AppAnnieはアプリ時代のニールセンやコムスコアを目指して事業を拡大している会社で、700万ドルの資金調達を行い、世界中に拠点を開設しています。東京には2名が在籍し、年内には7~8人の規模にしたい意向。AppStoreオープン時からのデータを蓄積していて、そのデータはスマホ市場の主要プレイヤーの全てに利用されています。
主に提供しているのは「ストアスタッツ」(ランキングデータ)、「アナリティクス」(ユーザーが自社のアプリの数値を管理できるシステム)、「インテリジェンス」(売上推計値を含む詳細なデータ)。さらに月次で「AppAnnie Index」、四半期に一度のペースでIDCと共同で「Portable Gaming Report」というレポートを提供しています。今回紹介されたのは「インテリジェンス」のデータで、すべてのアプリの売上やダウンロード数の推計値(誤差+/-10%)を基にしたものです。
■ストア全体に占めるゲームカテゴリの割合(AppStore/GooglePlay)
いずれの市場でも最大のカテゴリ。ダウロードに占める割合はどちらも40%程度だが、売上の占める割合は70%を超える。GooglePlayのほうがよりゲームに偏っている。2012年9月と2013年6月を比べるとす全てのデータで2013年6月が上回る。
■ゲームカテゴリのダウンロード数と売上
ゲームテゴリのダウンロード数はAppStoreとGooglePlayで互角。しかし売上はAppStoreが倍。差は縮まっている。2012年9月と2013年6月で比べるとダウンロード数は1.5倍、売上はAppStoreは2倍、GooglePlayは5倍近くに伸びている。
■AppStoreにおけるアプリ内課金
アプリ内課金はゲームカテゴリだけで急成長。通常アプリは変化がない。
■国別のゲームダウンロード数
ダウンロード数は米国と中国で世界の大半を占める。大半の国はAppStoreよりGooglePlayのほうが多い。日本は互角。
■国別のゲーム売上
日本と米国そして韓国という順。日本はAppStoreとGooglePlayが同程度。GooglePlayで大きな売上があるのは、日米韓のみ。韓国はGooglePlayが圧倒的。米国はAppStoreが圧倒的。
■AppStoreのゲームカテゴリにおけるダウンロード数、売上の上位国
ダウンロード数では米国、中国、イギリス、日本の順。伸びているはロシア、カナダ、サウジアラビア。売上では米国、日本、中国、イギリスという順。
■GooglePlayのゲームカテゴリにおけるダウンロード数、売上の上位国
ダウンロード数は米国、韓国、ロシア、インド。日本は6位で順位を下げている。メキシコ、ロシア、ブラジルが急成長。売上は日本、韓国、米国、イギリスの順。GooglePlayでの課金がブロックされていて解除された台湾がどんどん順位を上げていて、2013年6月は8位、7月には4位に。
■AppStoreの全体のダウンロード数に占めるゲームカテゴリの割合
日本と中国は全体よりも割合が低い。
■AppStoreの全体の売上に占めるゲームカテゴリの割合
逆に日本と中国は他国よりも抜きん出た収益性を出している。
■GooglePlayの全体のダウンロード数に占めるゲームカテゴリの割合
成長している市場はゲームの占める割合が大きい傾向。ロシアは約50%がゲーム。
■GooglePlayの全体の売上に占めるゲームカテゴリの割合
韓国は95%、日本も90%以上がゲームでの売上。
■iOSのデバイス別ゲームダウンロード数
全体では30%がiPad。しかし日本は非常に低い数字。ロシアやサウジアラビアはiPhoneとiPadの割合が同じくらいになっている。
■iOSのデバイス別ゲーム売上
iPadの世界売上の40%は米国が占めている。また、iPhoneとiPadの比較では40%くらいまできている。
■AppStoreパブリッシャー別ゲームダウンロード数ランキング(日本) 2013年6月
トップはLINE。Gameloftも勢力を伸ばしていて2位に。『Crush of Clan』を日本でもヒットさせてきたSupercellが9位にランクイン。
■GooglePlayパブリッシャー別ゲームダウンロード数ランキング(日本) 2013年6月
こちらは全て日本の会社。
■AppStoreパブリッシャー別ゲーム売上ランキング(日本) 2013年6月
こちらも全て日本の会社。『パズドラ』のガンホーがずっと1位をキープ。
■GooglePlayパブリッシャー別ゲーム売上ランキング(日本) 2013年6月
全て日本勢ながら少し異なる顔ぶれ。GMOゲームセンター、Donuts、エイチームなどがランクイン。
最後に紹介されたデータはAppStoreとGooglePlayの合算値による、日本のパブリッシャーの日本以外における売上のランキングです。
1位となったのは『Blood Brothers』などを擁するDeNA。続いては買収したFunzioが大きいグリー。3位はBeelineブランドもあるカプコン。4位は『パズドラ』のガンホー。5位は『Kingdom Conquest』などのセガ。6位はアプリボットの『LEGEND OF THE CRYPTIDS』が人気のサイバーエージェント。7位はLINE。8位は『ダークサマナー』のエイチーム。9位はスクウェア・エニックス。10位は『Reign of Dragons』がヒット中のドリコム。以上のような結果でした。
まだまだ複数のタイトルをヒットさせている会社は少ないものの、『Blood Brothers』を筆頭にダークファンタジー系のゲームが特に米国でヒットしている傾向にあるようです。
紹介されたデータはとても興味深いものでした。AppAnnieでは無料登録から使えるサービスも取り揃えていますので、アプリ市場に携わっている方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
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