ゲームのローカライズを行う架け橋ゲームズの矢澤竜太氏は、Facebook上においてゲーム業界英語学習会コミュニティというグループを運営しております。本コミュニティは、昨年のゲームコミュニティサミットで開かられた「『英語勉強会』勉強会」というセッションがきっかけとなって設立。ゲーム業界に従事している方々が積極的に海外に進出できるように、英語学習のノウハウ共有、モチベーション向上のためのコミュニティです。
基本的にFacebookのグループ上で活動を行なっており、メンバーは150人以上。これまでオフラインでのイベントや英語の教材の交換会などを行って来ました。またこのコミュニティがきっかけとなり、英語学習のために短期フィリピン留学を行った方もいるそうです。
Facebookでは英語学習のために有用な情報を交換する他、英語でのカジュアルな世間話、モチベーションの向上のための投稿を行なっています。今後はFacebookで共有された情報を見やすい形に整理していく予定もあります。
今回は「累積英語情報大放出」と題されたラウンドテーブルが行われ、目標・目的を同じくする参加者がグループ・ディスカッションを行いました。参加者はあらかじめ、技術書/記事などのリーディング向上、ビジネスでのスピーキング向上、ビジネスでのリスニング向上といった目的別に席に付き、グループに分かれました。英語でのインタビューを今後はもっと行なって行きたい筆者は、リスニングのグループに参加させていただきました。
グループ・ディスカッションでは、これまで試した学習方法の挫折経験とその失敗の理由、継続して続いている学習方法とその理由、モチベーション維持のためのコツなどが議論されました。
筆者が参加したリスニングのグループには筆者を含め3名の参加者が集まりました。筆者以外はプログラマーの方でしたが、技術書などは業務として読む機会が多く、リーディングに関しては問題がないとのこと。しかしながら、リスニングを鍛えるために時間を割くことができず、せっかくGDCに参加してもセッションの内容の半分くらいしか理解できないという苦い経験があるそうです。
これまで試してきたリーディング向上のための学習としては、有名人のスピーチであるTEDを聞く、スピードラーニングといったものが取り上げられましたが、効果がいまいちわからない、忙しくなるとやらなくなるといった問題点があります。しかしながら、TEDよりも短時間で簡単なNHKラジオのABCニュースシャワーという番組は比較的に長続きしているそうです。またお金を出して英会話レッスンに通うという拘束力、強制力がある学習方法は当然ながら効果が高いとのこと。モチベーションの維持としては、GDCに行く、セッションに対して質問をする、英語でインタビューを行うという具体的な目標を掲げて一歩一歩、実践することが重要だと、意見が一致しました。
各グループでのディスカッションの後、代表者が全体に向けて議論の内容の報告を行いました。リーディングのグループでは、技術書をいきなり読もうとして挫折した経験、SSS方式という多読学習の採用、英検などの資格試験に応募してモチベーションを保つといった内容が報告されました。スピーキングのグループでは、実践的な学習が効果的であるという意見がまとまり、複数人が実際に集まってスピーキングをする会を設けるのが良いのではないかと提起されました。
僅かな時間でしたが、お互いに英語を学ぶという意志がある参加者が集まり、濃い内容の議論が交わされ、非常に有益であったように思えます。矢澤氏は今後もこのような取り組みを通じて、ゲーム業界の海外交流を盛り上げていくそうです。興味を持った方はFacebookで「ゲーム業界英語学習会コミュニティ」を検索して、参加してみてはどうでしょうか?
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