日中韓で競った『ウォークラフト3』
トップグループ常連のnemuke選手が予選落ちという波乱含みの展開でした。ステージ1では3位、ステージ2では準優勝。今度こそは優勝かと思われただけに残念です。さて、Saito.選手、rincsavage選手、tenti選手、NvM.ToRReS選手の4人で競われた決勝トーナメント。前回の優勝者Saito.選手の2連覇と、トップグループ常連のtenti選手に期待がかかります。rincsavage選手は中国から、NvM.ToRReS選手は韓国からの留学生でした。
中国でもウォークラフトは大人気で、rincsavage選手は中国での大会に出場経験もあるそうです。入賞したことはないと謙遜するものの、大会に出場すると言うだけでも実力があるということです。NvM.ToRReS選手の韓国はプロゲーマーが活躍する国で、プレイヤー自体の平均スキルは日本よりも格上でしょう。ステージ3では日中韓の競合が激突するという、国際色豊かな戦いになりました。
決勝トーナメント第一試合はrincsavage選手とNvM.ToRReS選手の中韓対決となりました。この戦いはrincsavage選手の勝利。そして第二試合はSaito.選手とtenti選手の日本人対決。こちらは前回優勝のSaito.選手が勝ち進みます。決勝戦は日中対決の様相を呈しました。
3試合2勝勝ち抜け方式の決勝戦は、Saito.選手が早期にrincsavage選手のヒーローを倒し優勢に。Saito.選手はその勢いを保ったまま相手陣営になだれ込む。このパターンで2連勝しました。Saito.選手は年間ポイントランキングでも1位となりました。
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戦略重視の3箱ルール『ケツイ〜絆地獄たち〜』
今回初めて採用された『ケツイ』は縦スクロールタイプのシューティングゲームです。ひたすら撃ち込み、敵の攻撃を逃げ切ってボスを倒して面クリアを目指します。ひたすら戦い、長時間粘ればスコアは自然に上がっていきます。そんなシューティングゲームの王道を行くゲームですが、Eスポーツスタジアムでは競技性を重視した「3箱ルール」で実施されました。
3箱ルールとは、敵を倒したときに出現する「3」と書かれた箱を集め、その数の多さを競います。ケツイでは、敵を倒すたびに1から5までの数字が書かれた箱が出現します。これは面クリア後にボーナスポイントを計算するときの倍率になります。数字は敵と自機の距離によって決まります。敵と自機が接近していれば5、離れていくほど数字が減っていくわけです。その距離感を維持する技術が大事です。
通常はスコアを稼ぐために5を多く出す方が望ましいのですが、3箱ルールでは「3」を出すための程よい距離で敵を倒す必要があります。また、通常ショットで敵を倒したときに出した数字が倍率カウンターに登録され、カウントダウン中はすべての敵の数字が距離に関係なく固定されます。つまり、通常ショットで3を出し、続いて大量に出現する敵をロックショットで一網打尽にすれば、大量に3を取れるわけです。このため、敵の出現数とタイミングに合わせて、カウンタを3に固定するという"戦略"が必要になります。
ケツイは対戦ゲームではありませんが、時間制限を行って3箱ルールを設定することで競技性を高めました。ゲームセンターのプチイベントとして行われているそうですが、新しいEスポーツの形を模索するユニークな試みだと言えるでしょう。
決勝戦は、アキオ選手、チカゲ選手、PTK選手、シロネギ選手が参加。優勝は299個を獲得したアキオ選手でした。2位以下を大きく引き離した勝利です。アキオ選手は本当は300個以上獲得していたかもしれません。というのも、アキオ選手のプレイ終了後、結果表示の時にボタンを押し忘れ、スコアカウント中に2面が始まってしまいました。このため、審判の判断で目視できた299がスコアとして採用されました。ちなみにアキオ選手は決勝戦終了後、表彰式までの空き時間にも寡黙に再チャレンジを続けていました。私を含む数人のギャラリーが300声のスコアを確認しています。
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『Warsow』は常勝選手同士の宿命の対決に