塚本氏が所属し、本作の制作にも深く携わっているディンプスは、アクションゲームを開発することも多く、そのためモーションの格好よさや爽快感、そして気持ちよさを重要視しており、また実績を経たノウハウも充分に培っています。
ディンプスの代表作には『ストリートファイターIV』シリーズなどがあり、そのためキャラクターたちのアクションに関してモーションキャプチャーに頼りきることはせず、特にダイナミックな表現の部分は手付モーションでその心地よさを追求しているとのことです。
「手付モーション」とは、キャラクターの動きをモーションデザイナーが一つ一つアニメーションさせていき、動きの中で誇張する部分をデザイナーの感性で強弱をつけていくこと。操作していて気持ちの良いゲームを目指すため、モーション担当曰く「レスポンスの良さを保つ」「短いフレームのモーションでも印象に残るように」そして「ヒット絵はカッコ良く」といったポイントに重点を置き、本作のモーションが作成されました。
そして、こちらも重要となるエフェクト。演出としての意味はもちろんのこと、大きさや色などにルールや意味などがあり、本作でもその点に関して計算された「爽快感」が構築されています。「破壊する気持ち良さを優先に作成しました」と語るエフェクト担当は、アブダクターへの攻撃では大量の破片が飛び散るようにし、また段階に応じて出る量や種類も変えるなどといったこだわりも施し、エフェクトそのものだけでなく、その演出にまできめ細かい配慮が行われたことを伺わせます。
もちろん、大事なのは視覚だけではありません。アクションの心地よさを実感する上で欠かせないヒット音に関しても、緻密な打ち合わせにより、情報としての「記号」とリアルな「実感」を兼ね備え、気持ちよさを後押しする役割をしっかりと果たします。ちなみにその打ち合わせの様子は、以下のような感じとのことでした。
開発陣「ヒット音生々しくないですか!?」
サウンド担当(…生々しくないと切った感じ出しにくいんだけどな…)
開発陣「金属を切った時の感じが欲しいです!!」
サウンド担当(…金属を切った音ってどんな…?)
開発陣「もっと金属な感じが欲しい!!!」
サウンド担当(…金属的な音=効いていない印象になりますよ…?)
要望というのは、時に無茶な側面もあるもの。この難題に、サウンド担当がどのように立ち向かったのか。その成果は、発売日に直接確かめてみてはいかがでしょうか。おそらくそこには、「アクションゲームの気持ち良さ」を、目と耳で盛り上げてくれる仕掛けが組み込まれていることでしょう。
『フリーダムウォーズ』』は、2014年6月26日発売予定。価格は、パッケージ版が5,800円(税抜)、ダウンロード版が4,800円(税抜)です。
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