京都流の『おもてなしの心』というところでしょうか。ゲームは見るものではなく、遊んで初めて価値がわかるメディアという意味が改めて分かる、実に粋なはからいでした。

■ゼルダの伝説の歴史はUIの歴史

さて、それではブリーフィング内容のレポートに移りましょう。内容は大きく3つのパートに分かれていました。宮本茂氏による『Skyward Sword』の実演デモ、総合司会をつとめたNOAのReggie Fils-Aime氏によるWiiとDS向けの最新ゲーム群紹介、そして岩田聡氏による3DSの紹介でした。

『Skyward Sword』では、当初ビデオ出演で内容を紹介していた宮本氏が、途中でスクリーンから飛び出すようにして、ステージに登場。Wiiリモコンとヌンチャクを手に、さまざまなアクションを披露しました。今作の最大の特徴は右手のWiiリモコンで剣をふるうだけでなく、左手のヌンチャクで盾を構えられる点。またWiiリモコンもモーションプラス対応となり、さらに細かい操作が可能になっています。

またアイテムの選択画面も、UIがよりわかりやすくなりました。本作ではリンクがポケットがたくさんついた上着を着ているというアナロジーで、Bボタンを押すとアイテムが放射状に並んだ選択画面が表示されます。ここからモーションセンサーで方向を選択する仕組みです。宮本氏曰く『『ゼルダの伝説』の歴史はUIの歴史』とのことで、本作でも攻撃とアイテム選択の2本柱で、数多くの試行錯誤が繰り返されたことが感じられました。

宮本氏が自らゼルダをプレイ


新作ソフト群では、『シーフ』シリーズなど自由度の高いゲーム展開で知られ、海外ゲームデザイナーの重鎮の一人として知られるウォーレン・スペクター氏が、新作『Disney Epic Mickey』を発表しました。ディズニーの世界観を舞台にしたアクションゲームで、ミッキーが噴水のように吹き出る「絵の具」と「薄め液」を使って、世界を自分好みに塗り上げていく内容です。色の付け方でその後の展開が変化する点が特徴で、スペクター流のストーリーテリングが楽しめそうです。発売はDisney Interactive Studiosです。

このほかWii向けでは、▽パーティゲームの大本命『Wii Party』▽マリオファミリーが大活躍する『MARIO SPORTS MIX』▽パッチワーク風の背景に、毛糸で作られたかのようなキャラクターが可愛らしい『Kirby's Epic Yarn』▽97年に発売され、国内でも約50万本のヒットを飛ばしたFPS『Golden Eye 007』のリメイク▽コーエーテクモのチームニンジャが手がける『METROID: Other M』の最新トレーラー▽そして長く『メトロイドプライム』シリーズを手がけてきた米レトロスタジオによる新作『Donkey Kong Country Returns』など。またDS向けでは『黄金の大陽』シリーズの最新作『Golden SUN: Dark Dawn』が発表されました。

なお、このうち『Golden Eye 007』はアクティビジョンからの発売で、主人公もオリジナル版のピアーズ・ブロスナンから、最新作のダニエル・クレイグに差し替えられています。オリジナル版はFPS不毛の地と言われた日本でもヒットしただけに、リメイク版の完成度に期待したいところです。

■3DSは立体視と通信が二本柱

さて、トリをつとめた岩田社長は、3DSをたずさえながら、スモークとともに檀上に登場。「15年前に登場した『バーチャルボーイ』以来、3D(立体視)はずっと頭の中にあった」と述べ、現実的な商品にやっとできた、と切り出した。

岩田氏が3DSを披露


本体はDSと同じ縦二画面で、上画面は3.5インチの裸眼立体視対応ワイド液晶、下画面は従来と同じタッチパネル付き液晶となっています。立体視効果は本体右脇のスラスターで自由に調整でき、随時オフにすることも加能。詳細スペックは不明ながら、グラフィックス性能もかなり向上しており、はっきり、くっきりと奥行きのある映像が表示されます。アナログスティック、モーションセンサー、ジャイロセンサーも搭載されました。外部にある2つのカメラで立体写真を撮影したり、ハリウッドの3D映画を3Dメガネなしで見ることもできます。

もう一つの特徴が通信機能の強化で、すれ違い通信の機能が本体側でサポートされ、ゲームを終了している場合でもデータのやりとりが加能になりました。また詳細はぼやかされたものの、「WiiConnect24」にも似たデータ配信機能がサポートされる模様です。今後ソーシャルコミュニティ機能や、デモ版などのコンテンツ配信、DSiウェアのダウンロードといった活用例があるのか、期待がふくらみます。

また専用ソフトでは、『スマブラ』シリーズで知られる桜井政博氏が率いる「プロジェクトソラ」の最新作『Kid Icarus UPRISING』(邦題:『新・光神話 パルテナの鏡』)と、『nintendogs + cats』が紹介されました。ただし割かれた時間は前者が圧倒的に長く、3DSローンチの目玉ソフトという印象です。このほか『メタルギアソリッド』『キングダムハーツ』シリーズなど、サードパーティ各社のタイトルが3DSに対応することや、著名クリエイターのビデオメッセージなどが続き、ファーストパーティのタイトルが一歩引いた形になっていた点が印象的でした。



ともあれ、本会の目玉がラストの体験会だったことは、間違いありません。残念ながら3DSの価格と発売日は持ち越しとなりましたが、おそらく東京ゲームショウ前後であると予想されます。今回の発表では立体視を含めたハードウェア面での特徴が強調されましたが、もう一方の通信機能の詳細についても、まだまだ秘密がありそうです。また3DSのインパクトに隠れて、Wiiの存在感が若干かすんでしまったきらいもあります。昨年のE3で発表された「Wiiバイタリティ・センサー」も含めて、続報を待ちたいところです。
《小野憲史》
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