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3回目を迎える東京ロケテゲームショウ!ロケテの聖地に同人・インディーゲームが一堂に会する 主催者と出展社が語るイベントの意義と未来

11月9日に開催される東京ロケテゲームショウは、IGDA日本が主催する自主制作ゲームの認知度向上と開発者の交流、およびゲームの評価機会を提供する目的のイベントです。こ

ゲームビジネス その他
昨年の会場の様子
  • 昨年の会場の様子
  • 昨年の会場の様子
  • 昨年の会場の様子
  • IGDA日本の戸崎氏と大澤氏
  • スタジオインデックスの瀬川氏と寺門氏
  • マサシロウ氏
  • ドラゴンシーカー
  • ドラゴンシーカー
今井:
ここからは実際の開発者を交えてこれまでのロケテショウを振り返ってみたいと思います。まず、これまでのロケテショウにすべて参加しているマサシロウさんから簡単な自己紹介と共によろしくお願いします。

マサシロウ:
同人サークルぜろじげんの代表のマサシロウと申します。普段は会社員をやっていますが、それとは別にゲームを開発しています。私たちのサークルはオリジナルのゲームをメインで作っており、今年で5年目になります。

前回作ったゲームはノベルゲームですが、日本語と英語とスペイン語の三カ国語にローカライズして、さらにアメリカ、台湾、マレーシアなどのイベントでも販売してきました。それらのノベルゲームの制作に関しては、IGDA日本から刊行された『ゲームクリエイターが知るべき97のこと 2』に体験談の形の記事も書いています。

今井:
これまでを振り返ってどうだったでしょうか?

マサシロウ:
3年前に秋葉原で初めて開催された時は、開催場所が良かったため、本当にたくさんの人が訪れました。初回は同人サークルの中でもベテランサークルの方々が出展されていたため、出展作品のクオリティは非常に高かったです。普段、ゲームで遊ばない人も訪れ、そういった方々にも同人ゲームの存在を知ってもらったのが良かったと思います。

戸崎:
1回目は28サークルが参加しました。秋葉原UDXで開催したのですが、同時にお祭りが開かれていたこともあって、非常に来場者数が多かったです。ただその分、お客さん一人一人が遊ぶ時間が思うように取れなかったこともあり、その後、開催規模については検討しなおしました。

大澤:
初回は私もスタッフとしてお手伝いしたのですが、コミックマーケットのように人がたくさんいて、落ち着いて遊ぶという雰囲気ではなかったように思います。プレイしてフィードバックをもらうということを考えると、人数が多ければ多いほど良いというわけでもなく、ある程度の規模に抑える必要があります。2回目はその辺を考慮して、出展者数や来場者数を想定して会場を選びました。

今井:
では昨年、板橋のグリーンホールで開催された2回目はどうでしたか?

マサシロウ:
2回目は場所が板橋に移ったため、来場者は少なくなりました。その分、同人ゲームやインディーゲームに関心が高い人が多く集まった印象が強いですね。また2回目の開催ということで、出展者も同人サークルだけではなく、法人の方など様々な開発者がつどいました。

戸崎:
2回目は合計で30サークルが参加しました。1回目より来場者数は少なくなりましたが、会場の雰囲気もあって、ファミリー向けの和気あいあいとしたものになり、開発者とプレイヤーが交流する機会が多く取れたと思います。

今井:
では、次に法人として今回初参加するスタジオインデックスの方にお話を伺いたいと思います。昨年のロケテショウには、一般来場者として参加したと聞きますが、自己紹介と共に前回の雰囲気などをお聞かせください。

川瀬:
水戸から来ました有限会社スタジオインデックスの川瀬と申します。10年くらい前に起業家のためのインキュベーション施設でコンテンツ制作事務所としてスタートしました。その後順調に起業しまして、法人向けのウェブサイト制作や開発、デザインなどをやってきました。

3年前の海外視察をきっかけにスマートフォンアプリの開発に着手して、今年の秋で3年目となります。もともとゲーム業界にも興味はありましたが、ゲーム開発はスマートフォンから始まりました。というのも中国に視察に行った際、スマートフォンゲームをもの凄い勢いで作っているのを目の当たりにして、これからは自社でコンテンツビジネスをするならば、やはりゲームだろうと思い開発を始めました。

寺門:
有限会社スタジオインデックスの寺門と申します。スマートフォンゲームのプログラミングを担当しています。2年前に入社して初めてゲーム開発を始め、これまで手探りでやってきました。昨年のロケテショウには、来場者として参加させていただき、他の開発者の方といろいろお話できたのが良かったです。現在はUnityで開発していますが、同じくUnityで作っているサークルさんに相談などをさせてもらいました。

今井:
今回、法人として参加することになったきっかけは何でしょうか?

瀬川:
直接のきっかけは、やはり板橋で開催した2回目に来場者として参加したことです。

これまでは本当に手探りでゲーム開発を行っており、完成したものからApp StoreやGoogle Playにリリースしていました。そうすると、ユーザーの辛辣な評価が返ってきます(笑)。そういう評価も真摯に受け止めながら、バージョンアップしていくのですが、ストアの評価は消えないのですよね。

それならば、このロケテショウに参加してユーザーフィードバックを頂きたいなと思い申し込みました。本来であれば、自社でユーザーテストなどを行うべきなのですが、私ども小規模な会社なのでそこまで手が回りません。そのため、非常に良い機会だと思っています。


6000円の価値から考えるロケテショウの意義と心構え

今井:
ここからはロケテショウに出展する意義や心構えなどについてお話を伺いたいと思います。マサシロウさんはこれまで参加してきて、実際にユーザーからのフィードバックは開発において役に立ちましたか?

マサシロウ:
とても参考になりました。開発者のフォーラムなどが盛んな海外に比べて、日本ではユーザーの声を聞く機会が非常に少ないため、ロケテショウは貴重な機会だと思っています。また開発者同士のコミュニケーションも貴重ですね。

今井:
ユーザーへのアンケートなどはIGDA日本が用意しているのですか?

戸崎:
IGDA日本がまとめてアンケートを実施しているというわけではなく、出展者の方に個別で実施してもらっています。というのも、個々の出展者によって参加する目的は異なっているからです。今後、本気でゲームを売っていこうと思う法人の方もいれば、自分が制作した作品を見てもらいたい同人サークルもいますので。

マサシロウ:
「どこのゲームが一番、面白いか」といったことを競う会でもないですしね。

戸崎:
そうですね。参加する目的自体は、サークルの方々に自主的に持っていただくようにしています。ただ「ロケテスト」といっても「アンケートの取り方が分からない」といった方もまだまだ多いとは思います。なので、参加にあたって「ゲームのここを試してみたい」といった心構えを持つようにしていただけると良いと思います。今後はアンケートのテンプレートなどを用意したり、ロケテストのためのノウハウを提供したり行っていければと考えています。

大澤:
IGDA日本としてもそういったサポートをできる限りやっていきたいのですが、なかなか手が回らないのが現状です。そのため、基本的には各サークルの方々に「何をテストするか」を主体的に考えてもらって参加していただきたいと思っています。

今井:
では、せっかくなのでこれまでロケテショウに参加してきたマサシロウさんから、参加にあたっての心構えなどを教えていただけないでしょうか?

マサシロウ:
多くの同人サークルは即売会には慣れていますが、テストを行うことには慣れていません。そのため、「6000円払ってゲームを見せるだけ」というとメリットが感じられない方も多いでしょう。しかしながら、6000円を払う価値は十分にあると考えています。

まず来場者から率直な意見をもらえることが大きいです。この難易度設定で大丈夫か、操作性は自然に理解されるか、そういったことを試す良い機会になります。専門的にいうとゲームのフォーカステストのようなことが行えます。「誰に向けてどういった部分を遊んでもらえるか」ということを効率的にできる場所がロケテゲームショウではないかと。

さらに10社以上のメディアの方々が取材に来てくれることもメリットだと考えています。サークルの存在を知ってもらうための良い機会になります。

今井:
確かにメディアがじっくり取材するのは珍しいですね。コミックマーケットはじっくり取材するにはちょっと規模が大きいですからね。

瀬川:
私ども法人の立場からすると、費用が6000円というのは非常に安価だと思います。この値段でテストをしていただいて、フィードバックを貰えるというのは非常にありがたい。

今井:
確かに法人の立場からすると6000円というのは非常に安価ですね。これまで法人で参加したのはどれくらいいましたか?

戸崎:
完全には把握していないですが、3、4社程度ですね。これまでは企業向けの参加枠というものを用意していなかったので、ミドルウェアの会社などに同人サークルとして参加していただいていました。一応、メインは同人サークルさんを対象にしていますが、スタートアップ段階の企業の方にはぜひとも活用していただければと思っています。


展示タイトルと注目して欲しいポイント
《今井晋》
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