栢:麻雀が面白いことは分かっていて、それをどう麻雀ゲームに落とすかっていうところで、自分達のゲームクリエーターとしてのノウハウが使えると思った。麻雀ゲームっていうと、「なんで麻雀なんですか」って聞かれるんですけど、こう組み立てると、私としては麻雀しかなかった。尖ったオンラインゲームのタイトルをその時期に出しても、多分、投資マネーも集まらず、今頃は他のゲーム会社で働いていたと思うんです。
久永:そうですね、うちはまさに皆さんがそうやって通ってきたのを前例にできた。うちはまさにシードに投資をしてもらった例になると思います。本当にほとんど紙しかないところに投資してもらっていて、そこはもちろんベンチャーキャピタルではあるんですけど、実質的にはエンジェルに近い状態で始まった。そこに至るまでベンチャーキャピタル中心に15〜20社ぐらい回りましたかね、かなりの確率で栢さんの後を追っかけてる。ビジネスを説明するのに、ハイファイブさんもゲームポットさんも栢さんも他の上場企業さんも含めて使わせていただいて、参考にしながらもそことは違ってうちはこういうやり方をするんですっていうのを話して回った。
ブツには金が出るけど企画には基本的には金が出ない、という日本の大前提をどうひっくり返すかというのをずっと考えてた。ちょっとかっこよく言うとシリコンバレー風に立ち上げられないかというのが、個人的には最大のテーマだったわけです。私たちのビジネスのアイディア、私たち自身、メンバーのキャリアに投資してもらう、ゲームなんて、当たるか外れるかという議論でいえば100%は絶対あり得ないので、そこの以外のリスクのところを説明して投資してもらって、そこだけはリスク取ってくれ、と。
うちは最初、5人で金集めて1,000万なんとか作って、その金がなくなるまで必死に走ろう、なくなったらしょうがない、倒れようっていうノリで始めたんですね。結果的には、使い切る前に(出資者が)見つかって、今のオフィスに引っ越して、本格開発始まってテストサービスに漕ぎ付けるというところまできた。
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■「クリエーターが独立した時に投資マネーが入るようにしたい」