まず本年度は第一に「ゲーム」という枠を越えた、幅広い作品の受賞が目立ちました。ビジュアル・アーツ部門の『アニメ ジョジョの奇妙な冒険』オープニングは映像作品ですし、サウンド部門の『CeVIO Creative Studio』は汎用ミドルウェア。エンジニアリング部門の『Oculus Rift Development Kit』は周辺器機に加えて、まだ市場に出ていない開発者向けキットです。このほかビジュアル・アーツ部門の『TOKYO STATION VISION』はプロジェクションマッピング。ネットワーク部門の『「LTE」開発・運用チーム』は通信インフラとなど、ノミネーションの時点からラジカルさがみられます。
ちなみに『Oculus Rift Development Kit』の選考理由について、プレゼンターの藤本真樹氏は「GDC参加組の委員から強いプッシュがあった。最初はピンとこなかったものの、実際に体験したところ納得した」という経緯を説明しました。またデバイスが良い意味で未完成で、これからのアップデートが期待できる点。にもかかわらずゲームクリエイター魂に火を付けた点。そうした一人ひとりの思いによって、業界がさらに活性化していく・・・。そんな期待を込めた受賞になったと総括しました。