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【ゲームニュース一週間】ゲームキャラクターというアイコン

今週は「アイコン的なもの」に関する興味深いニュースがありました。

ゲームビジネス その他
今週は「アイコン的なもの」に関する興味深いニュースがありました。

オーストラリアのデベロッパー、BplusはWiiウェア『Bit Boy!!』を発表しました。
「Bit Boy」の「Kubi」が4Bit〜128Bitとハードと共に進歩する迷路ゲームに挑むという内容。4Bitのレトロで小さな迷路もハードが変われば巨大かつ綺麗になり、最終的には3D化します。

海外ゲームサイトGAMER LIMITは「ゲームで最も見覚えのあるアイコンベスト5」という記事を公開。「NES(海外版ファミコン)コントローラー」「スペースインベーダー」「『テトリス』のT字ブロック」「マリオ」「パックマン」はゲーム界における認知度の高いアイコンであるとしています。

帽子+鼻+オーバーオールのマリオ、宇宙生物であることが一目で分かるスペースインベーダー、単純かつ印象深いパックマン……心に残るゲームキャラクターはアイコン的であり、忘れられない形をしていました。目の片隅に入っただけでゲームというものを認知させました。『Bit Boy!!』では4Bit風、8Bit風、16Bit風のキャラクターが登場しますが、いずれもそれらしくアイコン的かつゲーム的です。

現在のゲームは高度なグラフィック能力を持ち、複雑なキャラクターデザインも再現できるようになっています。では、今のゲームキャラクターは昔のものとは全く異なるのでしょうか。黄・赤・黒のコントラストと稲妻型の尻尾で視認性の高い『ポケットモンスター』のピカチュウ、巨大な顔とタイツが印象的な『塊魂』の王様、無機的なバイザーが逆に個性になっている『Halo』のマスターチーフなど、広く人口に膾炙するヒット作のキャラクターは多分にアイコン的な部分を持っています。

「グラフィックが進歩してもゲームの本質は変わらない」というのはしばらく前から言われ出したことですが、ゲームのキャラクターデザインにおいても同じようです。任天堂がWiiやニンテンドーDSで採用したMiiたちは、アイコン的なるものが00年代風に洗練された形。進歩したハードを使い、色数や複雑なデザインを深化させるのではなく、視野の端に捉えただけで分かる視認性を保ちつつパーツとバリエーションを増やしている訳です。

では、アイコン的キャラクターを作ればゲームはヒットするのでしょうか。逆に、ヒットしたキャラクターの特徴がアイコンとなるのでしょうか。これはどちらと割り切れるものではなく、両方の側面が存在するでしょう。時代の流れと共に、アイコン性とヒットの相関関係が完全に解明される時が来るのかもしれません。その時に登場するのは、精緻を極めたデザインでしょうか。それとも、極限まで単純化されたアイコンでしょうか。もっとも、これは解かれない方がよい謎なのかも知れません。
《水口真》
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