そして満を持して紹介されたのが、PS3の新作タイトル群だ。自社タイトルとサードパーティを含めて、今期中には120タイトル以上が発売され、既発売分とあわせて、北米で160タイトル以上が揃うとされた。また新たにNCソフトの参入を発表。PS3およびPSP向けにオンラインゲームを投入することと、PLAYSTATION Networkを通じたプレイが可能になると発表された。他に「Unreal Engine」で有名なEpic Gamesから、「Unreal Tournament 3」の今秋発売が発表された。現在も「Unreal Engine」はPS3向けに改良され、開発機材として提供されているが、こちらはゲームパッケージでMidwayから発売される。PCでも発売予定だが、据え置き機ではPS3のみとなる。
この他に昨年のE3で高い注目を集めた「Heavenly Sword」や、今年のGDCで電撃発表された「LittleBigPlanet」をはじめ、「Folklore」「NBA’08」「Uncharted: Drakes Fortune」「グランツーリスモ5プロローグ」が紹介された。
またスペシャルゲストとして、コナミから小島秀夫監督が登壇。シリーズ最新作「メタルギア ソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」(MGS4)の最新トレーラーが公開された。小島氏は「メタルギアは今年の7月で20周年を迎える」とした後で、「4」はスネークが登場する物語としても、小島氏がゲームデザインする「メタルギア」としても、シリーズ最終作となるとコメント。過去のすべての伏線や謎が結実するとして、開発に意欲を見せた。発売は2008年初頭を予定している。
なお映像はすべてムービーではなくリアルタイムデモで上映。実際のプレイも同じクオリティで楽しめるとのことだ。7月17日に東京で開催される「PLAYSTATION PREMIRE 2007」では、自ら開発バージョンのデモプレイを行う予定とアナウンスされた。「4」では新たなステルスアクションとして「戦場に潜入する」シチュエーションが登場するが、その実態も明らかになる。
さて、これでカンファレンスも終了かと思いきや、最後にもう1タイトルのサプライズがあった。2004年にPS2で発売され、海外でミリオンセラーを記録したFPS「KILLZONE」の続編「KILLZONE2」だ。会場では冒頭ステージのデモプレイが行われ、ムービーさながらの臨場感ある映像が示された。発売は2008年の予定だ。
過去数年間、SCEのプレスカンファレンスといえば、PS3を中核とした壮大なビジョンがつきものだった。しかし今年はビジョンではなく、ゲームソフトが主役だった。
質・量を兼ね備えた、圧倒的なソフトラインアップで他のハードと差別化する。「Games,Games and More Games」は、PS1&2の黄金律の踏襲だ。ただし、これまでその下地を支えてきたのは、ハードの圧倒的な普及台数に伴うプラットフォームの優位性だった。これが、ことPS3では崩れかけている。いまだハードの逆ざやが存在する中で、本体の値下げも実行した。年末商戦に向けて、どれだけ痛みに耐えられるか。今が正念場だ。
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