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【ゲームニュース一週間】Wii、PS3、Xbox360の“次の一手”、そして最後に目指すべき場所

激動の2008年も、もう終わり。今週は、各社が打ち出す“次の一手”に関するニュースが揃いました。

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激動の2008年も、もう終わり。今週は、各社が打ち出す“次の一手”に関するニュースが揃いました。

日本経済新聞が報じるところによりますと、任天堂と電通は2009年春からWii向けの映像配信事業を開始、オリジナルの家族向け娯楽番組を提供していくとのこと。また、富士ソフトの動画配信『みんなのシアターWii』、集英社のマンガ配信『MANGAON』(仮)、出前注文『出前チャンネル』など、現実の世界とリンクしたサービスが続々発表されています。

米マイクロソフトは1000人の女性にXbox360を無料配布しました。1000人の女性は年齢・職業共に様々。口コミがスタートするポイントとしたいというのが狙いのようで、マイクロソフトのHeather Snavely氏は「我々は3年で2000万台のXbox360を販売したが、次の2000万台を達成するために女性とティーン層を開拓する必要があります。我々はこれまでとは異なった方法で取り組みます」とコメントしています。

ソニーのSusan Panico氏は『PlayStation Home』でのアイテム販売が好調であるとコメントしています。プレイヤーキャラクターとなるアバターが身につける衣服や、自室に置ける家具のことで、既に他社とのコラボレーションアイテムや季節もののアイテムが売られています。


Wiiの大きな強みは普及台数が多く幅広い層が所持しているところにあります。
これは現実とリンクしたサービスがやりやすいということ。
番組配信、動画配信、出前と言ったサービスがアナウンスされましたが、どれも前述したWiiの強みを活かしています。台数が多いことで大きな反響が望めますし、幅広い層が持っていることで様々なサービスを提案できます。
ゲーム機をゲーム以外のことに使うという構想は過去にも存在していましたが、Wiiは普及台数という足場を築いた上でステップアップを図っているわけで、今後のWiiは“生活”というフィールドへも近づいていくのかも知れません。

Xbox360はコア層向けのゲームという形での奥行きを既に持っており、常々“間口を広げる必要性”が提唱されてきたのですが、女性に無料配布するというのは実にストレートなやり方。奥行きと間口が組み合わされば強いゲーム世界が生まれるというわけで、来年からどのような戦略が展開するのかが注目されます。

次世代機の中で“仮想世界”を推すのはプレイステーション3のみ。Wiiには遠隔地とプレイできるWi-Fiがあり、Xbox360もアバターを導入しましたが、3D世界をアバターが自由に動き回るという形の広がりは『PlayStation Home』にしかありません。スタミナドリンクのレッドブルが参入しバンダイナムコゲームスや日本一ソフトウェアのアイテムが売られるなど、コラボレーション展開が続いているのも特徴。他社の持たないものを提供するのは差別化に大きく役立つことでしょう。

各社が次の一手を明確にしつつありますが、ゲーム機が最後に目指すべき場所とはどこなのでしょうか。
「Wiiをプレゼントされて喜ぶ50人の子供」という動画は、ゲーム機の、そしてあらゆるサービスの本分を思い出させてくれます。難しい顔をして思いつき、時に泣き顔になりながら立ち上げたサービスが、最後は笑顔で迎えられること。これこそがあらゆる開発者や起業家の理想かつ基本なのではないでしょうか。

来年も、笑顔を生み出すゲームやサービスが多く生まれることを期待して、筆を置きます。

それではみなさん、良いお年を。

50 kids happy to get a Nintendo Wii for Christmas - watch more gamer videos
《水口真》
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