セッションでは同社デベロッパー&プラットフォーム統括本部 エマージングテクノロジー推進部 部長 エヴァンジェリトの砂金信一郎氏からマイクロソフトの推進する様々な取り組みが紹介されたのですが、やはり聴衆の関心は北米などで年末に発売予定の次世代ゲーム機「Xbox One」。砂金氏は余り話せる内容は無いと前置きしながら、日本での発売時期について「目下調整中で、いつ発売、どうやってゲームを作るか具体的にはお話できない」とコメント。
そして「言っても怒られない内容」としてXbox OneにはXboxとWindows8の2つのOSが共存していて、相互に切り替えながら動作できると紹介。「基本的にはWindows8用のゲームやアプリを作って貰えれば、かなりの互換性を持った状態でXbox OneのWindows8モードで動作できる予定です。実際にSkypeなどのアプリはこの仕組みで動作しています」とのこと。XboxとWindowsの2つのOSはかなり近しい存在となってきましたが、Xbox Oneでは更に踏み込んだ内容になりそうです。
続いてはマイクロソフトが取り組んでいる様々な施策について紹介されました。砂金氏もエヴァンジェリストとして普及に邁進してきたのがクラウドサービス「Windows Azure」です。「マイクロソフトのサービスでありながら徹底的にオープンでフレキシブルなサービス」という言葉通り、OSも言語も問わず運用が可能なクラウドサービスとなっています。スマートフォン向けアプリ開発や運用にも便利な認証、通知、データ保存などの機能も搭載されています。先日には東京と大阪の2箇所に日本リージョンを設置することが発表され、日本ユーザーにも益々便利になります。
Kinectもマイクロソフトが強く推進するテクノロジーです。Kinectは「Microsoft Research」という研究開発部門から生まれたテクノロジーの一つで、Xbox Oneから導入される次世代バージョンは、フルHDでスキャンし、銃のトリガーを引く動作など指の動きまでトラックできる精度を誇るそうです。ゲーム用途は日本では苦戦していますが、業務用のアプリケーションやプロモーション目的などで事例が多く生まれています。
開発環境の面では先日、マイクロソフトもUnity Technologiesとの提携を発表し、ゲームエンジン「Unity」でWindows8やXbox One向けの開発を可能とすると明らかにしました。今夏にも提供されるアドオンを利用することでiOS/Androidと平行して容易にWindows Marketplaceでの販売が可能となります。砂金氏は他のプラットフォームでリリースされているゲームを是非Windowsプラットフォームにも提供して欲しいと呼びかけていました。
開発者コミュニティと共に発展してきたマイクロソフト。様々なプラットフォームを提供するだけでなく、BizSparkのようなベンチャー向けの支援プランなども用意し、ソフトウェア開発におけるチャンスを広げようとしています。