「ニキシー管」はガラス製の冷陰極放電管で、数字や文字などの形状をした多数の陰極が管の中に入っており、そこに電気が流れると電子放出が発生して“光る”という仕組みです。
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一般的に普及しだしたのは、今の様にLEDや液晶がなかった1950年代。数字や文字を表示するために使われていましたが、寿命があったり、誤って触ってしまうと関電してしまったり、限られた数字や文字しか表示できない等の難点があります。
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そのため近年では、そもそもニキシー管を使用するメリットがロマン以外になく、生産している会社がほとんどないため価格が高騰。筆者が調べた限りでは、日本での生産は既に終了しており、しかも同じ型番のニキシー管が6本も必要ですので、ロシアから「ニキシー管時計」用のキットを輸入することに。キットの中身は、ニキシー管6本、基盤、パーツがセットになって約1万円とお手頃な価格。
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キット化されているので、あとは半田でパーツを付けるだけですが、なぜか6本中4本しか光らない状況に。原因をマルチメータで調べていくと、1か所断線していることが分かり、導線で電気が通るようにしました。
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ところで、筆者が輸入したキットは、パソコンとの接続が可能で、内部のプログラムを弄ることができます。最終的にこの時計は、ネットワークによる時間の自動調整、PC上での時計設定、時間と年月表示の切り替え、多彩なアニメーションに対応。また寿命を少しでも伸ばすため、深夜帯はニキシー管への電力供給を遮断し、ボタン電池で時間だけ記録するようにしました。これにより「ニキシー管時計」は完成、安全のため100均で買った透明のケースに入れます。
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1950年代に普及したニキシー管が、なんとも現代チックになってしまいましが、この独特の色にうっとり。鳳凰院凶真が好むのも納得のニキシー管、興味のある人は実際に作ってみてはいかがでしょうか。