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高負荷ゲームに最適、最大70%もサーバ性能を向上させる!IDCフロンティアが提供する「ハイパフォーマンスデザインパック」の威力

F2P(基本プレイ無料)ゲームの増加とともに、今やなくてはならない存在となったIaaS。物理サーバ、クラウドサーバ、それらを組み合わせたハイブリッド構成などさまざまな選択肢があり、多くの事業者が参入しています。

ゲームビジネス 開発
F2P(基本プレイ無料)ゲームの増加とともに、今やなくてはならない存在となったIaaS。物理サーバ、クラウドサーバ、それらを組み合わせたハイブリッド構成などさまざまな選択肢があり、多くの事業者が参入しています。

しかし、サーバスペックだけでなく、ミドルウェアのチューニングが性能に大きな影響を及ぼすことは、あまり知られていません。システムの深いところまで担当できるサーバエンジニアは、まだまだ少数だからです。

IDCフロンティアが発表した「ハイパフォーマンスデザインパック」は、そうした企業の事情をうまくくみ取った、非常に興味深いものです。ゲーム業界でも人気アプリにランクインするタイトルを提供する、数多くの大型クライアントに抱える同社では、サーバ運用を通して独自にノウハウを蓄積。高負荷のコンテンツ向けに特化した環境構築や、監視・運用サービスなどを総合的に提供するサービスをアナウンスしました。

技術開発本部UX開発部部長で、クラウドアーキテクトの寺門典昭氏は「弊社のサービスは多くの業界で採用されていますが、中でも鍛えられたのはソーシャルゲーム業界です。一般のウェブサービスでは比較的、安定した負荷がかかるのに対して、ソーシャルゲームでは人気タイトルともなると、サービス直後やアップデート直後など、しばしば爆発的な負荷がかかります。そうした時ほどアイテム販売なども増加するため、絶対にダウンできないのです」と語りました。

ハイパフォーマンスデザインパックはアクセス数の規模ごとにデザインされていて、SAP側はメニューから選択するだけで誰でも最適にチューニングされたサーバ環境を利用できます。物理サーバとクラウドサーバの双方で使用でき、それらを組み合わせたハイブリッド構成にも対応できる点も特徴です。これにより、サービス規模や売上の伸びにあわせて、最適なインフラ環境と運用監視が活用できるのです。

実際にどの程度の性能向上が図られるのでしょうか。同社ではNginxとMySQLでチューニング前後のベンチマークを公開しました。前者はHTTPとリバースプロキシのサーバで、後者はデータベースサーバでおなじみで、多くのサーバインフラで標準的に使用されている構成でしょう。すると驚くべきことに、前者で約70%、後者でも約50%の性能向上が図られたのです。ポイントはNginxもMySQLもオープンソースのミドルウェアということ。サーバスペックは同じでも、ミドルウェアのチューニングでここまで差が出たという点に驚かされます。

Nginxのチューニング結果MySQLのチューニング結果


さらに、アクセスの状況に合わせて、サーバの台数を増減させやすい構成にデザインされています。これまでのようにアクセスの最大値に合わせ、普段は余剰になるサーバを確保する必要がなく、コストの軽減につながります。アクセス集中をさばくための運用面やモニタリングなども含まれており、文字通りインフラ周りを「お任せ」できます。さらに、MHA for MySQLも標準で実装されており、マスターデータベースが障害などでダウンした場合にも数秒程度でフェールオーバーし、サービスを継続することができます。

もちろんオープンソースなので、各企業が独自にチューニングを施すことも可能です。しかしカスタマーサービス本部カスタマーリレーション部カスタマーリレーショングループ兼テクニカルエバンジェリストの梶川治彦氏は、「そこまでシステム構成を理解して、効率的にサーバを調整・運用できるエンジニアは、大手でも少ないのではないでしょうか」と問いかけます。実際、高負荷に耐えうるサーバ構築やネットワークの設計には、豊富な経験と知識が必要です。自社で行っているチューニングが本当に最適なものか、不安を抱えながら運用するよりは、私たちに任せて欲しいと寺門氏は語ります。

提供されるネットワーク構成


また寺門氏は同社の強みとして、東京・北九州・福島でデータセンターを運用しており、物理サーバとクラウドサーバを併用できる点を上げました。「物理サーバに比べて、クラウドは比較的ゲームのお客様が多いですね。スケールしやすい分だけ、ゲームの立ち上げ時に有利です。一方で人気が出て、安定運用期にあるタイトルでは、数カ月単位でみるとコストパフォーマンスの高い物理サーバに移行する例も見られます」(寺門氏)。中には将来の移行を見越して、はじめから物理サーバとクラウドサーバの併用が可能な同社のサーバを選択される例もあるそうです。

すでにハイパフォーマンスデザインパックはクローズドβが運用中で、協力会社とテストを繰り返しながら、練度を上げている最中とのこと。4月から5月にかけてサービスインされる予定です。同社では自社セミナールームでエンジニア向けの勉強会を実施するなど、ユーザーコミュニティに対しても積極的に支援を行っています。今後はハイパフォーマンスデザインパックの導入事例セミナーなども、視野に入れていきたいとのこと。続報を期待しましょう。

■寺門典昭氏、梶川治彦氏に聞く、ハイパフォーマンスデザインパックを選ぶ「これだけの理由」

技術開発本部UX開発部部長 寺門典昭氏カスタマーサービス本部テクニカルエバンジェリスト 梶川治彦氏


―――UX(ユーザー・エクスペリエンス)開発部という部署名が新鮮ですね。

寺門: サービスを開発している部署なので、普通は「サービス開発部」などですよね。しかし、私たちはUXの意味を広義でとらえました。お客様に素晴らしい体験を提供してもらいたいというメンバーへの想いを込めて、UX開発部としています。

―――ハイパフォーマンスデザインパックは、具体的にどのような形で提供されるのでしょうか?

寺門:内部で調整中ですが、月額課金方式で提供される予定です。想定PVやサーバ台数などで、いくつかメニューを用意しておき、そこから選択するだけで導入できるようなものを考えています。

―――ミドルウェアのチューニングだけで、これほど差が出るとは驚きです。

寺門:同じミドルウェアでも、バージョンによって、もっと違いが出ます。

梶川:企業によってはNginxではなくて、Apacheを使用されるケースもあると思いますが、弊社でのテストでは約2倍近い差が出ました。さらに、MySQL5.1と弊社チューニング済みのMySQL5.5を比較すると、秒間トランザクションが約10倍近いパフォーマンスも出ています。

寺門:いずれも、これまで弊社が蓄積してきた技術ノウハウの賜物だと思います。

―――そもそも、どうしてこのようなサービスを開発されることになったのですか?

寺門:実は大手企業を中心に、何度も同じような技術相談を受けていたのです。コストカットは至上命題ですから、どこの企業でもチューニングやサーバの監視運用には工夫を凝らしています。しかし、人材やノウハウが不足していたり、本当に最適なチューニングかわからなかったりします。いくらオープンソースといっても、ミドルウェアをいちいちテストして、検証していくのもコストがかかります。であれば、そういった面倒な箇所はすべて我々が担当するのが早いと考えました。

―――なるほど。

寺門:また、単にサーバインフラを設計するだけでなく、運用もあわせて行う必要があります。アクセスの集中でゲームがダウンしないように、常に監視する必要もあります。高いスキルを持ったエンジニアを貼り付けておける企業は、限られているのではないでしょうか。

―――数あるサーバインフラ事業者の中で、御社の強みを教えてください。

寺門:なんといっても「信頼性」ではないでしょうか。弊社のサービスはゲーム以外に、金融系やeコマースサイトなど、さまざまな分野で利用されています。金融系ではほんの1秒の通信断が許されないほど、ゲーム以上にシビアな運用が求められます。一方でゲームでは瞬間的なアクセス爆発がすごい。GREEやMobageがオープン化した2009年前後から各社に導入いただいており、本当に鍛えられました。お客様の成長に合わせ、インフラも最適化を繰り返してきました。その結果、今では月間稼働率が99.999%という他に類を見ないSLAを提供できていると思います。

―――サーバインフラ分野では価格競争が激化しています。

寺門:「性能が良いのは分かったけど、価格も高いんでしょ?」という話ですよね。お客様からも、しばしば言われます。ハイパフォーマンスデザインパックは、そうした声に対する弊社としての回答でもあります。サーバあたりの性能がアップし、アクセスに合わせてサーバ台数を最適化できれば、それだけ全体のコストが下げられますから。自社で人材を抱えてチューニングするより、トータルで捉えてもらえればと思います。

―――なるほど。

梶川:一方で価格競争に負けないだけの高付加価値を提示していく必要もあります。物理サーバとクラウドサーバの双方でサービスを行っている点や、前述した信頼性の高さなどです。

寺門:実際にコスト面で他社様のサービスに乗り換えられたお客様で、しばらくして再び弊社のサービスに戻られる例もあります。総合的な判断をしていただいたと思っています。

―――ソーシャルゲーム大手のKLabと技術提携も行っていますね。

寺門:2013年12月から海外展開に向けた研究開発を開始しました。ソーシャルゲームを海外展開する場合、ネットワークの遅延の問題で、現地のサーバを使用する例が一般的です。しかし、そのためにコストが増加してしまいます。そこで国内外に中継サーバを設置し、最適なネットワーク経路とデータ転送プロトコルを使用することで、できるだけ快適に通信できる環境を構築するための実証実験を始めました。

―――国内のデータセンターにサーバを集約できればコストも削減できます。

寺門:アプリの開発スタイルにもよりますが、ウェブアプリからネイティブアプリへの移行に伴い、サーバ負荷は軽減する方向にあります。低コストで低レイテンシの通信が可能なソリューションの実現をめざしていきます。

―――まだまだ「知る人ぞ知る」大手という印象です。

寺門:弊社サービスをきちんとお伝えできていないのは反省すべきところです。逆に実際にサービスを使っていただいているお客様はサービスの品質やサポート力、技術力などをご評価いただいていると思っています。最近では口コミや評判を聞いたユーザーの問い合わせも増えてきています。まだご利用いただいていない方々にも魅力に映る情報発信をしていきたい。もっともっと、エンジニアの皆様に喜ばれるような施策を進めていきますので、期待してください。

―――ありがとうございました。
《小野憲史》
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