第1作目から数えて12年の時を経てリリースされるシリーズ最新作『逆転裁判5』。これまでの作品はiOSなど様々なプラットフォームに移植され、また外伝的な関連作となる『逆転検事』もシリーズ化するなど、その人気の裾野は広がりを見せるばかりです。
それほどの支持を受けている最新作の制作ともなれば、期待に応えるプレッシャーも相当なものでしょう。少しでもいい作品にしようと日夜戦い続けるスタッフの苦労を直接伺うことはできませんが、公式開発ブログでその片鱗を覗かせてくれました。
本作から、立体視に対応している3DSにプラットフォームを移したことで、キャラクターモデルの制作も大変だったようです。逆転裁判シリーズは、2Dで描かれたキャラクターが生き生きと動く、というのも大きな魅力のひとつです。
3DSで開発することが決まったため、キャラクターモデルも3Dへと移行しますが、そこで鬼門となったのはなんと、ナルホド君の正面顔。試しに、ナルホド君を正面向きに立たせて見たところ、スタッフ曰く「違和感が仕事し過ぎです」と吐露するほどのものでした。そこから試行錯誤の末、最終的に「モデルは法廷用・探偵用をそれぞれ専用で用意」することになり、見映えのよいモデルが個々に作られました。
プログラム面では、スクリプトを担当した方が、「ゲームとしての逆転裁判5を最初にプレイ出来る」という喜びと、「シナリオの変更・修正がダイレクトに影響します」という葛藤を打ち明けながらも、本作に新搭載された「ボタンを押しっぱなしで自動でテキストが読み進められる」機能や、読み飛ばした際に助かるバックログ機能の追加など、ファンには嬉しい完成度を築き上げてくれました。
そして、法廷や事件現場など、『逆転裁判』シリーズに欠かせない背景を担当した石川氏は、背景という個性豊かな脇役たちの生活する空間をデザインする、と自らの仕事と責任をこのように語りました。
その意気込みは確固たるもので、「逆転裁判5の法廷は、普通の法廷ではダメだ!何か今までに無いようなインパクトのあるものにしよう!」と熱意を傾けた末に生み出したイメージボードは、なんと「空中庭園法廷」。文字通り、空に浮かんでいる法廷でした。
その他にも、巨大な女神像が立っていたり、バーチャル空間だったりと、驚きのアイデアが次々と沸き上がったとのことですが、それらの経過があったからこそ、『逆転裁判5』における重要な『法廷崩壊』という場面に繋がったのでしょう。
遊んでいる間は、キャラクターモデルや背景、プレイを助ける便利な機能などは、ともすれば見落としてしまう時もあります。しかし開発に当たるスタッフは、常に全力で、更なる完成度を目指して制作に当たっています。その心意気を感じられる開発者ブログ、よければご一読ください。ここで紹介した内容以外にも、たくさんの裏話が明かされています。また、「驚愕のナルホド君 正面顔」や「空中庭園法廷」の画像も公開されているので、こちらも見逃せませんよ。
『逆転裁判5』は2013年7月25日発売予定。価格は通常版が5,990円(税込)、イーカプコン限定「LIMITED EDITION」が9,990円(税込)、「FIGURE EDITION」が8,990円(税込)、「EXTENDED EDITION」が7,590円(税込)です。
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