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株式会社ゲームリパブリックの簗瀬 洋平氏は、「何を学んだか」より「学んだことをどう生かすか」と題した講演を行いました。ゲーム業界を目指す学生に向けた「ゲームのお仕事フェア」の一環であり、プロの発想法の一端を垣間見られる興味深い内容となりました。
簗瀬氏はゲームとは「インタラクティブで面白いもの」であると定義します。ゲームのプロセスとは「情報を得る」→「問題を認識する」→「問題解決に関して情報収集」→「仮説をたてる」→「仮説が正しいか示す」→「報酬を得る」というものであり、これは日常生活と同じであるといいます。
疑問を解くために情報を得たり調査をしたり仮説を立てたり・・・といった日常生活のプロセスそのものがゲームのようなものであり、「ゲームを作るようになって調べることへの楽しさが生まれた」と語ります。
氏は現代のゲームクリエイターの仕事を「コンピューターの中に場を作り体験を仕込むこと」であるといいます。ゲームと何かを掛け合わせることで新しいゲームが生まれるため、ゲーム×文学、ゲーム×生物学・・・など「ゲーム×??」の「??」の部分が重要になっていくそうです。その上で、他人と違う志向は物作りの武器になるが、ゲーム×ゲームでは既存ゲームの欠落を埋められない、と指摘します。
簗瀬氏は「過去の名作を生み出したクリエイターたちは、その作品そのものをつくりたかったわけではない」とビジョンの大切さを語ります。
たとえば『ポケットモンスター』にしてもクリエイターの頭の中には究極の『ポケットモンスター』があったはずで、それを現行ハードの限界にあわせて落とし込んだものが商品として世に出たわけです。この商品の部分のみを見ていたのではクリエイターに追いつけない・・・というのが氏の考え方。
「新しいハードが出てきてから何を考えるのかではなく、その前から実現したいビジョンを持ち、それを現実にあわせて落とし込んでいけばずっと先までゲームを作れる」と日頃からビジョンを持つことの大切さを説きます。
そのためにはゲーム以外のことも学ぶこと、疑問を持ち続けることが大事であり「そのときに理解できなくても、“これは駄目だ”と思わずにずっと頭の中においておくといつか役に立つかもしれない」とアドバイスを贈りました。