実にたくさんのアーティーストが登場したわけですが、とりわけ中でも注目したいのが「シオカラーズ」。ハイカラシティからやってきた“イカ”(インクリング)である彼女たち……、つまり、Wii Uの対戦アクションゲーム『スプラトゥーン』で人気を集めたアイドルが、二度目のライブを行ったわけなのです。
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最初のライブも実に素晴らしいものでしたが、今回はそこからさらにパワーアップが行われており、なんと「アオリ」と「ホタル」のソロ曲も発表されました。
既にニコニコ動画にて、シオカラーズが出演した場面の映像が公開されています。事情を知っている方はこのような御託を読まずにいち早く映像を見ましょう。そして、ご存知でない方には、僭越ながら私がライブの見どころを解説させていただきます。
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「イカ、よろしく~」という恒例の挨拶とともに、楽しげにステージ上へ登場するシオカラーズ。軽い挨拶を済ませたあとは、「キミ色に染めて」が演奏されます。
フェスにおけるバトルのBGMとして流れるこの楽曲は、まさに一発目からテンションを上げるのに最適と言えるでしょう。楽曲のアレンジももちろんですが、ふたりのダンスにもこだらわれています。
続いて間髪入れず「イマ・ヌラネバー!」に移り変わります。フェスのバトルで残り1分になって流れるこの曲を聴けば、もはや浸透圧がアガりまくり序盤にも関わらずピークに達しそうなほど。もし『スプラトゥーン』を遊んでいれば、バトルの興奮も同時に流れ込んでくることでしょう。
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この後、ふたりのトークが一旦挟まれるのですが、なんとそこでいきなりの新曲発表が行われます。まったくもって予想していなかった展開に観客は歓声を上げ、その興奮が冷めないまま、アオリの新曲「トキメキ☆ボムラッシュ」へと移ります。
「トキメキ☆ボムラッシュ」は、いかにもアイドルが歌っている流行りのポップスのような陽気な楽曲。明るく元気で笑顔が似合うアオリらしい曲で、ゲーム中のスペシャルウェポン「ボムラッシュ」の凶暴さとは異なる楽しげな曲となっています。
そして、ホタルのソロ曲は「スミソアエの夜」。演歌のような雰囲気も感じる落ち着いた楽曲となっており、こちらもクールなイメージを持つホタルらしさが表現されています。『スプラトゥーン』はその性質上テンションの上がる曲が多いため、こういう方向性の新曲は新鮮で嬉しいところ。“ホタル(イカ)なのでスミソアエ”というダジャレも忘れてはなりません。
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新曲発表を終えたあとの曲は、お馴染みの「ハイカラシンカ」。フェスの時に広場で何度聴いたかわかりませんが、それでもまた聴きたくなるスルメ曲です。ライブでは各楽器の音が強調されており、特にベースを含むギターの聴き応えがたまりません。
続いて、一度はテンションを落ち着かせるためか「マリタイム・メモリー」が流れます。ヒーローモード(ひとり用モード)のエンディングで流れるこの曲は、歌詞の意味もわからないのにしんみりしてしまう不思議な音楽。享楽的なイカたちにも哀愁を愛でる文化があることを知ることができます。
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最後はやはり、シオカラーズの代表曲である「シオカラ節」で締めとなります。彼女たちがアイドルとして輝き始めた原点であり、プレイヤーにとっては静かな興奮を思い出す一曲で、胸が詰まりそうなほど複雑な感情をもたらす素敵な音楽になっています。
そして、ふたりが深々とおじきをしてライブは終了。シオカラーズはamiiboが発売されることも決定しており、これからの活躍も間違いなしでしょう。その勢いや熱気を感じさせるライブとなっていました。
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『スプラトゥーン』は発売中。価格はパッケージ版・DL版ともに5,700円(税別)です。