―――まず最初にゲームデータについて伺います。海外サイトでは『Rage』のデータ容量が20GBを超えると話題になっていましたが、他のゲームに比べなぜこのようにデータが膨大なのかを説明していただけますか。
フーパー氏: 最も大きいのはSurface Texturing(表面テクスチャー技術)によるものです。それは他のゲームに比べ非常にユニークで、詳細かつ多様性のあるステージ中の環境・ビジュアルを可能にしているため、多くの容量を占めています。
―――本作に搭載されているマルチプレイモードについて魅力を教えてください。
フーパー氏: なぜデスマッチモードがないのかという意見もありましたが、我々にとってまず重要だったのは深みのあるシングルプレイキャンペーンにフォーカスするという点でした。その延長線としてオンラインを使って何が出来るかと考えた結果、出たのは協力プレイの存在でした。チェックボックス的にデスマッチを入れるよりも、オンライン/画面分割でCo-opが楽しめるのは『Rage』の世界観にぴったりだと判断したのです。
もう一つの存在はバギー(ビークル)コンバットのマルチプレイです。武器やアーマー、パワーアップなど(シングルプレイと)同じ要素が存在し、実際に開発サイドでテストを行い、面白いと判断したため導入するに至りました。
―――バギーはシングルプレイキャンペーンでも乗ることができますが、車両のカスタマイズや武器の要素について教えてください。
キム氏: ゲーム中では4タイプのバギーが存在します。一つ目はバイク型のATV、それ以降はゲームを進めることで徐々に強力なビークルが手に入り、それらはプレイヤーキャラクターと同様に武器・ペイント・アーマーなどをそれぞれ個別にカスタマイズ(アップグレード)することが可能です。
―――実際に『Rage』を遊んでみて、カード集めやミニゲームといったお遊び要素が確認できたのですが、他にもそうしたお遊び要素や細かなこだわりなどがあるのでしょうか。
フーパー氏: はい、ゲーム中には(敵の死体などから)カードを集めて酒場でNPCと対戦できる要素があり、良いカードを持っていれば勝負が有利になります。こうしたミニゲームの存在はあえて宣伝しなくともプレイヤーが自分で発見して楽しむことができるはずです。
他にも『Rage』のゲーム内にはある“秘密”が隠されており、その一つをここでお話ししましょう。ゲーム中のある場所の何もない壁で(ドアを開けるための)アクションボタンを押すと、その壁が突然開き、中は開発者らがかつて手掛けた『Wolfenstein』のなつかしいテクスチャーが貼られた部屋へと通じているのです(笑)。そこにある2D風で描かれたトロフィーを拾えば、それがプレイヤーのアイテムとして入手できます。
―――それはびっくりですね!
フーパー氏: 『Wolfenstein』以外にも、『Doom』や『Quake』の隠し部屋も存在するのでぜひプレイヤーに探してみてほしいですね。ただ、見つけるのは相当困難だと思います(笑)。この他にも様々な隠し要素が散りばめられているので注意しながらゲームを進めてみるといいですよ。
―――これまで公開されているゲームプレイやスクリーンショットを見る限り、登場する敵が全てBanditなど人型のキャラクターとなっているようですが、それら以外にも別のタイプの敵キャラクターやバリエーションは存在しますか?
フーパー氏: 同じ人型タイプの敵キャラクターでも、ただ突撃してくる屈強な者、アクロバティックな動きをする者、グループで行動する者など多様な種類が用意されていて、外見やAIの行動パターンも異なります。敵のミュータントは人間と同じサイズの者もいれば、ビルの10階、20階建てくらいの巨大なサイズの者も存在します。またオーソリティーと呼ばれる未来から来たロボット型の兵士も出てきますよ。
―――ところで『Rage』の製作期間はどれ位になるのでしょうか。
フーパー氏: まずテクノロジー(id Tech 5エンジン)の開発を始めたのが6年と少し前からです。そしてメインゲームの開発を本格的に開始したのは3年くらい前になります。
―――ジョン・カーマック氏はどのような形で『Rage』の開発に関わっていますか?
フーパー氏: 彼にとってメインフォーカスは皆さんがご存知の通りテクノロジー関連で、常に新しいものを作ったり新しいことに挑戦しようとしています。しかし一方で、ジョンは操作性のレイテンシー(ボタンを入力してから画面に反映されるまでの早さ)といったゲームの細かなチューニングにも関わっており、技術面だけでなくゲームプレイに対しても強いこだわりを持っています。
―――開発者の方が影響を受けた日本のゲーム、または単にお気に入りの日本ゲームがあれば教えてください。
フーパー氏: 私が最も好きなのは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』で、他は『ファイナルファンタジー7』、『ファイナルファンタジー9』、宮本茂氏が手掛けた全ての作品、もちろん『バイオハザード』シリーズの三上真司氏も。また、ゲームではないですが日本人アーティストの寺田克也氏もお気に入りで、アート面では彼の作品に直接インスパイアされています。『Rage』開発のアート部門に行けば、たくさんの日本アート本が見つかるでしょう。
『Rage』でバギーに乗ってマップを移動し、町に行ったりインスタンス上で敵と戦ったりするのは、『ゼルダの伝説』で馬に乗って移動し、弓矢などで戦いながら次の地点を目指すのと非常に似ていると思います。考えるにこの業界にいる人間なら誰しも日本のゲームから影響を受けているのではないでしょうか。
―――本日はどうもありがとうございました。
日本版『Rage』は海外とほぼ同時の2011年10月6日にPlayStation 3とXbox 360版が発売予定(PC版は10月後半に登場予定)。価格は7,980円(税込)、CEROレーティングはZ区分となります。
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