インサイドとゲームスパークでは、開発を手掛けている早矢仕洋介氏と稲船敬二氏にお時間を頂き、インタビューを行いました。
―――まずは自己紹介をお願いします
稲船:comceptという会社でゲームコンセプトを考えており、『YAIBA: NINJA GAIDEN Z』ではTeam NINJAと海外デベロッパーのSPARKとの総まとめ役です。
早矢仕:コーエーテクモのTeam NINJA側の総まとめ役です。Team NINJA、comcept、SPARK、それぞれディレクターが立っていて、3人います。立場としてはエグゼクティブプロデューサーですね。
稲船:僕も同じ立場ですね。
―――E3で初プレイアブルということで、その反応を見てどうでしたか?
稲船:結構満足していますね。
早矢仕:E3の出展されているゲームって、大体予想通りのゲームが多い中、我々の『YAIBA』に関しては「忍者×ゾンビ」とお伝えしてきましたが、どんなゲームなのかは想像できてなかったと思います。会場で触ってみたら「いいじゃん!」という声を頂いています。自信はありましたが、触ってもらうまでわからなかったので、触ってもらって良い評判がちゃんと出たのは素直にうれしいですね。
稲船:コーエーテクモさんはすごくいい所にブースを構えてもらって、一番いいところに『YAIBA』を置いてもらえました。その期待に応えられてかなと思います。
―――プラットフォーム未定からPS3とXbox360に決まりましたね。その辺については
早矢仕:ある程度ゲームが大好きな人に向けて作りたいと思っていましたので、据置機向けに計画していました。
―――グラフィックについては、リアルではなくアニメっぽい表現を採用した点については
稲船:僕の方からアイディアを出させてもらって、反対もあるかな?と思っていましたが、3社とも「これいいね!」「これでいこう!」ということになり、早い段階できまりました。しかし、どこまでこのスタイルでちゃんと作れるか心配だったのですが、結果的にいいものを作ってくれました。チープに見えずに、スタイリッシュに見える所までしっかり持ってこれたと思います。
―――本家『NINJA GAIDEN』とも差別化できましたね
早矢仕:最初からそういう狙いもありました。忍者とゾンビというバカげた世界ですが、それがカッコイイ、ひとつの『YAIBA』という世界に見せられる所ができたので、この選択は間違ってなかったなと思いますね。
―――ゾンビを利用した攻撃アクションなどが稲船ゲーらしいですね
稲船:これは稲船ゲーの集大成だと思っています。『鬼武者』でスラッシュゲームを作り、『デッドライジング』というゾンビゲームを作り、『ロックマン』や『ロスト プラネット』などメカを使ったものが好きで、つまりこれまで作ってきたものの全てが詰まったゲームになっており、とても作り甲斐のあるゲームですね。
―――3つのチームで共同制作している中で、意見のぶつかり合いなどは?
稲船:しょっちゅうありますね(笑) 我々との間より、やはり日本と海外とのぶつかり合いがかなりあります。大変なんだけど、それを超えた時に出てくる「いいもの」があります。
早矢仕:我々日本人では作れないものをあげてきてくれるので、喧嘩して良かったなぁ、と(笑)
稲船:あと、(気を使うのではなく)相手のことを考えながらやらないといけないですよね。西洋の文化はこうなんだ、だからこう理解してあげよう・・・という気持ちですね。あちらはあちらで日本人はこうだから、こうしないとねって。すごい日本的な背景ですが、かなり独自でやってくれてます。指示はもちろん出しますが、ここまで日本を研究しているんだ!?ってことがあったりなど。すごいコラボレーションになっていますね。
―――この独特の和風ビジュアルも海外のスタッフが作り上げたんですか?
稲船:アートディレクターたちが頑張ってくれました。言っても言ってもわかってくれない、ということはありませんでした。「わかったわかった」って言うのがだんだん良くなってきます。
早矢仕:大枠のデザインなどは3社で「これいいね!」ってパッと決まるんですが、そこから顔のデザインなどを決めていくところなどはまた大変でした。
稲船:ヤイバの性格付けは大変でしたね。まずそこを固めないと、お互い違うヤイバになってしまいますからね。キャラクターの根本的な部分に関してはすごく早い段階でしっかり出てきました。ディティールに関してはあーでもない、こーでもないと繰り返してきました。
―――開発状況はどれくらいでしょう?
稲船:うーん、30%ぐらいでしょうか。これを面白い展開に広げていくかですね。ゾンビの種類やゾンビを使ったバリエーションなどをどんどん出していくところですね。
―――武器やアーム、ゾンビ以外でこだわったアクションついては
早矢仕:ヤイバというキャラクター性について。忍者は普通感情を表に出さないですが、ヤイバははぐれ者なので感情をむき出しにします。「ブラットラスト」っていう、叫んで斬りまくるんですよ。
稲船:パチスロで言う、フィーバーモードですね(笑) あとヤイバは言葉使いも忍者らしからないですよね。そういう部分を魅力として、しかもアクションとして入るようなシステムを作ろうとしました。
―――『YAIBA』にはリュウ・ハヤブサが出てくる展開がありますが、それ以外に『NINJA GAIDE』とのつながりは?
早矢仕:『NINJA GAIDEN』ワールドを使った全く別のIP、別の遊び方をするゲームになっています。『NINJA GAIDEN』をサブタイトルにしているのは、世界観を使ってこんな風にも遊べるよねっていう提案です。さらなる情報を今後出しますが、知らない人はこれをきっかけに本編を遊んでもらいたいなぁと思っています。
―――『NINJA GAIDEN GAIDEN』みたいな(笑)
稲船:最初に出した企画書はそうだったよね(笑)
―――アメコミ風の演出が特徴ですが、『YAIBA』が本当にアメコミになったりする展開はあり得ますか?別の部屋にはフィギュアも置いてありましたね。
早矢仕:我々もそういうことを展開していきたいなぁと思っています。
稲船:なっても不思議ではないよね。割とキャラクター押ししている所もあるし。
―――デモ版でアドバイスをしてくれた女性キャラクターについては
稲船:割とストーリーに絡んでくるかなぁ。『MGS』のオタコンよりは・・・って思ってます(笑)
早矢仕:ヤイバは女が好きなので、どういう関係になっていくのが注目所です。デザインに関してはSPARKと一番やり取りが多かったですね。
稲船:まだフィックスしてないよね(笑)
早矢仕:なので、今回は2Dだけの演出で登場でした。
―――最後にゲームファンへメッセージを
稲船:『YAIBA』は海外ゲームであり、日本のゲームでもある、すごいハイブリットな作品になります。海外ゲームファンも納得させられる、日本のアクションゲームファンも納得させられると思っています。どっちかだけではなく、両方納得できるゲームになっています。忍者ゲームとしても、ゾンビゲームとしても、楽しんでもらいたいなと思っています。
早矢仕:今回アートスタイルを大きく変えたので、日本人から見てもかっこいいグラフィックに、手触りに関しても日本人も一緒に作っているので遊びやすくなっています。『NINJA GAIDEN』が難しくてクリアできなかった人は、ぜひもう一度チャレンジしてもらいたいですね。『NINJA GAIDEN』ファンの方も納得できるものにしようと我々も制作に参加していますので、どっちの方でも楽しんでもらえるゲームにしたいと思います。
稲船:ライトに敷居を下げようとは思っていません。でも手触り的にいうと、コアなゲームだからって思って敬遠してた人が普通に楽しめる手触りにしたい。極めていこうとすると相当頑張ろうとしないといけませんが、普通に遊ぶ分には手触りいいと思うので「僕出来ないよ」と思っている人がぜひ遊んでもう一度チャレンジしてほしいですね。
―――ありがとうございました。
『YAIBA:NINJA GAIDEN Z』は、発売日・価格共に未定です。
(C)2013 コーエーテクモゲームス/Team NINJA All right reserved.
Co-developed by comcept Inc. Spark Unlimited.
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