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レッド福井氏 | 澤氏(左)、西氏(右) |
「GameComplex」はアルケミアが展開するゲームブランド。iPhone向けに『geotrion』と『MoMo dule』というゲームを展開。『天外魔境7JIPANG』では本格的なブラウザゲームに参入します。
レッド・エンタテインメントの福井隆氏によれば話がスタートしたのは2010年初頭で、二人から話があったそうです。コンセプトとしては戦争をテーマしたものが多いブラウザゲームの中で、日本人が楽しめるようなものを作ること。『天外魔境』が大好きだという澤氏と『moon』や『ギフトピア』などピースフルなゲームを作ってきた西氏が組みます。タイトルは広井王子氏と福井氏がお茶をしている際にひらめいたものだそうで「今までのシリーズでは6つの色々な時代を切り開いてきて、その7つ目という意味を込めた」とのこと。
一方の澤氏は『天外魔境』が大好きだったそうで、たまたま家で見つけたというPCエンジン+CD-ROM2を持参。西氏とは前作の『geotrion』を共同開発した仲で、次を考えるうちに、澤氏が長く携わったオンラインゲームに続く潮流となっているブラウザゲームが浮上。偶然にも会う機会があったレッドに企画を提案することになったそうです。そのジャンルが「戦乱ソーシャルオンライン活劇」。今までのブラウザゲームの枠にはあてはまらないものになっています。
■天外魔境がインターネットというプラットフォームに登場
今作の舞台になるのは、『天外魔境2』で語られた、ジパンクという国で1000年前に起きた1000日にも及ぶ大乱です。
時代は遠い遠い昔。戦乱の世。場所はジパング。
眠りについていた「ヨミ」が復活し、それに導かれ、「根の一族」が人々に対して侵攻を開始した。
ヨミの完全復活を目論んだ根の一族は、その圧倒的な暴力で人々の命を奪うだけでなく、ヨミに糧となる魂を送り届けるための『暗黒ラン』を各地で育て始めた。これら暗黒ランはジパングの民の血を吸うことによって、ますます巨大化し闇にそびえた。そして人々の生活は脅かされ、ジパング中は恐怖に支配された。
しかし、ヨミと対をなす存在「マリ」によって生み出された火の一族やその血を引くものが各地で蜂起し、ジパングの人々に戦う希望を与えた。
7つの国、7つの種族、ジパングを舞台に、数多のプレイヤーが入り乱れ、織り成す群像絵巻が今、紐解かれる!
ゲームは現実世界の時間で3カ月で1シーズンという風に計画されていて、参加するプレイヤー全てが同じ時間を共有。フィールドのあちらこちらにある暗黒ランを排除しながら、最終的には中心部にある巨大暗黒ランが咲くのを全員で阻止します。
■根幹にあるカードシステム
ゲームの根幹になるのは絵札を使ったカードシステム。絵札にはグー・チョキ・パーの属性が設定されていて、同時にぶつけた際にはじゃんけんで先行と後攻(あいこの場合は攻撃なし)が決定されます。また、絵札には消費するスロット数が設定されています。デッキを構成する際に、総スロット数には制限があるため敵のスロットの順に対応した戦略的な並べ方が求められます。
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デッキを組んでの戦い
戦闘は予め構成しておいたデッキで戦います。戦闘中にリアルタイムにプレイヤーが何か判断して対応する必要はなく、事前にきちんとデッキを組んでおけば大丈夫という作りになっています。ルール自体もシンプルで、カードといっても身構える必要はなさそうです。
絵札を作るには全ての家庭にあるという不思議なほこらに向かい、アイテムを火にくべればOKです。
また、火田という畑が登場し作物を育てることができます。作物といってもこの火田、どんなアイテムでも植えて育てられるようになっていて、団子や肥料、竹や釜など何でもOK。成長すると刈り取る事ができ、よりグレードの高いアイテムに変えることができます。それを不思議なほこらに持っていくことで更に良い絵札をゲットできるというわけです。
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火田でアイテムを育ててほこらで絵札を作れる
戦乱の世の中ではありますが、畑を育てるというほのぼの要素も忘れてはいません。「戦乱の世の中でも戦争ばかりしてるわけじゃなくて、歴史を振り返ると戦争中でもテレビを見て笑ったり、お酒を飲みにいったりする事は普通にあるんです。だから田んぼをいじってるのどかな風景も入れたかったんです」と西氏は説明していました。
■広大なフィールドが展開
ゲームにはフィールド画面が用意されていて、その広さは100×100=1万画面にもなります。全ての参加プレイヤーはそのどこかに「あばら家」を構える事が出来ます。自分の家を拠点に冒険を進めていくわけです。暗黒ランの影響があるこの世界では「暗黒ランの根」というものがあちらこちらに生えていて、移動を邪魔します。それを取り払うには「行動力」というパラメータを消費します。これは3分に1つずつ回復するそうです。
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広大なフィールドを旅することができる
2000以上のクエストが用意されていて、それをクリアしていくことでストーリーの全容が明らかになっていきます。もちろん、特にストーリーに関係しないサブクエストのようなものも多数用意されます。
また、個々人のプレイヤーに与えられるクエストだけでなく、ゲームの世界全体に与えられるクエストも登場していきます。例えば、どこかに敵の一族が現れたり、城が建設されたり。その討伐に参加するかはプレイヤーの自由となります。こうした世界全体の動きで気になるのは、各プレイヤーの進捗状況の違いですが、「最前線に立つだけでなく、様々な役割で楽しめるようになっている」ということでした。
「団」というギルドのような存在もあり、ある程度の人数で固まって行動することもできるようです。
■正式サービスは・・・
音楽を担当するのは田中公平氏。過去に「風雲カブキ伝」などのシリーズ作品で音楽を担当してきました。今回は残念ながらその一端を聞くことはできませんでしたが、どのような音楽になるのか非常に楽しみです。
そして正式サービスまでのスケジュールも大枠が明らかになりました。まず1月31日からクローズドβテストを開始。そこから1ヵ月程度の期間で正式サービスを考えているそうです。公式サイトでのサービスのほか、ハンゲームでチャネリングが行われるとのこと。その他のプラットフォームも検討中だということです。
基本無料のアイテム課金で、課金アイテムとしては時間短縮や機能を強化するようなアイテム、絵札のガチャなどを検討しているということでした。
最後に二人からコメントがありました。
「オンラインゲームはコミュニケーションだと思ってずっとゲームを作ってきました。『天外魔境JIPANG7』もプレイヤーが楽しむための場所、プラットフォームを生むようなものにしたいと思っています」(澤氏)
「今回は自分の強みであるコンシューマーゲームの経験をいかに持ち込むかを課題にしています。演出の一つ一つで触った感触のあるような温かみのあるゲームにしたいと思っています」(西氏)
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