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「本とは何か?」を考え抜いた作品『DS文学全集』―N.O.M 10月号

毎月月初めに掲載されている「ニンテンドーオンラインマガジン」の2007年10月号が掲載されました。今回特集されているのは10月18日に発売される『DS文学全集』です。開発元は何とジニアス・ソノリティ。これまで『』や『ドラゴンクエストソード 鏡の塔と仮面の女王』などを制作してきたデベロッパーですが、今までにない作品への挑戦でした。

任天堂 DS
毎月月初めに掲載されている「ニンテンドーオンラインマガジン」の2007年10月号が掲載されました。今回特集されているのは10月18日に発売される『DS文学全集』です。開発元は何とジニアス・ソノリティ。これまで『』や『ドラゴンクエストソード 鏡の塔と仮面の女王』などを制作してきたデベロッパーですが、今までにない作品への挑戦でした。

『DS文学全集』は日本を代表する文豪達の作品を100作品収録した、ニンテンドーDSで本を実現した作品です。開発にはインターネットで著作権切れの作品を無償で公開している青空文庫や、書籍「あらすじで読む日本の名著」の著者である小川義男さんも協力しているそうです。

とは言え開発は難航し、2年の歳月を要したそうです。特にフォント作りは困難で、現代では使われてないような漢字や、作家さんが自分で作ってしまった漢字など、オリジナルの漢字を作りながら対応していったそうです。75万字にのぼる収録された文章の校正も大変で、文章は青空文庫から提供されたものを、原本と照らし合わせていったそうです。一見誤植のように思える物の扱いなど、「本」とは何か、ということを徹底的に考えさせられる開発であったということです。

2年間の中で「本」らしくあるという点では大きく前進があり、例えば様々なシチュエーションを再現したBGMで読書ができたり、全ての本にはその文章量に応じた厚みの表紙がそれぞれで用意されていたり、ページをめくる際の動きなども拘りが反映された内容になっているそうです。

任天堂のプロデューサーの山上仁志氏は次のようにコメントしています。

「どこかひとつでも引っかかったら、是非お手に取ってください。100冊の文学全集を作るために、スタッフたちは“本を読む”ということを徹底的に考えました。その結果、本が好きな方が手に取ったときに、心地よくなる、興味を持つということについて、非常に詳しくなりました。なので、本をたくさん読んでいらっしゃる方も、新しい本との出会いを作るきっかけになるのではないかと。これを手に取っていただくと、この作家読んで良かったと思える機会をご提供できるのではないかと思います。収録している100冊のうち半分は別のところで読んだことのある方でも、読んだことない本が30冊しかないやという方でも、十分に満足を与えることができるのではないかと思います。ただ本を集めただけではない、ということを分かっていただきたいというのが、私の願いです」
《土本学》
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