TCGといえば、多くの人は紙のカードを集め、トレーディング(=交換)したり、対戦したりすることで楽しむゲームを想像することと思います。ところが、先日のおもちゃショーで発表されたブシロードの新作TCG「ファイブクロス」は集めるまでは紙で、対戦はスマートフォンのアプリケーションを通じて行う(従来通り集めたカードでの対戦も可能)という、これまでの枠にはとどまらないTCGとなっています。
通常のカード対戦型ソーシャルゲームとの違いはアプリ内で課金をする必要なく、実際に手元にカードを集められるということです。またPvPに特化している点も1つ特徴と言えるでしょう。あくまでリアルのカードを購入、トレーディングし、スマホアプリで対戦するという仕組みになっています。これまで、PCでは同社の「キングオブプロレスリング」などでも、リアルでもトレーディングでき、対戦はネットで行うというTCGもありましたが、スマホアプリを前面に押し出した作品は本作が初の試みとなります。
東京ゲームショウ2013が初展示となる「ファイブクロス」のアプリですが、近日中にはβ版が配信されるということで、すでに対戦まで遊べるものに仕上がっていました。アプリでは、デッキの構築・対戦はもちろん、実物のカードをデータとして読み込むためのQRコードスキャナーも内蔵されています。
対戦は互いのプレイヤーが9×9マスのフィールドにカードを配置し、全て自動で進行していきます。デッキ構築はカードバトル型のソーシャルゲームでも採用されている自動構築で簡単に行えるのはもちろん、TCGで慣れているユーザーは各カードの特色にあわせて配置をじっくり決めることも可能です。また、本作のために制作された版権絵が表示されるなど、リアルの対戦では味わえない特殊な演出もみることができました。
9月19日のステージでは新たに「ソードアート・オンライン」「プリティーリズム・レインボーライブ」「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」の3作品が参戦することが発表され、既に告知されている「インフィニット・ストラトス」「ファンタジスタドール」の2作品を加え、計5タイトルの参戦が明らかになっています。ステージ終了後には、本作の開発を担当するブシロード取締役で事業開発部長の広瀬和彦氏にお話を伺う事ができました。
まず、本作のターゲットについて広瀬氏は「これまでTCGに親しんできたユーザーはもちろんですが、新規のユーザーさんにたくさん遊んでもらいたい」と語りました。特に、アニメ作品のキャラクターが登場することもあり、原作のアニメファンが大きなターゲットになっているとのこと。また、それと同じく、スマホでゲームをするようなゲーマー層にも訴求していきたいと話しています。
「現在のカードバトル型のゲームはあくまでデータだけのもので、そこに課金することに躊躇するユーザーも多くいると考えいています。ところが「ファイブクロス」では、実際にカードを収集することもできるし、対戦していく楽しみも味わえます。」とこれまでのTCGでは取り込めなかったアニメ、ゲームファンにも本作をアピールしたいということです。
また、ゲームの仕様については、「単純だが奥深いです。TCGを初めてやる方には簡単に遊べるように設計していますし、より上を目指したいユーザーも頭を使いながらデッキ構築の楽しさを感じることができると思います。」と話していました。
スマホならではの表現として、オリジナルの版権絵で特殊な演出が図られる点についてもお話を伺いましたが、こちらはビジネス的な裏話も聞くことができました。ここ最近は、アニメ作品がソーシャルゲーム化前提で制作されることも多く、デジタルのみのカードゲームでアニメ作品のライセンスを受けるのは、競争も激しくかなり難易度が高いとのこと。ところが、「ファイブクロス」はリアルなTCGのためにライセンスを受けているということで、かなり自由度高く、既にソーシャルゲーム化している作品でも取り込んでいけるということでした。
最後に、「新たな作品、新たな取り組みということでユーザーさんの間でどのように広がっていくか非常に楽しみです。」と本作にかける期待を語ってくれた広瀬氏。アプリのβ版は近日中に配信予定で、正式サービス開始は及び第1弾ブースターパックの発売は11月8日となっています。
なお、9月21日・22日には「ファンタジスタドール」「インフィニット・ストラトス」のPRカードが配布予定。興味のある方はぜひブシロードブースまで足を運んでみて下さい。
■PRカード配布スケジュール
【9 月 21 日(土)】
・ 11:40 ※1
・ 16:15~16:30 ※2
【9 月 22 日(日)】
・ 12:00 ※1
・ 14:15~14:30 ※2
※1 ステージイベント観覧者限定
※2 予定枚数に達し次第配布終了