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【カジュアルコネクトアジア2013】アジアにも広がるカジュアルゲームの潮流、「カジュアルコネクトアジア2013」が開幕

シンガポールで5月21日からカジュアルコネクトアジア2013(主催:カジュアルゲーム協会、23日まで)が開幕しました。事前登録者数は日本を含むアジア太平洋地域の国々から約850名をかぞえ、初日はビッグフィッシュなどの大手企業が講演、日本からもDeNAが登壇しました。

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シンガポールで5月21日からカジュアルコネクトアジア2013(主催:カジュアルゲーム協会、23日まで)が開幕しました。事前登録者数は日本を含むアジア太平洋地域の国々から約850名をかぞえ、初日はビッグフィッシュなどの大手企業が講演、日本からもDeNAが登壇しました。

商談エリアではKONAMIなど28社がブース参加。インディーゲームの展示が行われるショーケースでは60社がゲームを展示するなど、会場となったシャングリラホテルでは、終日さまざまな開発者で賑わいました。

カジュアルコネクトは近年、世界中で大きなムーブメントを見せているカジュアルゲームを対象とした国際カンファレンス&商談会で、本年度はサンフランシスコ、キエフ、ハンブルグ、シンガポールで開催される予定です。シンガポールでの開催は昨年に引き続き2回目で、会場面積は2倍以上となり、参加者も微増。母体となるアメリカ会場も昨年度のシアトルから、よりアクセスのしやすいサンフランシスコに移転となり、拡大路線が鮮明となりました。

カジュアルゲームの定義はさまざまですが、本カンファレンスではPCや家庭用ゲーム機、携帯電話などに「デジタル配信」される、カジュアルユーザー向けのライトなゲームを主に対象としています。1990年代後半に登場し、2000年代半ばから急速に成長してきました。『プランツvsゾンビ』のPopcap、『ビッグフィッシュカジノ』のビッグフィッシュなどが大手企業として知られています。

当初はPC向けにダウンロード販売され、ジャンルもパズルゲームなどが中心でしたが、次第にフィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット、ブラウザなどに拡大。ビジネスモデルも有料ダウンロードから月額課金、アイテム販売、広告モデルなどが登場してきました。ゲーム内容もパッケージ販売可能なものから、オンラインゲーム、ソーシャルゲームへと拡大。特に2008年にApp Store、2010年にFacebookアプリで『ファームビレ』が登場すると、一気にカジュアルゲームがブレイクする事となります。

一方、国内ではPCゲーム市場が非常に小さかったため、ゲームといえば長く家庭用ゲーム機でパッケージ販売されてきました(「SIMPLEシリーズ」などの低価格ゲームが、文脈としては近いかもしれません)。もっとも、その中から『どこでもいっしょ』などのユニークなゲームが登場してきた経緯もあり、2000年代にかけて日本と海外とで異なる「カジュアルゲーム」文化が展開していくこととなりました。この両者がFacebookやグリー・モバゲーの登場で、急接近していくこととなります。

さらに今後もスマートテレビ向けやクラウドゲームへの展開が予想されています。またユニティをはじめとしたゲームエンジンの普及に伴う「ゲーム開発の民主化」や、世界的なインディゲームのムーブメントの高まり、各国でのゲーム産業支援政策の広がりなど、さまざまな理由がからみあって、カジュアルゲームのムーブメントが拡大。カジュアルゲーム協会においても、当初はGDCのチュートリアルデイでカンファレンスを行っていたものが、独自のカンファレンスを行うこととなりました。

カジュアルコネクトの特徴として、30分単位で区切られたショートセッション形式の講演と、ビジネスマッチングを行う商談エリア、そしてインディゲーム開発者向けのインディショーケースという3エリアの存在が上げられます。講演は多くが正味20分、質問と入れ替えを含めて10分という短い単位でセッションが構成されており、講演内容も概論的な内容に整理されたものが中心です。スマートフォンやタブレットを手に、デモを見せ合いながら商談する姿もそこかしこで見られます。

このうちカジュアルコネクトアジアでは3日間で3トラック、合計69セッションの講演が行われました。トラックは一日目は▽業界全般▽企業の売買収▽ゲーム開発、二日目は▽F2P/サービスとしてのゲーム▽モバイル▽ゲーム開発、三日目は▽カジノ▽ソーシャルモバイル▽インディプラットフォームと分けられ、法人企業もグループス・DeNA・SCEジャパン&アジアが登壇。ゲーム産業支援政策で知られる福岡市も登壇し、企業誘致をアピールしました。

このほか商談エリアではKONAMI・DENAの姿が見られました。また情報収集などの目的で参加した法人の姿もちらほらと見られ、国内企業の東南アジアへの注力ぶりが大きく感じられました。個別セッションの内容については別途レポートしていく予定です。
《小野憲史》
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