インディーズゲームの売れ行きは今後どういったものになっていくのでしょうか? 海外ゲームサイトGAMERBYTESは、「Xbox LIVE アーケードにおけるインディーズゲームの売れ行きと若干の考察」という記事を発表しました。 考察は実際のデータを元としているため、非常に興味深いものとなっています。 Xbox LIVE アーケードのインディーズシーンでは薄利多売が成立しているようです。 2009年のトップを獲ったのは『GAM3 W1TH ZOMB1ES』。 1ドル(約90円)という破格のゲームで、16万本を売り112000ドル(約1000万円)という数字を出しています。 『Solar』は価格が2.5ドル(約220円)ながらも9ヵ月で10000本を売り、17500ドル(約160万円)を稼ぎ出したとのこと。Xbox360版は開発者が余暇を使って4ヵ月で開発したそうです。 「4ヵ月で17500ドルというのはいい稼ぎだ。現在はフルタイムで大きなチームをサポートできるほどの額ではないが、『Lacrosse 2010』のように小さなチームで作ったものもよく売れている。Xbox LIVE アーケードのインディーズシーンで主に批判されるのは“みんなに知られていない”ことだが、数は増加している。『Little Racers』は26000人が、『Avatar Snowball fight』や『NextWar』は30000人がダウンロードした。人々はゲームを見ている。特にトップ20のものは。そして買うように説得するのは開発者次第だ。ただデモをダウンロードさせるだけでも大きな一歩だ。あなたが良いものを作らないとゲームは売れない。『ZenHack』をお試しダウンロードした人がお金を払った率は3.5%に過ぎないが『Groov』は25%の人がお金を払った」 伝統的なゲーム以外のアプリも一つの勢力となりつつあるようです。 『Rock Band』『ギターヒーロー』といったゲーム無しでドラムセットを扱える『DrumKit』、Xbox360を水族館にする『Aquarium HD』『myFishTank』、コントローラーの振動機能を活用してマッサージする『Rumble Massage』『A Perfect Massage』といったアプリに注目。ゲームではないものの安価で特定の用途に使えることが好評となったのではないかと分析しています。 「“本当の”ゲームを求める人は失望するかも知れないが、多くの人々が安く手に入る代替品としてのアプリに惹かれていることに意味がある。『RC-Airsim』の作者は、同じようなリモコン飛行機シミュレーターはだいたい100ドル(約9000円)すると述べており、このアプリに2.5ドル(約220円)の値段が付くのは充分お買い得だ」 ゲームが売れない理由というのも変化しているようです。 「売れなかったゲームがあるが、その理由は貧弱なマーケティング、退屈な前置き、悪いボックスアートワークだ。ゲームが売れないことには多くの理由があるが、サービス不足だからだ、という意見には説得力がない」 また、他のダウンロードソフトと同様に見てはいけない、と指摘します。 「Xbox LIVE アーケードのインディーズゲームを失敗というのは先見の明がない。一部の批評家のようにiPhoneのトップレベルと同じような数が出る、と予想するのも滑稽だ。SteamのようなインディーズPCゲームとの比較も、必ずしも正しくない」 「少なくともXbox LIVE アーケードのインディーズシーンは趣味に熱中する人、一人で店を出す人が少しのお金を儲け、彼らのゲームを見せることのできる場であり、本当に面白いゲームに気付くエンドユーザーの為の場所になっている」 現時点では発展途上ではあるものの、ユーザーの母数は増加傾向にあり、大きなチームを動かすと採算は取れない可能性があるものの、じっくりと取り組むことで更なる可能性が生まれてくる……というのがGAMERSBYTEの主張である模様。 海外のインディーズゲームが手軽に入手できるという点でも大きな意味のあるプロジェクトといえるでしょう。
《水口真》
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