最初に登壇した田中良和社長は2つの環境変化を語りました。「半年や一年前にはスマートフォンでソーシャルゲームが果たして上手く行くかどうか議論されていました。今ではお集まりの各社の懸命の努力もあり、"いける"という合意が出来ました。現在グリーに占めるスマートフォンの比率は2、3割まで来ています。フィーチャーフォンはいずれ無くなるもので、両対応は大きな負担ですが、ここを一緒に乗り越えていければと思います」
もう一つの変化は海外です。「嬉しいニュースがあります。米国で開発した『Zombie Jombie』が好調で、ランキングの4位、トップセールスでも30位くらいまで来ました。そしてジャマイカとパナマでは1位を取ったという報告も受けています。私も訪れたことのない国ですが、遂に我々のサービスが世界のどこかの国でナンバーワンになったのです。嬉しくて、世界のスタジオを5現中継して"遂に世界の一部で一位になったぞ"とお祝いをしたくらいです」グリーは4~6月期で世界のプラットフォームを統合する予定で、このニュースは幸先の良いものとなりました。
「これは非常にエポックメイキングなものです。我々が良い物を作れれば成功するということを証明できたんです。我々も恐らく皆さんも社内外から"海外は本当に上手く行くのか"というような懐疑的な声を多く聞くのではないかと思いますが、それを打ち破るには事実で証明するしかありません。ここに集まって下さったパートナーの皆様と、数カ月後、成功したぞと分かち合いたいと思います」
さて、グリープラットフォームアワード2011は、2011年1月1日~12月31日までにGREEにて提供されたゲームタイトルの中から、グリーコイン消費額(売上)、ユーザー登録数、継続率などを勘案して決定されるものです。
■殿堂入りに『プロ野球ドリームナイン』
まずは「殿堂入り」です。こちらはアワードの中で最も重要な総合大賞を既に受賞した作品、かつ現在も総合大賞に値するような活躍をしている作品に与えられる賞です。今年殿堂入りに輝いたのはコナミデジタルエンタテインメントの提供する『プロ野球ドリームナイン』です。様々な野球ゲームがあるソーシャルゲームの中でも、野球ゲームの長い歴史を持つコナミが提供する作品です。
続いて、「殿堂入り特別表彰」です。こちらは先の殿堂入りを果たしたゲーム(つまり、総合大賞→殿堂入りという流れ)であり、さらに総合大賞と同等の成績を収めているゲームに贈られるもの。こちらもコナミデジタルエンタテインメントの『ドラゴンコレクション』が受賞しました。アワードはまだ3年目ですが、創設時から輝き続けているのが『ドラゴンコレクション』ということになります。
![]() | ![]() |
『プロ野球ドリームナイン』 コナミデジタルエンタテインメント執行役員 早川英樹氏 | 『ドラゴンコレクション』 コナミデジタルエンタテインメント シニアプロデューサー 兼吉完聡氏 |
「特別賞」は更なる活躍を期待して贈られるもので、6月以降に提供開始されたタイトルが大賞です。こちらは『100万人のウイニングポスト』(コーエーテクモゲームス)、『バハムートブレイブ』(オルトプラス)、『戦国ポケッツ』(インブルー)、『Destroy Gunners Z』(シェード)の4タイトルに贈られました。
![]() |
左からコーエーテクモゲームス プロデューサー松枝正樹氏、オルトプラス代表取締役CEO 石井武氏、インブルー代表取締役社長 大冨智弘氏、シェード代表取締役社長 横田幸次氏 |
■優秀賞はグリーを支える8タイトル
続いて「優秀賞」は8タイトルが選出され、こちらはグリーコイン消費額(売上)、ユーザー登録数、継続率などから決定されたものです。『ドラゴンリーグ』(アソビズム)、『海賊道』(gumi)、『女神フロンティア』(ウィルアーク)、『Jリーグ ドリームイレブン』(コナミ)、『バイオハザード アウトブレイク サバイブ』(カプコン)、『デジモンコレクターズ』(バンダイナムコオンライン)、『モンハン探検記 まぼろしの島』(カプコン)、『陰陽師~平安妖奇譚』(ドリコム)、以上8タイトルです。家庭用ゲームメーカーのタイトルも目立つようになってきました。
■恋愛、シミュレーション、RPGの各ジャンル別最優秀賞
「ジャンル別最優秀賞」は恋愛ゲーム、シミュレーションゲーム、RPGの各ジャンルで最も優秀なタイトルを表彰するものです。ここでは常連のメーカーが目立ちました。
恋愛ゲームではお馴染みボルテージの『王子様のプロポーズ for GREE』が受賞。登壇した取締役の高澤真氏は「前回に続いてこの賞をいただくことができて大変嬉しく思います。今後もより多くの女性を幸せにできるコンテンツを作っていきたいと思っています」と挨拶しました。
![]() |
ボルテージ取締役 高澤真氏 |
シミュレーションゲームでは昨年に続いてSymphoieの『ぼくのレストラン2』が選ばれました。プロダクトマネージャーの大河原麗偉氏は「前回に続いて受賞させていただきましたが、再び部門賞というのは悔しく思っています。まだまだ面白いゲームにして、ユーザー数も売上も伸ばしていって次回こそは大賞を取りたいと思います」とコメント。今年の飛躍を誓いました。
![]() |
Symphonieプロダクトマネージャー 大河原麗偉氏 |
RPGではヒット作を連発するコナミデジタルエンタテインメントの『クローズ×WORST~最強伝説~』が受賞。執行役員の早川英樹氏は「本作は秋田書店さんの有名なコンテンツをお借りして制作しているゲームです、コンテンツのファンの方の気持ちを考えて日々運営にあたっているのがこの結果に繋がっているのではないでしょうか。今後もより多くのお客さんに支持されるものにしていきたいと思います」と挨拶しました。
![]() |
コナミデジタルエンタテインメント執行役員 早川英樹氏 |
■総合大賞はエレクトロニック・アーツの『FIFA』
そして総合大賞に輝いたのは、gumiが開発し、エレクトロニック・アーツが提供する『FIFAワールドクラスサッカー』です。世界のサッカー選手が多数登場し、世界一を目指すという作品です。
![]() | ![]() |
グリー田中社長からトロフィーが授与され、がっちり握手 |
登壇したのはエレクトロニック・アーツ シニアプロデューサーの里吉洋樹氏。「素晴らしい賞をありがとうございます。これも楽しんでいただいた沢山のお客様や、パートナーとして開発に当たってくれたgumiの皆さんのお蔭だと思っています。EAにとってFIFAは最重要IPと言っても過言ではありません。そのIPでこのような賞がとれて本当に嬉しく思います。ただいま積極採用中で、スタジオも拡大して更に面白いコンテンツを出していきたいと考えています」と話しました。
![]() |
エレクトロニック・アーツ シニアプロデューサー 里吉洋樹氏 |
アワードで表彰されるゲームはGREEで提供されている中でもほんの一握りの作品ではありますが、それでも幅広いゲームがあることが印象づけられました。ゲーム自体の質も年々充実しています。田中社長の挨拶にもありましたが、今年の下半期からはいよいよ海外展開が本格化します。来年のアワードにはグローバル賞なんてのが設けられて、幾つものタイトルが表彰されるようになれば面白そうですね。
なお、引き続き同会場では明日はグリープラットフォームカンファレンス2012と題して、グリーに参画するゲームデベロッパー各社や携帯キャリアなどが参加したカンファレンスが行われます。こちらの模様も明日以降お伝えしていく予定です。