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【そそれぽ】第97回:もんげー社会現象に拍車をかける!NO作業感RPG『妖怪ウォッチ2』をプレイしたよ!

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそ こと 津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第97回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

任天堂 3DS
インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第97回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

街を少し歩くだけで、「ゲラゲラポー!」とか「もんげーっ!」とか言ってる子どもたちの声が本当に聞こえてくるんです。マジです。これが社会現象なんです。

というわけで、今回プレイするのはレベルファイブのニンテンドー3DSソフト『妖怪ウォッチ2 元祖/本家』です。

ですが、その前に!そもそも『妖怪ウォッチ』が何なのか、よくわからない人も多いと思うので、まずは『妖怪ウォッチ』周辺の現状、社会現象になるまでの流れを少し振り返ってみます。


◆もんげーことになってる『妖怪ウォッチ』って何?


■レベルファイブが手がけるクロスメディアプロジェクト!
ゲームやTVアニメ、玩具などを同時展開して話題となった『イナズマイレブン』や『ダンボール戦機』に続く、レベルファイブによるクロスメディアプロジェクトが『妖怪ウォッチ』です。昨年7月に発売されたニンテンドー3DSソフト『妖怪ウォッチ』は、なかなかひっそりとしたスタートでしたが、筆者も【そそれぽ】でプレイレポートを掲載。ゲームの完成度は非常に高いもので個人的には好印象でしたが、知る人ぞ知る名作として長らく低空飛行が続いていました。

しかし、今年に入ってゲームを原作とするTVアニメ「妖怪ウォッチ」がスタートするやいなや、小学生を中心とする低年齢層の間で爆発的にヒット。関連グッズは売り切れ続出。グッズの速攻完売でイベントが延期。本当にとんでもない大ブレイクっぷりになっているわけです。もちろん、昨年発売されたゲーム第1作の売上も急上昇し、今年4月に累計出荷100万本を突破。TVアニメのスタートをきっかけに、一躍大注目のコンテンツとなりました。

■社会現象は言い過ぎ?いや、マジっすよ。
先日、近所のお菓子屋さんに行ったときのこと。子供連れの母親が「妖怪ウォッチのシールのヤツあります?」と店主に尋ねていました。店主曰く「妖怪ウォッチ関係は、ウチみたいな小さいところにはなかなか入って来ないんですよ~。すみません。コンビニさんとかに行かれたほうがあるかもしれませんね~。今まで売れてた○○(自主規制)のお菓子が全然売れなくなっちゃって・・・(笑)」とのこと。とは言え、コンビニでも、スーパーでも、なかなかお目にかかりにくい『妖怪ウォッチ』関連グッズ。そして、子どもたちの列が全く途切れない、近所にある『妖怪ウォッチ ともだちウキウキペディア』の筺体。

6月17日の毎日新聞にはこんな記事も掲載されていました。

妖怪ウォッチ:「もんげー」復権 岡山弁から全国へ

地元岡山県で忘れられつつあった「ものすごい」を意味する方言「もんげー」が人気ゲーム「妖怪ウォッチ」のおかげで復権、子供や若者を中心に浸透している。今年1月にテレビ東京系で始まったアニメ放送で、こま犬の妖怪のキャラクター「コマさん」が「もんげー」を連発。今や同じ意味の岡山弁「でーれー」「ぼっけー」をしのぎ、知名度は全国レベルだ。

毎日新聞(http://mainichi.jp/select/news/20140618k0000m040021000c.htmlより引用)


これを社会現象と言わずして、何を社会現象と言うのでしょうか!これほどまでに身近に感じるビッグウェーブは、個人的には「たまごっち」以来です(笑)。

■そんなタイミングで発売された原作ゲームの続編『妖怪ウォッチ2』
内容が微妙に異なる『元祖/本家』の2種同時発売ということでも注目を浴び、パッケージ版の店頭予約が早々に終了している店舗も続出。気付いたときには手遅れだったので、筆者はダウンロード版を購入することにしました。(市場には十分出回っているようなので、暴利な転売などにご注意ください!)

実は、TVアニメは初回から欠かさず観ている筆者と嫁。なので、今の『妖怪ウォッチ』は、昨年掲載した【そそれぽ】からすると、そのブレイクっぷりに非常に感慨深い気持ちになります。第1作のプレイを傍らで見つつ、TVアニメから入った嫁も「欲しい」と言い出したので、「キュウビ」の見た目が好きな嫁はパッケージ的に『本家』、筆者は『元祖』をダウンロード購入しました。

前振りが長くなってしまいました。上記の通り、我が家でも非常に楽しみにしていたタイトルということで、じっくりプレイしていきたいと思います。

※掲載する内容はダウンロード版『妖怪ウォッチ2 元祖』のものです。パッケージ版や『本家』と内容が異なる場合があります。
※掲載画像はiPhoneで無理矢理ニンテンドー3DS本体画面を撮影したものです。



◆クロスメディアプロジェクトってもんげーっ!


■TVアニメで研ぎ澄まされた世界観
ストーリー的にも、本作はニンテンドー3DSで発売された第1作『妖怪ウォッチ』の続編にあたります。が、『1』のプレイ経験を全く問わない内容に仕上がっているので、『2』からプレイする人も安心です。

ストーリーの導入部や、少しずつ広がっていく行動範囲、できること、それらにともなう丁寧かつ邪魔くさくないチュートリアル、直感的に理解できるぐらいわかりやすいゲームデザインなどなど・・・どこを切り取ってもユーザーフレンドリーなものとなっています。

また、前作よりも登場する「妖怪」や「人物」たちのキャラクターが立っていて、それぞれがより個性的になりました。これはTVアニメの恩恵も大きいと思います。

単独でも十二分に楽しめる本作ですが、『1』やTVアニメなどを知っていると、その楽しさが膨れ上がるというバランス感が絶妙で、知っている人だけニヤニヤしてしまう部分も結構出てきます(笑)。筆者はニヤニヤで済んでますが、嫁は声を出して笑っています(笑)。

■「ジバニャン」は主役ポジションに
『1』では、前面に推されてはいたものの、ゲーム内ではほかの「妖怪」たちとそれほど扱いに差がなかった「ジバニャン」ですが、本作ではTVアニメ同様に主人公(性別、名前は自由に設定可能。TVアニメは男の子の「ケータくん」が主人公)とともに自宅に住みつき、さまざまなイベントで共に行動するようになりました。

「ジバニャン」に加えて、主人公と妖怪執事「ウィスパー」の3人(?)によるTVアニメでおなじみの掛け合い的なシーンも大増量。ゲーム第1作を原作に、そのTVアニメ版でキャラ設定が深まり、ゲーム第2作にしっかり活きてくるという、この「ジバニャン」の例は、まさにクロスメディアプロジェクトならではの発展と言えそうです。

■くだらないところに全力投球
ゲーム第1作でも随所にあったギャグ要素は、TVアニメで更に鋭角になり、TVアニメ版「妖怪ウォッチ」は大人も子供も一緒に笑える今どき珍しい高品質なギャグアニメであるという認識です(笑)。プロジェクトとしてそんな背景があるせいか、本作では、細かい部分でも全力で笑わせにきます。

例えば、「妖怪」の「合成」で、組み合わせを間違えてみてください。どこからか妖怪「認MEN」の「ソウジャナイヨー!」という声が聞こえてきます(笑)。こうしたひと笑いのために、わざわざ「そのためのデータ」をゲーム内に用意していたりするようなことが随所にあるようで、本作が「妖怪ウォッチ」というクロスメディアプロジェクトのひとつとして道がハズレないように、「全力投球」しているなぁと強く感じた次第であります(笑)。


◆ひとつのゲームとしてもんげーっ!


■冒険度が増したストーリー
前作があくまで「日常」を舞台にちょっと不思議な体験をする、というコンセプトだったのに対して、本作は時間を越えるファンタジー要素も強く打ち出されています。また、「さくらニュータウン」というひとつの街ではおさまらず、電車に乗って違う村などにも行けるようになりました。縦にも横にも世界が広がり、日常から飛び出した冒険を本作ではより楽しめるようになっています。良い意味で「RPGらしさ」が増したと言えそうです。

それだけ世界が広がったにも関わらず、前作で良かったテンポ感はまったく損なわれていません。メインのストーリーに加えて、サブクエスト的な「たのみごと」や「おてつだい」をこなしているうちに、仲間の妖怪たちもどんどん成長し、そうこうしていたら、いつの間にかストーリーを進行させる条件が整っていた、という感じです。なので、やめどきがわかりません(笑)。

■半オートな戦闘は相変わらず独特で明快
街中では「ウォッチ」のレーダーが反応したところを調べることで、裏路地など「ダンジョン」的な場所ではシンボルエンカウントで戦闘が発生。「半オート」システムが採用された戦闘では、プレイヤーは妖怪に「わざ」を発動させたり、敵を「ねらう」して集中攻撃させたりといった最低限の補佐と、タッチペンによるアクションしか行わず、あとは妖怪が性格にあわせて勝手行動します。Xボタンで戦闘の早送りができたりと、細かいところの便利仕様が光ります。

戦闘に参加させる妖怪は、好きなように回せる「メンバーサークル」に妖怪をセットすることで決めるわけですが、「プリチー」「ゴーケツ」など種族による陣形効果、それぞれの「わざ」や「スキル」など、並び順もこだわって決めた方が戦闘は間違いなく有利に進みます。回復も考えたバランス重視か、一気に押し切る攻撃重視か、プレイヤー次第で戦い方は全く異なるものになります。

とは言え、ゲームの難易度はそれほど高くないので、もちろん見た目や好みで「メンバーサークル」にセットする妖怪を決めるのもアリ。戦闘の「奥深さ」「テンポの良さ」「飽きさせない作り」「やってみると案外シンプル」という部分は前作の良さを引き継ぎ、完成度は相変わらず高いです。新要素もありますが、今回のレポートでは割愛。タッチペン(タッチ操作)はほぼ必須なので、用意を忘れずに。

■更に増えたやり込み要素とミニゲーム
妖怪メダル集めや妖怪の育成要素はもちろん、虫採り、魚釣り、更には各種ミニゲームなどなど、やり込みや寄り道はどれだけやっても終わりそうにありません。しかしこれらには、ストーリーをガンガン進めてようとしていても、ついついやりたくなってしまう魅力があります。こわいです(笑)。

特にゲーム内ゲームとも言える『妖怪ウォッチバスターズ』の完成度は異常です(笑)。鬼から逃げる緊張感、プレイヤーの技術や頭脳による鬼撃破狙いの作戦など、ミニゲームにも関わらず1本のゲームとして本気の戦略性がそこにはあります。自分の好きな妖怪を選んで操作できるのもちょっと嬉しかったり(笑)。身近に一緒にプレイできる人がいたらぜひやってみてください。かなり楽しめる内容になっています。


◆気になったところずら


■相変わらず本体をどう持つのがベストなのか?
前作のレポートでも書いたのですが、『妖怪ウォッチ』シリーズは、いつでもタッチ操作とボタン操作の両方をフルに活かし、それでいてその流れを無理なく楽しく感じさせてくれる見習いたいことが山盛りのゲームです。しかし、それゆえ右手の薬指と小指あたりでタッチペンを持ちながら、ボタン操作するのが筆者のベストプレイスタイルなのですが、やはりちょっとやりにくいわけです。他のゲームでも例があるように、素手による下画面タッチでも良いのですが、戦闘などでそこそこ激しくタッチ操作するため、やはりペンでないと不自由な場合もあります。

もはや、この操作が確立されているので、今後仮にシリーズが出ても大きく変化することはないと思います。しかし、ぜひどちらかに絞った持ち方&快適な操作方法を提案してほしかったです。

■リズム系ミニゲームだけ難しい
本作のミニゲームにはタッチ操作を使ったリズムゲーム的な作りになっているものが存在します。その難易度がほかのミニゲームに比べてめちゃくちゃ高い気がします。本当に、なぜコレだけこんなに・・・といった印象を受けました。何度かチャレンジしたのですが・・・やっぱり難しいです(笑)。

■え、これ「大当たり」なの!?
クエストを達成すると、アイテムが獲得できる「ボーナスチャンス」が発生します。ボーナスチャンスの結果は「ハズレ」「当たり」「大当たり」がランダムで、描き下ろしアニメによる演出で再生され決定します。この結果が一体何なのか、アニメの内容では全く伝わって来ないことがしばしばあります(笑)。

今、妖怪が掃除機に吸い込まれちゃったけど「大当たり」なの?!といった具合に、何が「良い」で何が「悪い」なのか、イマイチわかりません(笑)。ゲーム的には、オマケのオマケみたいな些細な要素なので、さして気になるものではありませんが、もうちょっとわかりやすいシンプルな演出でも良かったのではないかと思いました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


◆総評


「流行りもの」「子供向け」と敬遠するべからず!
ゲームの歴史に名を残す「NO作業感」超良作RPG!


前作でもかなり良質なRPGだった『妖怪ウォッチ』が「完璧に仕上がったな!」という印象。「流行りもの」「子供向け」だと思ってプレイしないでいると絶対に後悔します。物語やシステムの充実はもちろん、ミニゲームなどのやり込み要素、戦闘の戦略性、どこを取っても全く隙がないゲームです。それの全ての要素が散らかっている印象はなく、キレイに1本のゲームに収まっていて、ストレスなく堪能することができます。

TVアニメから入る人も多いと思われる中で、主人公の後ろについてくる妖怪(おとも)を自由に決められるシステムの搭載は、クロスメディアプロジェクトとしての「妖怪ウォッチ」ファンにはたまらないと思います。ゲーム内での推奨は一応「ウィスパー」や「ジバニャン」になっているようですが、筆者はしょっちゅう変えてます。「ばくろ婆」とか、渋い妖怪も連れて歩きたいじゃないですか(笑)。

どんなRPGにも必ずある「作業感」がほとんど感じられないのも本作の特長だと思います。敵とのエンカウントの方式や、おつかいの「させ方」など、「作業」と感じさせない工夫が随所に散りばめられています。やり込み要素を、更に踏み込んでやり込もうとしたときにやっと「作業」に感じるかなといった具合で、普通にプレイしていれば「NO作業感」ゲームです。

【こんな人にオススメ】
・RPGが好きな人
・収集系ゲームが好きな人
・寄り道系クエストが好きな人
・老若男女問わず
・TVアニメ「妖怪ウォッチ」を観ている人
・RPGが苦手でも「妖怪ウォッチ」が好きな人
・ジバニャンかわいいです
・コマさんはもっとかわいいです

前作をプレイしていなくても、TVアニメを観ていなくても、全く問題なく入れます。前作をプレイした人、TVアニメを観ている人は、更に楽しくプレイできます。ゲーム初心者から上級者まで、どんな年齢層でも、全方位に隙のないゲームを久々に味わった気がします。興味がある人は、ぜひぜひプレイしてみてください。興味さえあればどんな人にもオススメできるゲームタイトルです!


【そそれぽ】第97回、いかがでしたでしょうか?晩夏から秋頃にかけて、3DSのゲーム発売ラッシュがやばくて、早くもどうしたら良いのか悩んでいます。次回もどうぞお楽しみに!


『妖怪ウォッチ2 元祖/本家』は、好評発売中。価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに4,968円(税込)です。

(C)LEVEL-5 Inc.


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》
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