発売から半年でなぜ1万円の値下げに踏み切ったのか、株主の質疑応答を行う前に語ったようです。
値下げを決断した理由は、やはりニンテンドー3DSの発売前と発売後、そして現時点の状況が大きく異なっている為と説明。
任天堂が考えていたシナリオでは、3月末までに日本で150万台出荷をし、全世界で400万台と言う数字を掲げていました。
ところが、ニンテンドー3DS発売間もなく東日本大震災が発生。ゲーム業界全体が自粛ムードになってしまったこともあり、日本での販売台数に急ブレーキが掛かってしまいました。さらに言うと、任天堂からキラータイトルと呼ばれるソフトが長い間不在だったこともあり、ハードを引っ張るソフトが無い状態が続いていました。
6月に世界で一斉に発売された『ゼルダの伝説 時のオカリナ3D』は好調でしたが、それでも日本で27万本、海外で81万本、計108万本に留まっています。
やはり2万5000円と言う価格の高さも影響して、よっぽど欲しい人しか買えない状態が正直な所です。
岩田社長は、ニンテンドー3DSをニンテンドーDSシリーズの後継プラットフォームとして普及軌道に戻すためには「相当に思い切った手段が必要」と考え、今回1万円の値下げを決断したと説明。
「まだ早いのではないか?」と言う意見に対しては、ニンテンドー3DSの魅力が伝わるのに想定より時間がかかっているとし、まず3DS本体を普及し、新しいソフトを短期間で広がるような環境にしておかなければ「任天堂の期待する爆発的な年末商戦にはならない」と考ており、「3DSの普及に対する懸念を早期に払拭しておくことが、小売店やソフトメーカーが今後3DSへの力の入れ方に大きな差が生じると考えたから」と、値下げした理由を岩田社長は語ります。
また、大胆な値下げによるハードの販売に損失が出ることも明らかにしました。今期の収益に大きなマイナス影響が出ますが、ニンテンドー3DSの市場が育つ為には「短期の収益に影響が及んだとしても、最大限の手を今打つべき」という理由で急遽値下げが行うことになった理由の全てを明らかにしました。
任天堂は、11月に『スーパーマリオ3Dランド』、12月に『マリオカート7』を全世界で投入することで、巻き返しは図ります。
しかし、新ハード発売半年で価格改定は任天堂の歴史上でも異例の出来事。価格の値下げによりユーザーの信頼を損ねたこと、通期配当が大幅に減額になったことで中間配当が無配の予想になったことに対し、一定のけじめをつけるため、取締役報酬の減額を決定。固定報酬枠削減幅は、岩田社長が50%、代表取締役が30%、取締役が20%とのことです。
ただし「本来の責任は業績を回復させ、任天堂を市場で評価される状況に回復させることだ」と岩田社長は最後に語っており、今後ニンテンドー3DSを普及軌道に乗せて来期以降の収益回復を目指します。
任天堂の前社長である山内溥氏は、ファミコン発売した際にひとつの言葉を残しています。
「ユーザーは、ハードを買うんじゃないんです。ユーザーはソフトを買うんです。ユーザーは面白いソフトで遊びたいということでソフトを買うんです。所がコンピュータですから、ハードがないと遊べないんです。仕方なくハードを買うんです」
ハードは買いやすい価格になりました。次にニンテンドー3DSが普及するのに必要なのは、やはり豊富なラインナップでしょう。任天堂の次の一手に期待したいです。
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