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9月25日に発売したスパイク・チュンソフトのPS Vitaタイトル『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』(以下、絶対絶望少女)のレビューをお届けします。
まず最初に、『絶対絶望少女』はプレイヤーによって大きく評価が分かれるゲームです。筆者の立ち位置としては、『1』『2』をPSPでプレイしてアニメも観賞済みですが、“とびきり好き”というわけではなく、数ある好きなタイトルのうちの一つというレベル。そんな筆者が評価するに、「ダンガンロンパ」としては間違いなく面白いのですが、ゲームとしての面白さは……それほど感じませんでした。
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『絶対絶望少女』は、“ダンガンロンパ Another Episode”と付いてはいるものの、『ダンガンロンパ』シリーズの最新作として申し分ない1本です。過去作では学園が舞台でしたが、それが街、いや世界にまで拡大。より壮大なスケールで絶望が描かれ、「モノクマ」を3D空間に解き放ってしまった恐怖感も味わえます。
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そして今回描かれる子どもの狂気は、題材として非常にマッチしており、ストーリー後半で描かれる大人の狂気を引き立てる要素にもなっています。大人と子供、この異なる狂気とそれを裏で管理する存在、それに立ち向かう主人公たち。それら全てを「絶望」というテーマでまとめている為、面白くないはずがないのです。
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より具体的に見ていくと、キャラクター一人ひとりの脚本や、こまると腐川の掛け合い、所々に散りばめられたパロディーネタはどれも『ダンガンロンパ』らしさを感じました。沢城みゆきさんが「ブヒブヒ」言う作品もそうありませんからね。
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また、お仕置きシーンでお馴染みの2.5Dムービパートや、アニメの監督も務めた岸誠二氏のアニメパート、そして3Dムービーパートや会話パートなど、各シーンに適した演出を使い分けていたのも好印象です。
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ただし、肝心のTPSパートに面白さは感じられませんでした。言弾を切り替える・撃つ・構える・狙うという一連の行動は味気なく、シューターやアクションゲームというよりも、プレイ感覚はパズルゲーム。難易度も複数用意されていますが、変わるのはパズルを強引に解く方法の度合いです。
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またTPSパートとそれ以外のパートがリンクしておらず、テンポの悪さも感じました。その結果、TPSパートは魅力的なストーリーを見るための作業となり、筆者に「『絶対絶望少女』はゲームじゃなくても面白かっただろう」という結論を出させました。
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これらが“評価が分かれる”理由です。『絶対絶望少女』を「ダンガンロンパ」として見るか、ゲームとして見るか。貴方はどちらとして見ますか?