TGS2009は「GAMEは、元気です。」をテーマに9月24日~9月27日の4日間開催。来場者数は18万5030名で、昨年の19万4288名を1万名ほど下回った計算になります。1万名減少の正体は9月26日、一般公開初日の落ち込みです。昨年が7万1639名だったのに対し、今年は6万1138名と1万名ほど減少しています。他の日の人出は前年度とほぼ変わらないのですが、キッズ入場者は2万3170名から2万1948名と2000名ほど少なくなっています。
昨年は『モンスターハンター3』のプレイアブル展示が大きな話題となりましたが、今年は協力系のゲームが「元気」だった印象があります。
『メタルギア ソリッド ピースウォーカー』『ドラゴンクエストIX』『ロスト プラネット 2』『真・三國無双 MULTI RAID Special』『WARSHIP GUNNER 2 PORTABLE』『ファンタシースターポータブル2』など、協力プレイモードを搭載したゲームが多数出展されました。
これまでは多人数プレイ=対戦でしたが、協力が新たなトレンドとなりつつあるようです。協力プレイは口コミや仲間内での広がりを期待することができます。先輩が後輩を助けることで腕前の差をカバーできるため、新規プレイヤーが馴染みやすいのです。
協力系ゲームは、既存プレイヤーの一人一人が広告塔となり、新規プレイヤーを引き込んでくれます。こう書いてしまうと、ゲームさえ作れば自動でプレイヤーが増えていくような印象を受けてしまうかも知れませんが、現実はそう簡単ではありません。
既存プレイヤーが新規プレイヤーを誘ってくれること、新規プレイヤーが馴染みやすいことが協力系ゲームのメリットです。しかし、その強みを最大に発揮するには長く遊んでもらう必要があります。既存プレイヤーが長く遊び続けるほど、新規プレイヤーの人数が増えます。逆もまた然り。短期間で遊ばないようになってしまった場合、新規プレイヤーの人数はさして増えないのです。
ゲームを長く遊んでもらい、コミュニティを長期間維持するために何を用意するかが大きなポイントとなります。
ここで陥りがちなのは、「不足」を作り出しゲームに要する時間を単純に水増しすること。レベルを上げるのに大量の経験値が要る。超絶レアアイテムがなければとても戦っていけない。一人だけの戦力ではゲームを進められない。多人数でなければ遊べないモードがある。
こうした「不足」はコミュニティを形成する強力な動機となりますが、度が過ぎればプレイヤーの離脱を招きます。プレイヤーはゲームを遊んでいるのであり、苦痛を味わいにきたのではないのですから。プレイヤーの心を誘導することは困難です。ましてや、操縦するというようなことは考えるべきですらありません。「不足」を中心に据えたゲームデザインや、プレイヤーの心を操縦するようなマインドセットが蔓延するようでは、折角の協力系ゲームも短期間でのブームに終わりかねません。
協力系ゲームのブームでは、「楽しさ」を用意することに加え、これを長期間持続させることが求められます。追加配信や期間限定のコラボレーションなど、ゲーム外に及ぶ仕掛けも必要になるでしょう。「楽しさ」とは何なのか。何を持って人はゲームを遊び続けるのか。「プレイヤー層を育てる」ことに、これ以上なくシリアスに向かい合わなければならない時代が来ているのです。
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