■2014年までは国内向け、2015年から真のセカンドステージです
―――御影さんは自分でもゲームをよく遊ばれているとか。
御影:以前は全部遊んでいましたが、発表会で公言してから、いじめのように、いろんな企業さんからゲームが届くんです。なのでホントに死にそうで。発表会では積みゲーは無いといいましたが、もう4本積みゲーになってます。しかもRPGを遊ぶと公言しちゃったので、「モンハン」を遊んでいる暇もないんですよ。
―――RPGは一通りチェックされていますか?
御影:そうですね。僕は学生時代にゲームを遊ぶのを禁止されていたんです。だから昔のゲームの話では劣りますが、社会人になってから遊んだゲームの量については、たぶん誰にも負けない自信があります。こと最近のRPGは全部遊んで、クリアしているので、けっこう濃い話ができると思いますよ。特に研究だから遊ぶというわけではないので、結局好きなんでしょうね。研究のつもりで遊ぶとつまらないし、続かないんです。
―――RPGにこだわったゲームを作られていくのですか?
御影:そうですね。5年から10年はRPGだけを作ります。一口にRPGといっても、アクションRPGをはじめ、コマンド式RPG以外にいろいろありますが、RPGというキーワードが絡むゲームを作ります。他のジャンルのゲームは作らないのって、良く聞かれるんですよ。もちろん作る用意はありますし、そうした体制を整えていく必要があるとも思っています。ただ、僕たちの目下の仕事は、「JRPGセカンドステージ」というキーワードに対する責任を、お客様に対してはたすこと。なので最初にJRPGというキーワードを覚えていただければ、十二分ですね。
―――JRPGでもう一度世界を席巻するイメージですか?
御影:席巻(笑)それはまったく思ってないです。JRPGが世界を席巻することはないと思います。というのも、JRPGは日本人向けに特化したRPGのスタイルだからです。今からたぶん3年後、2014年くらいまでは国内向けに集中した形でJRPGを作ります。もちろん、そこから海外向けにローカライズして発売はしますよ。今、JRPGって国内で最大50万本、北米で2-50万本、欧州で15-20万本くらいの市場があるんです。つまり合計で100万本くらいの市場。そこにアプローチして、最大で50万本くらいのヒットが出せれば、十二分なんです。
―――新作タイトルでPSP向けが多いというのも、その一環ですか?
御影:ええ。なぜPSP重視かと思われた方が多いと思います。ブログなどで、イメージエポックにHDゲーム(PS3・Xbox360向け)はまだ早いなどとも書かれています。それに対して全否定はしませんが、一方で2011年にPSPに向けて、RPGをキチンと供給していく企業って、多くないと思うんですよね。というのも、恐らく数年でPSPも世代交代の時期にさしかかるからです。一方でPSP市場には、まだRPGの需要が確実にあります。パブリッシャ宣言の背後には、そうしたマーケティング的な経営判断も含めたつもりです。
―――その市場を押さえるというわけですね。
御影:はい。イメージエポックでは2011年以降、3-4ヶ月に1本のペースでPSP向けにRPGを提供できたらと考えています。来年いっぱいはPSPユーザーに損をさせない自信がありますよ。やっぱり一本だけじゃなくて、定期的にちゃんと遊べるソフトがないと、ダメなんですよね。発表会でも言いましたが、たいてい1本遊んでクリアしたら、また3-4ヶ月後に別のRPGを遊びたくなるんです。でも、それに応えるタイトルがないという状況が多くて、こうしたニーズに応えていきたい。2011年はPSPを持っていればイメージエポックのRPGが稼動できる、という環境作りをしていきたいと思っています。
せっかく特定のハードを持っていても好きなジャンルのゲーム発売が年1~2本では悲しいと思うんですよね。
第一弾『最後の約束の物語』
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第二弾『ブラック★ロックシューター THE GAME』
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―――2015年からは、どのようにシフトしていきますか?
御影:2014年までのノウハウも生かしつつ、いよいよHDゲーム機向けに、ワールドワイドに向けてJRPGの進化形をリリースしていきます。これが2015年から2020年くらいのうちの商品で、いずれも先ほど述べました意味においてのワールドワイドで、ミリオンタイトルを狙います。そこが本当の意味での「JRPGセカンドステージ」になると思います。その時にも3-4ヶ月に1本のペースで作品を発売していく体制を作るように努力します。僕は1本すごいのを作って、それから3年くらい何も出てこない、といったスタイルはいやなんです。そのためには今のうちから、しっかりと準備を整える必要がある。実際、HDゲーム機向けの開発も、すでにスタートしているんですよ。
■コンソールメーカーだからできる「オンライン」の取り組み