『ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館』は、11月27日に動画公開された「ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館 Direct 2013.11.27」で紹介されたもので、ルーヴル美術館公式の音声・映像ガイドとなります。本作の魅力や特徴は、動画内で実際に美術館で本作を使用しながら紹介されていますが、このたび公式サイトにて公開された「社長が訊く」にて、開発に至る経緯や秘話などを明かしました。
岩田社長が、企画の流れや制作に関する話などを、開発スタッフに直接訪ねる人気インタビュー企画「社長が訊く」。今回は、宮本茂氏との1対1の対談形式となりました。
まず岩田社長は、このソフトが作られた背景には、DS時代から推し進めてきたパブリックスペース利用の構想があることを語りました。これは2009年から2010年にかけて、DSの機能を利用し、公共施設で日常的にさまざまなサービスを受けられる仕組みを整えていったプロジェクトで、「DSを持ち歩けば、いつもどこかでいいことがある」ことを目指し、美術館・博物館、ショッピングモールや学校など、各地でさまざまな用途・サービスの運用がされました。
宮本氏は「“DSのパブリックスペース利用”構想自体、もとをたどると美術館の音声ガイドから思うところがあって、提案したことでした」と発言しておりと、本作とこの構想の相性が非常に優れていることが分かります。
構想の原点となった美術館の音声ガイドは、理解度を深めてくれるサポートの有用性と、当時一般的なスタイルだったポータブルCDプレイヤーなどを使う利便性の低さという、長所と短所を持ち合わせており、DSが誕生した時に「DSで音声ガイドをつくったほうが、ずっと便利!」と考えたのが、構想のきっかけだったとのことです。
その発想が、東京ディズニーリゾート内にある大型商業施設イクスピアリでテストを兼ねたサービスを行うなどをはじめ、海遊館や新江ノ島水族館でも使われるようになり、実績と経験が蓄積され、その中で宮本氏は、この構想に更なる野望を抱き「いつか、ルーヴルや」を目標に掲げました。
そしてルーヴル美術館との縁が生まれた時に、宮本氏から提案する形で美術館の音声ガイドの製作が決まり、音声ガイドとしての機能を軸に据えた上で、方向確認の際に利用する360度見回せる3D立体視の館内写真や、どの方向からでも見ることができる彫刻像の3Dモデル、高解像度画像やツアー機能などを入れていき、ガイドの枠を超え楽しめるソフトへと進化。その結果、「現地では、本物が目の前にあるのになぜか映像ガイドを見てしまうという、矛盾にも直面しました(笑)。」と語っています。
本作では、館内案内や解説はもちろんですが、前述の3Dモデル機能を活かし、館内では見ることが出来ない「真上からの視点」や、高解像度画像により美術館での展示よりも更に細かい部分まで鑑賞できるなど、本物が目の前にあっても更なる利点がある、といったソフトに仕上がっています。
また本作の大きな特徴のひとつとして、一般的な音声ガイドだと対応する番号を入力して解説を聞く形ですが、このソフトでは位置検索を利用したガイドの自動切り替えにも対応しており、「見学コース機能を使って現地で利用すると、自分がいる場所に合わせて自動的にその辺りのガイドの音声が再生されたりします」と、高い利便性を備えていることを語ります。
その位置検出システムを導入するため、美術館内に配置したビーコン発信機は、なんと500以上を数えるとのこと。歴史的建造物であるルーヴル美術館に位置検出システムを設置するなんて絶対不可能だと思っていた岩田社長は、「なんて無謀なことをするんだ!?」と思ったそうです。実際、「建物に釘を打ってはいけない」「床に物を置いてはいけない」などかなり厳しい制約のもと、工夫を凝らして実現したとのことです。
イクスピアリでの実地から数えても4年、構想から辿れば更に遡る発想が目指した、「いつか、ルーヴルや」という野望は、その大きな成果を幅広いユーザーに提供できる現在に辿り着きました。宮本氏は今回の野望実現に関して、3DSというハードがある時に話が持ち上がった点などに触れ、「幸運なんです」と語り、その言葉を受けた岩田社長は「幸運というものは、準備と機会が巡り会うものだ」と、自身が好む言葉を引用し、今回の成功への賛辞を送りました。
公開されているインタビューではこの他にも、本作の更なる魅力の解説や、スキャンにおける苦労、そして宮本氏が抱く新たなる野望などが綴られています。興味がある方は、ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。(URL:http://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/al8j/vol1/index.html)
『ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館』は、好評配信中。価格は1,800円(税込)です。
(C)Nintendo
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