シリーズ初の3部作の最後を飾る『ライトニングリターンズ ファイナルファンタジーXIII』は、滅び行く世界にライトニングが降り立つところからその物語は始まり、世界ではなく人々の心を救う彼女の姿が描かれます。
ですが、この世界がカオスに侵食されてからライトニングが「ノウス=パルトゥス」に降り立つまでに、500年もの永きに渡る時間が経過しています。『ライトニングリターンズ FFXIII』ではそこから以後の時間軸で進むため、その間に何が起きたかを直接知る術はありません。
その空白期間とも言うべき時間を年代記の体裁で綴り、かつて世界を救った英雄たちが直面する絶望と、そして抗う数々の人間ドラマを描いたノベライズのリリースが、このたび発表されました。
著者のベニー松山氏は、コンピューターゲームのノベライズ黎明期に「小説ウィザードリィ 隣り合わせの灰と青春」を発表し、その完成度と原作再現度の高さから多くの読者を魅了したことでその名を馳せ、今日まで精力的にノベライズに携わってきた人物です。
原作の持ち味を生かした筆致で読者を容易く物語へと引き込み、丁寧に織り込まれた伏線や構成で新鮮な刺激や驚きを与えてくれるベニー松山氏が、『ライトニングリターンズ FFXIII』のノベライズを手がけるとなれば、寄せる期待は高まるばかりと言えます。
発売日は、『ライトニングリターンズ FFXIII』の同日となる11月21日。ゲームと同時に購入し、先に小説を読んでから遊ぶもよし、クリアしてから過去を振り返るのもまたよしです。ページ数は264ページ(予定)となっており、ボリュームもたっぷり。価格は、980円(税込)となっています。
なお余談になりますが、ベニー松山氏はTwitterアカウント上で、処女作の「隣り合わせの灰と青春」と続編に当たる「風よ。龍に届いているか」を例に上げ、小説を書く際の自身の取り組み方について語っています。
片っ端から振り返るのは難しいので『隣灰』と『風龍』の最大の違いについて。処女作という経緯もあって前者は建て増し型、そして著作の大半はこのやり方なんだけど後者はきっちり最後まで図面を引いて取りかかるビルのような工法。安心感安定感はもちろんこちら。
ベニー松山 (@Benny0280) April 29, 2013
この後もつぶやきは続いており、建て増し式に関しては、何の意図もなく書いていた描写が伏線として突然繋がることなどがあり、「こういうことがあるからものを書くのってやめらんない」とも述べています。
作品に取りかかるに当たって、2種類の取り組み方を使い分けているベニー松山氏。今回のノべライスがどちらのスタイルで書かれたものなのか、いつか機会があれば教えて欲しいものですね。
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