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まずは筐体イラストをご覧ください。「太鼓の達人に続く音楽ゲーム」と銘打たれている本作ではありますが、そのインターフェースは大きく様変わり。大画面の全面タッチパネルを用いたリズムゲームに仕上がっています。
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また、プレイするときにちょうど頭の左右にくるように配置されたスピーカーはプレイヤーにこの上ない臨場感で楽曲を届け、さらに画面下部にあるボディーブースターを利用すると、重低音が直に体に伝わってくるようになっており、高い没入感を与えてくれます。なお、ボディーブースターはゲーム開始時にオフにもできますので、そうした要素が苦手な方もご安心ください。
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コインを投入するとまずはチュートリアルがスタート。本作のマーカーは全5種類で、青い丸がわっかに入る瞬間にタッチする一番オーソドックなものに加え、以下のマーカーが表示されます。
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ホールド(赤):外枠が1周するまで押し続ける。
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ムーブ(黄):マーカーを押し続けながらレールにそってゴールまで移動させる。
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SWIPE(緑):タイミングよく、矢印の方向に払うようにスワイプする。
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直線(青):2つ同時に押す必要があるマーカー。
こうやってテキストだけで見ると煩雑な印象を抱いてしまうかもしれませんが、各マーカーがしっかり色分けされていることもあり、実際にプレイしてみればむしろ分かりやすいほどでした。
ロケテストでは上記のチュートリアルに加えて2曲をプレイすることができ、2曲目はCPUをパートナーに、本作のウリの1つでもある2人協力プレイを擬似的に楽しむことができました。2人協力プレイは、ステージクリアとは別に、「ミッション」が設けられており、自分とパートナーのコンボの合計数となる「マルチコンボ」数が規定を上回ればミッションクリアとなります。
マーカーの配置や流れは各々のプレイヤーで異なりますが、2人が同時入力を達成すると「Sync」と2人協力プレイ独自の評価が表示されます。Syncを成功させてゲージをためていくとクリア時にそれがマルチコンボ数に上乗せされるというシステムになっており、1人ひとりがどれだけうまいかよりも、2人がどれだけ息を合わせてプレイできるかが重要なカギになるようです。
筆者の場合はCPU相手の擬似協力プレイでしたが、自分の画面を見ているだけで仲間との連係がうまくいっているのが分かるのが楽しく、独特の高揚感を味わわせてくれました。もちろん、ロケテストでも実際の人間相手の協力プレイはできますので、ロケテストに行かれる方は友人を誘っていくのもいいでしょう。
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1曲クリアしたあとのリザルト画面では、曲プレイ時の流れをスクリーンショットで振り返れるシステムも印象的。コンボを途切れさせてしまった箇所を再確認したりするのにひと役買いそうです。そうして2曲のプレイが終了。チュートリアルを含めるとタップリ15~20分くらいはプレイできるのですが、没入感が高いからかなんだかあっという間だったという錯覚にとらわれました。
――本作を開発した経緯をお聞かせください。
木水克典氏(以下、木水):音楽に“ノる”ことからさらに一歩進み、メロディやリズムを自分で“演奏する気持ちよさ”が体感できればと思い、大型のタッチパネルを採用した本作の企画が動き始めました。プレイしていて曲との一体感が得られるように、マーカーの配置や流れを強く意識しています。数プレイして慣れてきたころには、まるで自分で演奏しているかのような高揚感を感じていただけるのではと思っています。また、画面でのビジュアル演出や、頭を包み込むようなスピーカー、曲のリズムを伝えるボディーブースターも、音楽とシンクロする気持ちよさにすべてが集約することを目指して採用したものです。振動するパーツというと新鮮味が薄いように感じられるかもしれませんが、お腹に当てる形での使用はなかなかないのではないでしょうか。プレイ開始時にオフにもできますが、オンにして音楽とシンクロする気持ちよさを体感していただければと思います。
――ロケテストは24日(金)~26日(日)の3日間とのことですが、正式な稼動時期はいつごろを見込まれていますか?
木水:現時点では、今後のスケジュールはまだ未定となっています。今回のロケテストでプレイヤーのみなさんからの意見をちょうだいして、それを元に今後の展開を考えていくつもりです。このたび本作用のTwitterアカウントも開設しましたので、ご意見・ご感想はそちらへでも結構です。さまざまなお声をお聞かせいただければ幸いです。
――本作の公式ホームページでは、協力プレイの楽しさを推しているのが印象的です。どういった狙いによるものでしょうか。
木水:音楽とシンクロする気持ちよさを追及していくなかで、1人で楽しむだけが音楽じゃないのかな、と気がついたんです。例えば、友達と同じ曲を聴いたり、いっしょにライブやコンサートに行ったりとか。そういった楽しみ方をなんとかゲームに落とし込めればという思いから2人協力プレイというコンセプトが生まれました。1曲クリアするごとにスクリーンショットでプレイを振り返れるのもそうした狙いからです。君がコンボをつないでくれたからクリアできたよとか、今度はここをもっと上手にやろうとか、振り返ったりして盛り上がれる。そして2人で上達していく……という流れが生み出せればと。
――公式ホームページに『太鼓の達人』のどんやかつがいるのが印象的ですが、同シリーズとの関連性はあるのでしょうか?
木水:本作は全面タッチパネルを用いておりますし、デバイスとしてはまったくの別物です。ただ『太鼓の達人』シリーズでつちかってきたDNAはしっかり受け継いでいますし、詳細はまだ未定ではありますが、今後は『太鼓』ともども盛り上げていきたいと考えています。
――本作のメインターゲットはどの辺りの層を見込まれておられますか?
木水:もちろん、幅広い層のお客様に楽しんでいただけるようにというのが第一ですが、その中でも『太鼓』に親しんでくださっている中高生のみなさんに向けて“『太鼓』のアドバンス版”というような位置づけからスタートして、そこから本作ならではの色合いを出せていければと思っています。収録曲に関しましては、誰でも楽しめるよバラエティ豊かなジャンルから人気曲を。ただ、それだけではなく大きなタッチパネル全面を使って遊ぶというゲーム性をいかしたトガった曲も入れていきたいですね。ゆくゆくは、知名度よりもプレイしての楽しさを考慮しての選曲というのも出てくると思います。
――最後に、本作が気になっているリズムゲームファンたちへひと言お願いします。
木水:『シンクロニカ』というタイトルから「協力プレイじゃないと楽しめないのかな」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、本作のタイトルに含まれている「シンクロ」という言葉には「プレイヤー同士のシンクロ」という意味だけではなく、「自分と曲がシンクロする気持ちよさ」という意味も込めてあります。従来通りのシングルプレイで十二分に演奏する気持ちよさが感じられると思いますので、機会があればぜひさわってみてください!
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「2人で楽しい音楽ゲーム」と銘打たれている本作ではありますが、実際にプレイしてみると1人では楽しめないのかというとそんなこともなく『太鼓の達人』シリーズのように誰でも楽しめる作品だという印象。筆者は決してリズムゲームが得意な方ではないのですが、慣れた方のプレイを見ているとまるでなにかのコンソールでも操作しているかのような手さばきで、そうした動きが「演奏する楽しさ」へとつながっていくかな、と感じました。そして私的なことではありますが、『R4 -RIDGE RACER TYPE 4-』が好きな筆者は同作の「Eat'em Up!」が収録されているのがツボでした。
ロケテスト初日から、開店前から並ぶ熱心がリズムゲームファンたちが駆けつけた『シンクロニカ』。インタビューにもあるように、本ロケテスト終了後の予定はまだ未定とのことで、この機を逃すとしばらくプレイできない日々が続きそうです。興味がある方は週末にnamcoラゾーナ川崎店まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
(C) BANDAI NAMCO Games Inc.
※本製品は開発中のものです。デザイン・仕様等が変更になる可能性がございます