スポーツカーを駆る走り屋の若者たちの熱い峠バトルを描いた人気漫画『頭文字D』。燃費&メンテナンス管理サービスの「e燃費」では、この作品に登場した車両の実燃費をランキング化して発表している。
今回の燃費ランキングは、コミックス版およびアニメ版に登場した主な車両をリストアップし、実燃費順に集計したものだ。その順位は以下の通り(投稿数や数字の信頼数を示す95%信頼区間については拡大画像を参照のこと)。
1位:スズキ カプチーノ(EA11R) 16.0km/リットル
2位:トヨタ MR-S(ZZW30)13.1km/リットル
3位:トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ(AE86)12.5km/リットル
4位:トヨタ 86(ZN6) 11.4km/リットル
5位:マツダ ロードスター(NB8C) 11.2km/リットル
6位:ホンダ シビック タイプR(EK9)10.9km/リットル
7位:ホンダ インテグラ タイプR(DC2)10.6km/リットル
8位:ホンダ S2000(AP1)10.6km/リットル
9位:マツダ ユーノスロードスター(NA6CE)10.0km/リットル
10位:日産 180SX(RPS13)9.5km/リットル
まずは考察の前に、残念ながらAE85(トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ 1.5Lモデル)、S13(日産 シルビア)、EG6(ホンダシビック)、シルエイティ(S13 シルビアと180SXの“ニコイチ”モデル)、CN9A(三菱ランサー エボリューションIV)、CE9A(三菱 ランサーエボリューション II/III)、ST205(トヨタ セリカ)、NA1(ホンダ NSX)の8車種が、集計条件に適応できず未掲載となってしまったことを報告したい。
◆燃費ではカプチーノがぶっちぎり、ハチロクも大健闘
1位はスズキ『カプチーノ』(EA11R)で16.0km/リットル。現代の軽自動車の水準を考えれば、低燃費という表現はできないが、軽自動車の660ccターボという条件を考えれば良好な値。カタログ達成率でみても、89%と高い数値を出している。発売時期が1991年と四半世紀近いの車にもかかわらず、スポーツカーというくくりで見れば、燃費競争でも十分優れているといえる。
また本集計にランクインした車両で特徴的なのは、すべての車両のカタログ燃費達成率が高いこと。達成率の低い車両でも75.9%で、平均は86.9%。現行車両(日本車)と比較すると達成率の高さが伺える。燃費達成度が最も高かったのは、AE86(トヨタ カローラレビン/スプリンタートレノ)で、96%だった。
ここでもう一つ注目したいのが、トヨタ『カローラレビン/スプリンタートレノ』(AE86)とトヨタ『86』(ZN6)とのいわば“新旧ハチロク対決”。車重、排気量の違いはあれど、ZN6とは発売時期に約30年の差があるAE86が、燃費の面でZN6を上回る形になった。
ホンダ勢も『シビック タイプR』『インテグラ タイプR』『S2000』が揃って6~8位にランクイン。排気量が1.6/1.8/2.0リットルとそれぞれ異なる高回転エンジンながら、いずれもほとんど変わらない10km/リットル代の中盤の燃費を実現しているあたりが興味深い。とくにS2000の前期モデルに搭載されたF20Cは、250馬力を8300回転で叩き出す市販車エンジンとしては超高回転仕様でありながら、低中回転域でも十分なドライバビリティを実現していることが窺える。
◆劇中での速さだけでなくリアルワールドでの燃費も良好…AE86
「実燃費ランキング」ではスピードを競う“峠バトル”とは違い、2駆よりも走行抵抗が増え重量も増してしまう4WDや、パワーを重視したターボエンジン搭載車は自然吸気エンジンに比べて相対的に不利な燃費となった。また劇中で際立った速さを見せる2代目・3代目『RX-7』(FC3S/FD3S)は、6km/リットル代で23位・25位となった。
さて、本作主人公のマシンであり、そして劇中の“最速車”でもあるAE86は、この実燃費ランキングでは3位。実燃費は12.5km/リットルとなった。軽量ボディに名機と謳われた4A-GE 1.6リットル自然吸気/小排気量エンジンという好燃費の条件を満たすモデルだけに、発売から30年以上経過しても好燃費を記録している。
※ランキングは、2015年1月1日から8月31日に燃費投稿されたデータを元に作成。e燃費は純然たるハードウェア性能を計測するものではなく、エコ運転を意識するドライバーが多いか、また燃費に良い道路環境かどうかも含めての外部要因を含んだ数値となっている。
『頭文字D』主要登場車中で実燃費ナンバーワンは?…e燃費が発表
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