その一方で、ピクシブやニコニコ、そして各SNSでは多くの二次創作やコラージュ画像が誰でも簡単に見れる形で投稿。それに対して「学校教材としてのイラストなのに、イメージを損なう画像が投稿され、生徒や保護者たちに悪い影響・印象を与えかねない。」という声が上がっており、ピクシブ百科事典には「【必読】イラスト投稿時の注意点」という項目が設けられています。
そこでインサイドでは、東京書籍に取材を実施。イラスト一新の狙いや二次創作についてインタビューを実施しました。
――キャラクターデザイン一新の狙いについてお聞かせ下さい。
グローバル化の時代に英語教育の大切さがうたわれています。そのため、義務教育においては、全員の英語力を高めるためにさまざまな施策が行われています。全員といっても、生徒によって興味のあるなしということは出てきますので、できるだけ多くの生徒に学習しようという意欲を持ってほしいと思い、生徒に関心の高いタッチのイラストに変えることにしました。
ただ、前例のないことでもあり、学校現場での指導に支障がないようにと、細かい点でできる限りの注意を払いました。
――学年が変わるごとにキャラクターたちはどうなっていくのでしょうか。
1年生から3年生になるにつれて、やや年上の雰囲気を出してもらっています。また、ストーリーとしては、1年生と2年生、3年生の題材をつなげて、キャラクターが引っ張るようなしかけにしています。
例えば、1年生でオリンピックとからめてブラジルの題材を取り上げ、メインキャラの光太がサッカーをやっていて、そのコーチがブラジルから来たパウロという設定にしています。3年生になったとき、光太のクラスに、ブラジルからの転校生リカルドがやって 来ます。リカルドは光太に話しかけ、自分が小さいときにブラジルで教わっていたのがパウロで、今、日本でよく行き来していることを伝えます。光太は「えっ、コーチつながりなの!?」と、世間(世界)は狭いねえといった出会いから、リカルドと友情をはぐくんでいくというつながりをもたせています。
こういったつながりを、単元を超えて、学年を超えてつなぐことで、キャラクターを通して生徒さんに英語や異文化に興味を持ってもらえるように、願っています。
―― 一般販売は行われるのでしょうか。
どこの書店でも手に入るというものではありません。教科書を取り扱う契約をしている書店に若干あると思いますが、基本的に学校で使われるものとしての取扱いになっております。
――「ミライ系NEW HORIZONでもう一度英語をやってみる」シリーズを含めた今後のキャラクター展開はありますか。
今のところ計画しているものはありません。
―― 一部ではネット上に公開されている二次創作に対して「教育のものなのに大丈夫なのか」という疑問の声が上がっています。
弊社としては、生徒さんに英語学習への関心を持ってもらえたらということを考え、細かい配慮をしておりますので、静謐な環境で学習が進むことを願っております。
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二次創作が盛り上がることは決して悪いことではなく、その多くが愛に溢れた作品ですが、インターネットが誰でも手軽に見れる時代ですので、静謐な環境を壊すような行為は慎みたいものです。