参加者
■アトラス
・薄田 無門 ディレクター。現場進行とデザイン面を担当。『真・女神転生III-NOCTURNE』や『DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー~』などに携わり、『ペルソナ3』『ペルソナ4』ではイベント制作を担当。
・目黒 将司 コンポーザー。作曲を担当。『ペルソナ3ポータブル』制作にあたり8曲の新曲を提供。
・三輪 喜由 メインプログラマー。「ファイルマジックPRO」の実装やPSP移植にあたりチューニング面も担当。
・土屋 憲一 効果音のコンバートや効果音データの管理、メモリ配分などを行う。『女神異聞録ペルソナ』からシリーズに携わる。
・橋野 桂 本作のプロデューサー。過去に『ペルソナ3』、『ペルソナ4』、『真・女神転生III-NOCTURNE』など数多くの作品のディレクションを手がける。
※取材当日は残念ながらご都合により参加できず、後日書面でのインタビューとなりました。
■聞き手
インサイド、CRI・ミドルウェア
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―――まず『ペルソナ3ポータブル』というシリーズの概要を聞かせていただけないでしょうか?
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橋野氏 |
―――ペルソナシリーズにおいて、本作の位置づけはどのようなものでしょうか?
橋野: 『P3』をPSPという携帯ハードで発売することで、『ペルソナ』シリーズの新たなファン層を更に増やせればという考えもあって制作したものです。初めてシリーズに触ってもらえる機会として、手軽に遊べる携帯ゲーム機への移植を行いました。また、ゲーム進行のテンポアップや、システムのバージョンアップ、選べる主人公の性別など、数々の「遊びやすい」要素を導入しましたので、幅広いユーザの方に、まずは触れていただければと思っています。
―――発売から少し時間が経ちましたが、手応えとしてはいかがでしょうか?
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薄田氏 |
最近は携帯ゲーム機しか遊ばないという方も増えているようです。そういったライトユーザさんたちにも受け入れてもらえるように、ハードとして勢いのあるPSPで作ってみよう、というのが発端ですね。
―――PS2版を遊んだユーザだけではなく新規ユーザにも応えるために単純な移植ではないということでしょうか?
薄田: はい。大きな追加要素としては女性主人公の追加が挙げられます。これは特に新規ユーザさん向けというわけではなくて、以前から男女を選びたいという要望があって、今回の目玉として入れました。もちろん『ペルソナ3』を初めて遊ぶ女性の方にも選んでいただきたいですね。それから、目黒にお願いした新曲も入っています。やはり女性主人公になっても曲が一緒ではつまらないですからね。
薄田: それから、単純移植ではなく、『4』のシステムの良い部分やユーザさんからの意見もたくさん反映しています。移動する際にショートカットボタンで目的の場所に飛べたり、バトルで仲間に指示を出せるようになっていたりと、全体的に遊びやすくチューニングしています。難易度もPS2版は3段階だったのですが、上下に2段階追加して計5段階になっています。
―――携帯ゲーム機ならではの遊びやすさという点ではどんな部分に気をつけましたか?
薄田: やはり携帯機ですと細切れの時間で遊ぶことが多いと思いますので、テンポの良さを特に意識しています。据え置き機と比べるとどうしてもレスポンスが遅くなってしまうという心配があったので、日常生活のフィールド部分を2Dにしたり、メッセージを△ボタンで高速スキップができるなど、テンポアップの工夫を随所に入れて快適にプレイできるようにしています。また、セーブポイントも増やしていて、手軽にやり直せるようにしています。
―――やりこみ要素も追加されていると聞いています
薄田: 「ヴィジョンクエスト」を新たなやりこみ要素として追加しています。これはストーリーとは関係ない独立したバトル問題で、様々な問題に挑戦できます。また、指定された条件で過去に戦ったボスに挑戦することもでき、かなり歯応えがあると思います。『ペルソナ4』に出てきたマーガレットが案内人として登場します。
―――これは既存ユーザが嬉しいポイントですね
薄田: 『ペルソナ4』を遊ばれた人がニヤリとするポイントとしては、女性主人公の場合、夏休みの合宿で雪子が登場します。『3』は『4』の2年前のエピソードなので、ちょっと幼い感じになっています。ちなみにBGMも『4』のものが流れます。あと、なぜか屋久島の海岸に柏木という教師が登場します。小ネタとして、以前のキャラクターなどを入れながら既存ユーザの方にも喜んでもらおうと思って作りました。
■楽曲も特徴的なペルソナシリーズ
―――新曲のコンセプトはどんなものだったのですか?
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目黒氏 |
―――ゲーム全体としては何曲くらい収録されているのでしょうか?
目黒: BGMや環境音を含めて70曲くらいでしょうか。音楽に関しては薄田のこだわりが一番強い部分でしたね。
薄田: 自分は『ペルソナ3』で一番評価をいただいたのは音楽とインタフェース部分だと思っていて、そこに関しては妥協したくなかったんです。目黒は『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』で忙しい時期だったのですが、無理を言って新曲をお願いしました。
―――『ペルソナ3ポータブル』のサントラも発売されましたね
![]() ペルソナ3ポータブルオリジナルサウンドトラック アニプレックス様より絶賛発売中のサントラです。ボーナストラックも収録されているので是非お手に取ってみてください |