この4日間で一気に表情を現した本作について、いま一度うかがっていきたいと思います。
■TGS2012では女性にも多く支持されていることが感じられた
―――LEVEL5 VISION 2010で発表されてから早2年、発売日がようやく決まりましたね。まずは率直なお気持ちを聞かせてください
竹下氏:制作に思ったよりも時間がかかってしまいました。両社のスタッフが喧々諤々しながらやっていた部分と、コラボレーションということで多くのやりとりが必要だったからです。ようやく終わりが見えてきたというのが現在の状況でして、11月29日まであとちょっとだけお待ちくださいという心境ですね。
―――試遊ブースはごらんになりましたか?ファンの率直な感想などが耳に入ってきたと思いますが
竹下氏:一般公開日は遠目から見ることしかできませんでしたが、朝から熱心に並んで長時間待って遊んでいただいているのはありがたいと感じていました。レベルファイブさんから「裁判パート」を遊んで頂いている方が若干多いとうかがって、期待していただけているのかなと思いました。
―――TGS2012における『逆転裁判』は、ビジネスデイ、一般公開日ともに女性が多く試遊に並んでいることが際立っていたように思います
竹下氏:そうなんですよ。TGSの会場だと特に目立つといいますか。
―――『逆転裁判』のどの部分が女性に好きになってもらえたのかな、というのを竹下さんの目線からうかがいたいのですが
竹下氏:シンプルに言うと、成歩堂をはじめとしたキャラクターがすごく好きなんだなと感じています。今日のステージでも成歩堂が映像で動くたびにリアクションが返ってきました。これまでは巧が作るキャラクター像やセリフ回しを楽しんでもらっていた部分がありますが、『レイトン教授VS逆転裁判』ではキャラクターたちがイキイキと動くのはもちろん、カメラ演出も入ってより感情移入できるのでもっと好きになってもらえると思います。
■『逆転裁判』の3D化、裁判の粋なテンポはどうなる
―――2つの異なる世界観を1つのお話にまとめるのはかなり大変だったと思いますが、シナリオプロット時期の巧さんを間近で見ていていかがでしたか
竹下氏:大変でしたね。キャラクターの等身からして違いますし、それぞれの世界観や時代背景も違います。そのあたりは日野さんと巧が何度も直接打ち合わせをして、今回の形にまとまりました。
―――あらためて裁判パートで行う「魔女裁判」について教えてください
竹下氏:魔女裁判は巧のアイデアでした。そもそも『逆転裁判』は現実世界のなかで論理と証拠を使ってムジュンをあばくというのがキモとなりますが、今回は中世の世界がモチーフとなり常識が通用せず科学的な証拠も使えない。それであれば、「いつもの『逆転裁判』ではやれないことってなんだろう?」と考えていったところ、魔女裁判にたどり着きました。
―――レイトン教授のアドベンチャーパート、成歩堂の裁判パート、うまくまとまった印象を受けましたがこの構想は最初から?
竹下氏:みんながみんな「どうやってゲームをまとめよう?」という思いがありましたので、最初は敵をだれにしようか、世界をどこに置こうかなど世界観のバックボーンから決めていきました。そこからストーリーの構成が決まっていって、システムに落としこんでいった感じになります。なので、制作中期となりますね。
―――『レイトン教授』も『逆転裁判』も原作は2Dのアドベンチャーゲームでした。成歩堂にとっては今回が初の3D化になりますが、モーションは特に2Dを意識されているのかなという印象を受けました
竹下氏:最初に2Dにするか3Dにするかの話し合いがありまして、当時は3DSが発売されてすぐのタイミングだったので「3DSで出すなら3Dだよね」と確証や実験もなく3D化を決めました。そこからモデルをおこす作業をしたんですけど、すっごく時間がかかりました。成歩堂だけを作っている時期もあったんですよ。
―――イチからの制作となるとやはり・・・
竹下氏:そうなんですよ。3Dになってもキャラクターのイメージとか、テンポはいままでと変わりなく表現したかったんです。2Dでは「異議あり!」と指をさす場面にコマ割りもなくテンポよく表現できましたが、3Dになるとモーションが入ってきます。それにより間延びしないかは最初から懸念していたのですが、すいぶんスタッフが頑張ってくれて違和感がないところまで調整してくれました。
■アニメの制作会社はカプコンのアートチームきってのお願いで
―――今回、早期購入特典に「オリジナルサウンドトラック」がついてくるそうですが、楽曲を手がけているかたというのはどなたになるんでしょうか
竹下氏:今回カプコンからは山東善樹と北川保昌が参加しています。TGSにおいては『エクストルーパーズ』の楽曲も担当していますよ。
―――アニメーションムービーをBONESが担当しますが、数多くあるアニメーション会社から選んだ理由というのは
竹下氏:『レイトン教授VS逆転裁判』のアートディレクションをカプコンでやらせていただいていまして、アートディレクターの塗が「BONESさんがいい」と言ったところから日野さんが何とかしてくださった形です。BONESさんは「鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星」や「エウレカセブンAO」などを手掛けていて、キャラクターを動かすのがすごく得意な制作会社さんなんですね。今回、冒険的な要素があって動的なシーンもたくさんありますから、BONESさんならきっと面白くしていただけるだろうということで頼みました。
―――最後に、発売を楽しみに待っているファンへメッセージをお願いします
竹下氏:最初に日野さんと話したことは、片方のタイトルしかしらないお客さんにもう片方の良さを知ってほしいということでした。つまりたくさんの人に両タイトルを知ってもらいたいというところから出発して、やっとお届けできる形になってきました。あとは、みなさんがどう感じるのかにすごく興味がありますので、ぜひ触っていただきたい。もうちょっとだけ発売を楽しみにしていてください。
―――ありがとうございました!
『レイトン教授VS逆転裁判』は、11月29日発売で価格は5,980円(税込)となっています。
(C)LEVEL-5 Inc.
(C)CAPCOM CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED.
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