まず今年のCEATECで目立ったのは3Dテレビ(立体テレビ)。中でもソニーは「2010年に3Dテレビを家庭に」と大々的に展示。近年は映画館で3Dを楽しめる場所が増えていますが、こうした体験を家庭でも楽しめるようにすると打ち出しました。ソニーは過去、GDCやTGSで立体技術のデモを展示していますが、同様のものがCEATECでも体験できました。
![]() | ![]() |
ソニーブース | 3Dでゲームを鑑賞 |
ソニーブースではゲームや映画などを3Dで体験できました。メガネを装着する方式で、技術としてはGDCやTGSで展示されたものと同様のようでした。ゲームでは1分間の映像のみでしたが、『KIZLLZONE 2』『グランツーリスモ5』『リッジレーサー7』『WipeOut HD』『葛城ミサト報道計画』『MotorStorm Pacific Lift』など様々なタイトルが3D化されていました。典型的な例としては、メニューやHUDが前面に浮き上がる、野球ゲームでボールがプレイヤーに向かってくる、などの表現がありました。これは他社でもほぼ同様です。
![]() | ![]() |
CELL REGZA | 高度な処理能力を活用 |
東芝ブースが前面に押し出していたのはCELL REGZAで、これはPS3のメインプロセッサでもあるCELLの演算能力を活かしたテレビです。ブースでは単に3D表示に対応しただけではなく、CELLの能力を活かして通常の映像ソースを3D化する機能を備え、かつモーションによる操作に対応した最新テレビのデモンストレーションが行われていました。こちらもメガネを装着することで立体視ができるという技術です。高度な演算技術を手に入れることでテレビも変わっていきそうです。
![]() | ![]() |
アミューズメント向け大型テレビ | こちらは大人数で楽しめそうです |
三菱電機が展示していたのは、主にアミューズメント向けを想定した、82型の大型3Dテレビです。人の背丈よりも大きな大画面で、『バーンアウト パラダイス』『ミラーズエッジ』『Spore』『ギターヒーロー エアロスミス』『トゥームレーダー』といったゲームを3Dで鑑賞できました。こちらもメガネを使った技術です。アミューズメント施設であればメガネを使用するというハードルも簡単に越えられそうで可能性がありそうに思えました。
![]() | ![]() |
HDの次を | 超高精細映像を実現 |
パナソニックも「FULL HD 3D」を2010年に発売するとして、ブースで大々的な展示を行っていました。こちらもメガネを使用する方式です。また、パナソニックブースではHDを超えた「4K2K」(3840×2160ピクセル)の超高精細テレビも展示されていて注目を集めていました。本当に綺麗なレース映像が映し出されていましたが、ゲームもこのような高解像度になる日がいずれ来るんでしょうね。
このように各社が力を入れて展示していた3Dテレビですが、課題はメガネでしょうか。現在確立されている技術ではメガネを用いることで最も綺麗な映像で3Dを実現できます。その一方で、メガネを利用することはそれだけでハードルを上げます。来年には3Dテレビが市場に出てきますが、どのように受け入れられるでしょうか(ゲームや映画はハードルは低めかもしれませんが)。
![]() |
メガネなしの立体映像を |
ちなみに情報通信研究機構(NiCT)では、メガネが不要な立体映像システムの開発も行っています。CEATECのブースではこちらも体験することができました。70型の大型ディスプレイで、左右に動けば異なる角度から映像を見ることができるというものでした。一方で、メガネを使ったものと比べると、鮮明さや浮き上がる度合という点では劣るようでした。
ともかく、来年には3Dテレビに合わせて、ゲームも3D対応が始まりそうです。どんな楽しみが増えるのか楽しみですね。