荒廃し資源が枯渇した未来を舞台とする『フリーダムウォーズ』は、完全管理社会を形成し、ほとんどの人類に「懲役100万年」を課し、減刑と引き換えに命を落とす危険も孕む「ボランティア」へと駆り出す過酷な世界を描いています。
そんな厳しい時代を綴る作品となる本作ですが、先日開催された「ニコニコ超会議3」で発表されたPVは、なんとアイドルソング。アクセサリと呼ばれる生体アンドロイド3人が、よく聴けば管理社会を象徴とする歌詞を歌い上げているものの、そのノリや振り付けは完全にアイドルのダンスそのものであり、作品世界とのギャップに多くの方が驚きの声を上げました。
このPVが生まれたきっかけ、そしてお披露目されたPVは、こちらでも以前記事として取り上げさせていただきましたが、この衝撃的なPVが生まれた経緯が、このたびゲームデザイナーの保井俊之氏から語られました。
その驚きの内容ゆえに、このPVを見た色々な方から「どうしてこの動画を作ったのか」との質問が相次いだそうです。そして、この質問に対し保井氏は、ごくシンプルに「作りたかったからです!(゜ε゜J)」と顔文字付きで表現。作りたかったという熱意がより強く感じられます。
さらに正確に言うならば、「ニコニコ超会議3というお祭りに、動画を投稿して参加したかった」とのこと。元々、「テンネン」という名前でボカロの楽曲作成に励んでいた保井氏は、ニコニコ動画に対し「自分にとって実験や研鑽の場でもあり、愉快な遊び場」という感覚で接していたため、ニコニコ超会議3という機会を前にして、血が騒いだのでしょう。
ただし、『フリーダムウォーズ』を題材に扱う以上、こっそりと行うわけにはいきません。本作のプロデューサーであるSCEの吉澤純一氏へ、「怒られるかも」と思いつつも連絡を入れたところ、「アイドル、しっかりやりましょう!」と力強く反応され、しかも「"恋の懲役は100万年"、とかいうタイトルですよね!」と、かなりノリのいい提案もあったそうです。
ちなみにこの吉澤氏は、保井氏曰く「センスが昭和、とチームの内外からもいじられるほどのナイスガイ」らしく、吉澤氏からの提案に対して保井氏は“「いいっすねー」と言いながら基本的に却下”という対応をしているそうですが、この時ばかりは「ワクワクしてしまった」とコメントしています。
この流れが土台となり、「プロパガンダアイドル開発の顛末01 ~PV公開前夜~」が生まれ、そして「Let’s貢献! ~恋の懲役は1,000,000年~」へと結びつきました。この流れがどのような完成度を誇るPVを生み出したのか、まだ未見の方は「中央論理機関チャンネル活動記録」で視聴することができるので、そちらで確かめてみてください。歌詞も公開されているので、よければそちらのチェックもどうぞ(URL:http://ch.nicovideo.jp/freedomwars-the-committee/blomaga)
『フリーダムウォーズ』』は、2014年6月26日発売予定。価格は、パッケージ版が5,800円(税抜)、ダウンロード版が4,800円(税抜)です。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
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