Wedbush Morgan証券のアナリストであるMichael Pachter氏は海外ゲームサイトINDUSTRY GAMERSのインタビューに対し、「アップルには慎重な戦略があると思う。iPhoneやiPod Touchのような携帯機で何ができるかを見てからゲーム機用のゲームへと移行したがっているだろう。Apple TVは家庭用ゲーム機に転用できるデバイスだ。彼らのゴールは本質的にマイクロソフトと同じであり、Apple TVをエンターテイメントとインターネットのハブに変える」とコメント。アップルが最終的にゲーム界への参入を狙っているとする見解を明らかにしました。
Apple TVはTVに接続して様々なサービスを受けられるセットトップボックスで、iTunesと連動して様々なコンテンツをTVで再生可能。YoutubeやFlickrの動画や写真をTVで見ることもできますし、海外ではiTunes Storeから映画をレンタルすることも可能です。
セットトップボックスをゲーム機とするゲーム・オン・デマンドはかねてから注目されてきた技術で、先日も高価なゲーム機なしでゲームが楽しめる「OnLive Game Service」が話題となったばかり。
Pachter氏はこの動きを2012〜2013年と予測。マイクロソフトはこれに対抗してProject NatalやXbox360用の大容量HDDを来年にも投入してくるだろうとしています。
氏はセットトップボックスを「インターネット接続ハブでありながら、映画や他の製品を売ることのできる“トロイの木馬”である」としています。
ここでいう“トロイの木馬”とは、家に招き入れた所で中から様々なものが出てくる……という意味であることは明らか。iPhoneやiPod Touchで充分な準備を整えてから、既存のApple TVでゲームのサービスを行うのであれば、ハードウェアメーカーにとってはライバル出現といえるでしょう。ゲーム・オン・デマンドに必要となるインターネット回線は年を追って普及が進んでおり、Apple TVのゲーム機化が起こるとするならこの辺りもキーとなりそうです。