インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、【そそれぽ】のお時間です。突然ですが緊急総力特集をお送り致します。今回プレイするのはHAL研究所のMSXソフト『ぶた丸パンツ』です。任天堂の現社長・岩田聡氏や、3DS『新・光神話パルテナの鏡』やWii『大乱闘スマッシュブラザーズX』などを手掛けた株式会社ソラの桜井政博氏らを輩出してきたHAL研究所。現在も『星のカービィWii』の開発などに携わっており、今日のゲームを語るに避けられない大きな存在です。今回プレイする『ぶた丸パンツ』は、そんなHAL研究所が1983年にリリースした、現在各メディアはもちろん、世界のゲームクリエイターやゲームファンからもっとも注目されているとも噂されるタイトルです。最先端のセンスが溢れる本作を早速プレイしていきましょう。尚、MSX本体はSONY「HITBIT HB-201」、ジョイスティックはASCII「AS-7749-MX」を使用します。連射機能は使用しません。■箱裏の説明をチェック箱の裏にはストーリー的なゲームの概要が書かてれいます。主人公は子豚のぶた丸!?いじわるな「雷のパンツ君」が落とす卵をどんどん受け止めて、赤い卵なら投げ返してやっつけよう!でも卵に熱中していると今度は横から「ちりとりオジサン」が・・・・・・。卵の殻と一緒に掃除されないようにジャンプ!ハラハラドキドキのギャグゲーム。つまりこのゲームは、ブタの姿をした獣人族の子供である主人公が、世界を混沌へと導く「卵」を巡り、天空の民と壮絶な戦い繰り広げるという壮大なストーリーのようです。ファンタジー性溢れる美しい世界観の中、主人公「ぶた丸」の心の成長はどのように描かれるのでしょうか。そして謎の「ちりとりオジサン」とは・・・・■BUTA丸PANTS2Dアニメーションで描かれるタイトル画面。毛筆風の書体でアルファベットと漢字の組み合わせるあたりが非常にモダンです。すでに21世紀のニューヨーカー的な発想です。「1 PLAYER」と「2 PLAYERS」が選択でき、交代制による空間的ソーシャルマルチプレイを実装。今回は「1 PLAYER」にスポットをあててレポートをお伝えします。■地上界と天上界における卵を巡る戦いゲームを開始すると、緑の平原と広い青空が一面に描かれたフィールド画面に。画面中央にはプレイヤーである「ぶた丸」が配置され、空中に浮かぶ4つ雲からは「雷のパンツ君」が現れます。「雷のパンツ君」は、地上界を混沌に導くべく「卵」を地上界に向かってやたら適当に投げてきます。「ぶた丸」は、卵を割ることなく受け止めることができるゲル素材を用いているであろう「フライパン」的なカゴのようなザルのようなもので「卵」を受け止め、画面両端に設置された混沌から救える唯一の超科学施設へとつながるパイプに「卵」を投入。画面下部に表示された世界を救う「鳥」のエンブレムが輝きを放ちます。「卵」を一定数パイプに投入することでステージクリアとなり、より厳しい戦いを強いられる次なる戦場へと進んでいきます。■赤い卵「雷のパンツ君」は、まれに「赤い卵」を投げてきます。「赤い卵」は何らかの魔力が働き、突然変異で赤くなっていることが推測されます。この「赤い卵」は、「ぶた丸」が「雷のパンツ君」へ直接攻撃を仕掛けることができる唯一の手段。「フライパン」的なカゴで受け止めたら天空へ向けて投げ返しましょう。「雷のパンツ君」に命中すると、天空から地上へ落下するという壮絶な死を遂げます。でも一瞬で復活します。■わずかなミスが命取りにプレイヤーである「ぶた丸」。「卵」に当たると死にます。「赤い卵」に当たってももちろん死にます。倒して落ちてきた「雷のパンツ君」に当たっても死にます。また、フィールドに転がる石につまづくと1~2秒固まるので、その瞬間に「卵」を投げ付けられると確実に死にます。■謎のクリーチャー「ちりとりオジサン」地面に叩きつけられ割れてしまった「卵の殻」は、「ちりとりオジサン」が回収していきます。この「ちりとりオジサン」という名前はおそらくコードネーム。「オジサン」という名前からは想像がつかないおぞましい形状を成しているクリーチャーです。真っ黒な体に巨大な口のみで構成され、ひたすらに地面に落ちた「卵の殻」を喰らい尽くす姿は、きっとブタの獣人族たちの間で恐れられ、「ちりとりオジサン」というある種の隠語のような名前が付けられのでしょう。その行動に巻き込まれると「ぶた丸」も餌食となり、「卵の殻」と共に喰われて無残な姿に。ジャンプでかわすしかありません。しかし、クリーチャー「ちりとりオジサン」は、「卵の殻」を喰うことで急速な成長を遂げて巨大化していきます。ジャンプでかわせないほど巨大化してしまったら、あきらめて餌食になるしかありません。■静寂の世界に響くサウンドステージ中にBGMはありませんが、移動、ジャンプ、つまづき、「卵」を「パイプ」に入れる動作、ステージクリア、そして迫り来る「ちりとりオジサン」にだけSEがあります。地上界と天上界の壮絶な戦い、そして第3の敵とも言える謎のクリーチャー「ちりとりオジサン」がいつ現れるかもわからない緊張感が静寂の中から伝わってきます。■物語に自由度に欠けるなぜ「ぶた丸」と「雷のパンツ君」が争わなければならなかったのかに疑問が残ります。ゲーム中、不必要な殺し合いを回避する術はありません。また、クリーチャー「ちりとりオジサン」を止める手段がないのも残念です。■総評:今日は4月1日広大なフィールド、世界の命運をかけた壮大な戦いの中に描かれる静寂の緊張感表現は脱帽の一言。箱にある「ハラハラドキドキのギャグゲーム」とは裏腹に、巧みなアクションを求められながらも、クリーチャー「ちりとりオジサン」にいつ喰われるかもわからないサバイバルホラー的な要素がまとめ上げられています。このソフトがなければ、HAL研究所が産み出した『星のカービィ』シリーズはもちろん、岩田聡氏がプログラミングした『バルーンファイト』、そのプログラムが参考となった『スーパーマリオブラザーズ』、果ては桜井政博氏が手掛ける『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどは世に生まれ出なかったかもしれません。物語の背景やキャラクター設定などに幅があるため想像力を鍛えたい方にオススメです。本作をプレイすることで、脳を活性化することができます。また、老化防止や食欲促進に効果があるとかないとか。尚、今回の【そそれぽ】にはゲーム内容をよりわかりやすく伝えるために一部過剰な表現が用いられています。偉大なソフト『ぶた丸パンツ』をぜひプレイできるもんならしてみてくださいね。【そそれぽ】総力特集、いかがでしたでしょうか?本作のバーチャルコンソール化にも期待ですね。4月1日を満喫!筆者が!次回もどうぞお楽しみに!『ぶた丸パンツ』は、現在生産されていません。当時の販売価格は4,800円(税別)でした。(C)HAL研究所■筆者プロフィール津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。Twitter:@sososo291ブログ:sososo activity
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