GDCと比較すると馴染みのないGCAですが、世界各国のデベロッパとパブリッシャが集まり、互いのマッチングを図るためのビジネスイベントです。毎年、GDC期間中にサンフランシスコのホテルで開催されています。渡辺氏の所属するMutations Studioは、「日本で展開するべき、面白いゲームを探し出す」という理由から、協業パートナーである「Adways Interactive」とともにGCAに参加したとのことでした。
まず渡辺氏は、GCAはタイムスケジュールがかなりタイトだと強調しました。すべてのミーティングが30分刻みで設定されており、移動時間のことも考えると詳細な話を詰めることはほとんど不可能だということ。このことから「GCAは、あくまで顔合わせの場である」と渡辺氏は改めて語りました。
Wi-Fi環境がつながらないことや、集合ブースに電話がないことなどからスケジュールの確認が困難であり、結果としてミーティングが成立しなかったことが7回あったと渡辺氏。また、スケジュール管理ツール上でミーティングを行うブースと時間を確認できるのですが、これがとても見づらかったためにお互いのブースで待ち続けてしまい、両社が待ちぼうけになってしまうといったことも多かったそうです。一方、北欧の会社をはじめとして普段目にする機会の少ないゲームに出会えること、開発者の生の声を聞けることは、やはり大きなメリットであると渡辺氏は続けました。
また、3日間と短くスケジュールのタイトなGCAの期間にあまり縛られず、どうしても逃したくない相手がいる場合はホテルのラウンジで会ったり、GDCに参加している企業であればGDCのブースで会ったりするのが有効だろう、と渡辺氏は語り、実際にそういった方法で契約を結べたパートナーもいるとのことでした。
当初、渡辺氏は北米のデベロッパとのコネクションづくりを主だった目的としていたそうです。しかし、北米のデベロッパは自社パブリッシングを行っているか、すでにコネクションがある場合が多いため、飽和しているような感触を受けたようでした。また、スマートフォン向けのコンテンツを求めていた渡辺氏との思惑とは異なり、スマートフォンよりも解像度で優るタブレットで動作することを前提に開発しているタイトルが多い、とGCAで見たスマートフォン市場についてまとめました。
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