さて、発売から1ヶ月たち、そろそろその効果が見えてくるのでは?ということで、今回は『ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング 』をレビューします。
■パッケージとダウンロード、どっちを買った?
『東北大学加齢医学研究所川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング 』このタイトルを覚えるだけでもなかなかの脳トレになりそうですが(笑)パッケージ版とダウンロード版が発売され、話題になりましたね。ちなみに筆者は発売日に自宅でゴロゴロしていたのですが、ふっと脳の老化に不安を覚え、急いで『ニンテンドーeショップ』でダウンロードしました。「記憶力が弱いね」と誰かに言われたらその日が鬼トレ記念日です。
■鬼計算スタート!
本作の主な内容は「鬼トレ」「鬼トレ補助」「脳トレ」「リラックス」です。それぞれいくつかトレーニングが用意されていて出席日数に応じて解禁されていきます。出席はゲーム起動時に画面をクリックでハンコを押して記録されます。ラジオ体操の出席確認を思い出しますね。
まずは鬼トレのメイントレーニングとなる「鬼計算」スタートです。そもそも鬼トレ脳の何を鍛えるの?という話ですが、どうやらものごとを行う時に使う脳の重要な機能「ワーキングメモリー」を増やす効果があるそうです。
鬼計算は画面に表示された計算式の答えを覚えて、次の問題が表示されている間に画面に書き込みます。書き込みながら次の計算式の答えを暗記し、その次の問題が表示されている間に画面に書き込む・・・を繰り返します。これを1日5分間繰り返し、脳の活性化をはかるとのこと。24問中85%以上正解なら次のレベルへ、65%以下なら下のレベルへ、85%以下65%以上ならレベル据え置きというかんじで、コツをつかみながらどんどん上のグレードを目指していきます。
■立ちふさがる限界の壁
ちなみに筆者は完全なる文系人間。数字を見ると鳥肌が立ちます。そんな筆者で暗算大丈夫か?ええ、大丈夫ではありませんでした。わりと早い段階である一定のレベルまで行き、あとは据え置きかレベルダウンして、また一定のレベルまで戻ってを繰り返す状態になってしまいました。集中力が切れている状態だと最悪です。自暴自棄になってだらだらやっていたら、川嶋教授に「適当にやっていませんか?」と怒られてしまいました(笑)川嶋教授曰く、「ギリギリの難しさでやるのが効果的」だそうなので、難しいものをやればいいってわけではないそうです。自分に合った難易度でコツコツ続けるのが大切なのですね。
■飽きずに続けるために
限界が見えてきてしまった「鬼計算」。同じことを繰り返しているとだんだん飽きてきてしまいます。そこで他の鬼トレです。出席日数さえ増やしていけば新しいものが解禁されるので脳のスペックの低い筆者にもやさしい仕様です!
カードの裏を移動するネズミが最終的にどこに隠れたかを記憶する「鬼ねずみ」や、シンプルな神経衰弱の「鬼めくり」などは数字が苦手な人にも比較的やりやすいトレーニング。記憶力がじわじわと鍛えられている感がします。行き詰まったと思ったなら、他の鬼トレをやって気分転換することをオススメします!
■数学系と文系で苦手が分かれる
鬼トレでワーキングメモリを鍛えたあとは、ワーキングメモリのスピードを鍛える「鬼トレ補助」で脳をさらに鍛えます。こちらは「鬼トレ」より数学系・文系問題がはっきり分かれているので、得意不得意がはっきり分かれそうです。例えば文系の筆者は画面に出てきた漢字を書いて消していく「漢字破壊」や「漢字宇宙」は楽々とこなせるのですが、「加算格闘」「加算格闘」などはすぐに頭がパニックおこします(笑)ただ、問題を解くスピードを早くすることが目的なので、鬼トレのようなレベルによる負荷はなく、やりやすいと思いました。
■ゲーム感覚で脳トレ、リラックス
脳の老化防止が期待できる「脳トレ」はパズルを解く感覚なので「鬼トレ補助」よりも気楽に、ゲーム感覚でトレーニングできます。筆者にはこれくらいがちょうどいいかも(笑)侮れないのが「赤黒赤黒」などのトランプカードゲーム。必ずクリアできない場合もあるので諦めない心が肝心です。
また、リラックスはいわゆる「落ちゲー」を楽しむ事ができます。「細菌撲滅」は完全に『ドクターマリオ』です!川嶋教授の真顔を横目に、レトロゲームでヒートアップ・・・って、リラックスのゲームが一番本気出しているかも(笑)
鬼トレは全部で8つ。それぞれ5分なので計40分。これに「鬼トレ補助」全9種、「脳トレ」全9種、なかなかの時間泥棒です。できれば全部やりたいところですが、メインを2~3本に絞って、定期的に他のものもやるくらいが丁度いいかもしれません。
■中盤の怠け・・・挽回なるか!?
さて、夏の間毎日コツコツとトレーニングをしてきましたが、やはり好きなトレーニングとそうでないものが分かれました。ひどいものはまだ2回目をやっていなかったり・・・忙しさにかまけてつい間をあけてしまうこともありました。文章を読み上げたり、音を聞いたりするものは外ではできないので、ついつい後回しに。忙しい毎日を送るのもいいですが、心を落ち着かせて、トレーニングする時間をつくることが大切なのかもしれません。
というわけで、筆者は「鬼計算」と「鬼めくり」、「計算20」と「漢字破壊」、「陣取対局」と「飛石課題」あたりを中心にトレーニングしてきました。レベルアップに応じてあがっていく「鬼トレグレード」は現在C。むむむ微妙・・・、なんとかAを目指して頑張っていこうと思います。
実際にやってみて、暗記力と集中力があがった感覚を実感することができました。まだ1ヶ月程度のトレーニングなので日常生活には活かせられないレベルですが、自然と身についていきそうです。何事も続けることが大切。負担にならない程度に、コツコツとやりつづけるのがベストです。
『東北大学加齢医学研究所川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング 』は、好評発売中で価格は3,800円(税込)です。
(C)2012 Tohoku University / Nintendo
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■著者紹介
みかめゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。
ゲームはジャンル問わずなんでもござれ。難しければ難しいほど燃えるドMゲーマーです。
歴史・ホラー漫画、歴史コラム、イラストなど雑多に活動しています。
サイト「車輪の真上」
http://zwei.lomo.jp/syarin/