豊富すぎるギミックやアクションが楽しすぎて止め時が見つからない！シリーズ最新作『ラチェット&クランクパラレル・トラブル』PC版プレイレポ

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、Insomniac Gamesが手がける3Dアクションシリーズ最新作『ラチェット&クランクパラレル・トラブル』のPC版をSteam/Epic Gamesストアにて2023年7月27日にリリースしました。

本作は、希少な種族「ロンバックス族」の生き残り・ラチェットと相棒のメカ・クランクが銀河を舞台に大冒険を繰り広げる「ラチェット&クランク」シリーズの最新作。『ラチェット&クランクパラレル・トラブル』は2013年にリリースされたPS3向けソフト『ラチェット&クランク INTO THE NEXUS』の続編作品です。

本作は2021年にPS5向けに発売。シリーズ初のPC版となる今回の移植では、ウルトラワイドモニター対応やフレームレート上限の解放を実施。さまざまなアップスケーリングや新たなレイトレーシングなど、所有PCスペックに対応したさまざまなカスタマイズが可能です。

本稿では、待望のPC版が登場した『ラチェット&クランクパラレル・トラブル』のプレイレポートをお届けしていきます！なお、記事内の画像は公式プレスキットおよびNVIDIA GeForce RTX 3070を使用した設定でのスクリーンショットを使用しています。

銀河を救う最高のコンビの新たな冒険が始まる

物語は冒頭、これまでのラチェット&クランクの活躍を称える「ヒーローフェスティバル」のシーンからスタート。祭典は基本的な移動や戦闘のチュートリアルにもなっていて、空中をジャンプしたり、途中襲ってくる敵との戦闘を行いながら過去のストーリーの説明が行われていきます。

祭典の最後には、ラチェットへのサプライズとして次元操作デバイス「ディメンジョネイター」がクランクからプレゼントされます。この装置は過去作品で壊されたものですが、ラチェットの「他のロンバックス族を探す」という夢を叶えるためにクランクが修理していたのです。

しかし、その直後に因縁深いマッドサイエンティスト・ネファリウスによってディメンジョネイターが奪われてしまいます。ネファリウスが“自分が絶対に勝つ次元”を目指したことで、ラチェット&クランク、そしてネファリウスの3人は異次元への扉へと吸い込まれてしまいます。

そしてたどり着いたのは、ラチェットたちが住んでいた世界とは大きく事情が異なる別次元の銀河。ラチェットとクランクは離れ離れになり、クランクはパーツを失って動けなくなったところをロンバックス族の女性・リベットに拾われます。

こうしてラチェット&クランク、そして新キャラクター・リベットによる、2つの次元の銀河を巡る新たな冒険が始まっていきます。

豊富すぎる武器を活かしたド派手アクション！

本作は豊富な武器を使用した戦闘アクションが大きな特徴。近接武器であるレンチ（リベットはハンマー）のほかバルカンやボム、ショットガンなど、さまざまな装備品が登場します。武器のレベルを上げれば、さまざまなアップグレードも可能です。

武器は序盤から扱える種類が多く、次々と切り替えながら派手な戦闘が楽しめます。ただ銃を撃つだけでなく、敵を追って攻撃してくれる変なキノコ「ミスター・ファンガイ」や、敵を植物化する装置「グリーン・スプリンクラー」といった一風変わった武器もあります。

スプリンクラーは雑魚敵以外にも通じる強力なもので、敵を一時的に行動不能にしたところでチャージ武器や範囲攻撃で一網打尽、といった使い方も可能。ストーリーが進むと次々と新しい武器が登場するので、組み合わせのシナジーを考えるだけでも楽しめます。

攻撃や防御アップ、ボルト（お金）の獲得量アップなどの効果を持つアーマーもあり、ゲーム内で発見することでプレイを有利にすることもできます。アーマーは見た目も変わるのですが、カットシーンなどでは頭パーツを外す演出もあるので、場の空気を壊すことがありません。

なお、本作ではメインでラチェットとリベットを操作するのですが、操作方法や装備はすべて共通しています。これは本作の設定を活かした「とある理由」でもあり、ゲームとしても片方が弱い、というストレスになりそうな要素を排除したシステムです。

次元を超えた物語は探索要素も充実！

本作の舞台となるのは、ラチェットたちが住んでいる銀河と、リベットたちが住んでいる銀河という2つの別次元がメイン。この2つの銀河は地形や雰囲気も良く似ており、それを活かしたギミックも用意されています。

例えば2つの次元を入れ替える「プリゾン」と呼ばれる石を利用して、片方の次元では行き止まりだった場所へ侵入したり、次元の裂け目を利用してテレポートしたりも可能。さらに、ゲーム内のコレクション要素として、さまざまなアクションが楽しめる“次元の割れ目”というステージなどもあります。

さらに、クランクだけが侵入できる不思議な世界や、ハッキングデバイス・グリッチを操作する電脳世界など、ラチェットとリベット以外が活躍するアクションパズルミッションも用意されています。どの世界も独立して十分に楽しめる内容で、適度なやりごたえもあるのが嬉しいところです。

この「次元の移動」という要素がシームレスなのも嬉しいところ。シームレスな演出はカットシーンから操作パートでも行われているため、とても自然な雰囲気でゲームを快適に遊ぶことができます。多くの種族やロボが生活している都会や荒野、クランクが迷い込む不思議な世界など、美麗に表現された個性豊かなマップも必見です。

また、マップ内には武器の強化に使う「ラリタニウム」のほか、コレクションアイテムといった探索要素も多く存在しています。コレクションは装備品のアンロックや見た目のカスタマイズ、フォトモード拡張などゲームを楽しくする要素にも繋がります。広大なマップも多いのですが、さまざまな高速移動方法やワープなどのギミックもあり、探索にもストレスを感じさせないのはとても好印象です。

2つの銀河は似て非なるもの？

ゲーム内でメインとなるラチェットとリベットは、どちらもその次元での生き残りのロンバックス族という立場。この2人のロンバックスという関係性はもちろんですが、2つの次元の銀河には多くの「似て非なるもの」があり、その世界を読み解くのも楽しい部分です。

例えばストーリー上ではシリーズ登場人物の“別次元バージョン”が登場するのですが、彼らは次元ごとに大きく生き方やスタイルも異なります。もちろん、これまでのファンにはドキドキする展開も多いのですが、本作はここから初めてプレイしても問題ないような独立したストーリーで展開されます。

やはり魅力に感じるのは、新メインキャラクターであるリベットの存在。ゲーム内では序盤にクランクとコンビを組んで活躍するのですが、ラチェットと似ていて、それでいてどこか異なる新しいヒーロー像として成長していく姿が印象的です。何よりとても可愛いのも嬉しいですね！

ちなみに、ゲーム内メニューで登場人物それぞれのポートレートが用意されています。PS Blogでは、これまでのシリーズや本作の世界観に関する記事も多く用意されているので、気になる方はそちらをチェックしてもいいかもしれません（一応ネタバレ注意）。

ついに待望のPC版が登場した「ラチェット&クランク」シリーズ最新作の『ラチェット&クランクパラレル・トラブル』。豊富な武器やギミックを駆使したアクションはもちろん、シームレスな世界の冒険や快適な操作性など、これまで多くの作品を出してきた長寿シリーズらしいノウハウを活かした楽しさと、新しいチャレンジが満載です。

プレイして感じるのはゲームの導線の優秀さ。ゲームが進めば次々と新しいギミックが開放されるのですが、驚くほど自然に馴染めるようになっています。マップ内でも探索やストーリー進行などが実に自由に、そして一連の流れとして遊びやすくなっているので、気がつけば数時間やり込んでしまう「終わりどころのない作品」です。