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新生した「ロデア」は、その名を『天空の機士ロデア』から『ロデア・ザ・スカイソルジャー』と改め、WiiUと3DSで発売されます。なお、WiiU版の初回生産分にはWii版の『天空の機士ロデア』を特別に同梱し、「スペシャルパッケージ」として発売するとの事。三年間「ロデア」待ち続けた方もWiiを持っている方も、もちろんWiiUを持っている方にだって嬉しいパッケージです!
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まず舞台に上がったのは、角川ゲームス代表取締役社長にして株式会社フロム・ソフトウェア代表取締役会長の安田善巳氏。トップ自らMCとして舞台を取り仕切ります。
続いてはロデアのディレクター長谷川仁氏が登壇し、経緯を説明しました。プロジェクトの始まりは2009年の年末。そこから2011年に『天空の機士ロデア』を発表し、以降三年半経った現代に『ロデア・ザ・スカイソルジャー』となって復活したとの事。同作を「新しくもあり、少し懐かしいゲーム」と表現しました。
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ゲームジャンルは「スカイアドベンチャー」と称するもので、大空を飛び回って冒険する作品となっているため、サターンの名作『ナイツ』を思い出す方もいらっしゃるのでは? 長谷川氏には「国内のみならず海外も併せたすべての任天堂ユーザーへ届けたい」という想いがあり、それも含めて前述の”Wii版の同梱されたスペシャルパッケージ”は「今なお待ち望んでいるユーザーのために」という気持ちから生まれました。
Wii版の『天空の機士ロデア』はこの初回生産分にしかついてこないという事なので、欲しい方は早めにチェックしましょう!
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『ロデア・ザ・スカイソルジャー』はかつての名作達が備えていた「冒険」を主軸に、大空を360度自由自在に飛び回り襲い来る敵と戦う作品。主人公ロデアが千年前の記憶を失った状態で目覚め、「遥か彼方の記憶にある少女」の面影を残す少女「イオン」と共に冒険へと飛び立つ事になります。
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インドや東南アジア・中近東あたりの雰囲気を感じるネーミングの世界「天空の大地ガルーダ」で繰り広げられる物語には3つのポイントがあり、それぞれ
1.立体空間を縦横無尽に飛び回り、行けるところは隅々まで行ける空のアクション
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2.記憶を失ったロデアが亡くしたものを取り戻す、ドラマ性に富んだストーリー
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3.「ゲーム至上最大のボス」と戦う迫力あるバトル
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となっています。ただし、「ゲーム至上最大」は開発当初から変わらぬ言葉であるため、「今現在ロデアより巨大なボスキャラがいるのであれば、どんどん長谷川までご連絡ください!」との事でした。
参考までに、ロデアのボスは「東京タワーサイズのスケール感」」だそうです。いやこりゃでかいわ。だって300m超えってガンバスターよりでかいんですよ? さらに言えば赤城や大和よりでかいんですよ? でかすぎぃ。実際に戦える相手として300mより大きい最近の作品というと、惑星サイズの敵がいる阿修羅なゲームや「スピリット・オブ・マザーウィル」くらいしか思い浮かびません。ああでも、ステージ的なものやイベント的なものを入れたら駄目かな……。
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違う、とは言えど、WiiU版も3DS版も内容はほぼ同じで、違いはそれぞれの機種によるものとなります。Wii U版は大きい画面でも遊べて、3DS版はサイズという制約がありながらも広大な世界をできる限り再現した、立体視対応のオープンフィールド・アクション。
ヒロインの女の子「イオン」は人型ロボットである「魔人」ロデアの後ろから飛空船のようなもので付いてくるので、彼女とコミュニケーションを取りつつ冒険する事になります。そこへ探索・収集・成長といったRPGのエッセンスを注入する事で、冒険×RPG感×コミュニケーションを総合した「ゲームを遊び尽くせる作品」になったとの事でした。
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一方WiiU版に同梱しているWii版『天空の機士ロデア』は、フライングアクション。Wiiのリモコンを活かしたダイレクトな操作のアクションゲームとなっています。直感的な操作を行い、また違った「爽快感」を楽しむ作品で、こちらにはRPG要素は入っていません。
ロデアが巨大な鳥型ボスなどと戦っているPVが流れた後は、『ソニックシリーズ』や『ナイツ』を生み出した中裕司氏(プロぺ代表取締役社長)が登壇。
「会場のビルを間違えた」と長谷川氏に暴露された同氏は、「現地に着いたら誰もいなくて、実は発表会そのものが無かったんじゃないかと不安に駆られる」というセルフサプライズを敢行。三年越しのドッキリとしては心臓に悪そうです。
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Wii版から開発がスタートしたロデア。それがユーザーの手元へ届けられて嬉しいと言う中裕司氏は、ゲームクリエイターとしての30年の多くをアクションへ捧げてきました。『ソニックシリーズ』はもちろんの事、先日も話題になった「セガ・サターン」の名作『ナイツ』でも同様。古くは筆者が子供の頃に遊び倒した「セガマーク3」の『北斗の拳』でもそうです。アクションゲームに特別な想いを持つ同氏が語るには、「Wiiリモコンでポインティングする事によりキャラを動かすという操作方法を発見した事が、「ロデア」開発の発端」となっているそうで、目指すものは「動かしているだけで楽しい」というアクションゲーム本来の楽しさ。「発表当時は尖りすぎていた操作性、遊び方であったため、一度はお蔵入りに(実は長谷川さんの机の中で眠っていたとか)なりましたが、作中で千年の眠りから目覚めるロデアと同じように、『ロデア・ザ・スカイソルジャー』もWiiリモコンも、もう一度振って遊んでみてください」との事でした。
また、WiiU版とWii版のゲーム性の違いについて、昔のアクションゲームの「動かして楽しい」という部分と、今の「成長させてやり込んでいく」という部分の違いを実感して欲しいそう。「最初は困難な操作も、遊び倒す事でゲーム世界を自由自在に楽しめるようになる。それがアクションゲームの醍醐味だと思っています」と同氏。対してWiiU版は「昨今のゲームを鑑みて、誰でも最後まで楽しめるように設計されている」との事でした。ストーリーは『テイルズシリーズ』の実弥島巧氏による世界観と、「妖怪ウオッチ」のシリーズ構成である加藤陽一氏がタッグを組んでいるため、こちらにも大いに期待しましょう!
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サプライズ1として、株式会社セガCOOである岡村秀樹氏からのビデオレターが紹介されました。
岡村:「セガにとって中裕司さんはソニックやナイツを生み出した名プロデューサー。昨今の厳しいコンシューマービジネスにおいて、完全新作のオリジナルゲームを生み出す事は大変な事。ソニック、ナイツに続く本格アクションとして位置付けられているであろうロデアを、セガも全力で支えていきます」(敬称略)
22年という永きに渡りセガへ勤めた中裕司氏には、やはりセガに対する特別な想いがあるようで、岡村氏のビデオレターにも感慨深げな表情でした。
中裕司氏は最後に、「ロデアというアクションゲームは、壮大な世界観の中を冒険して行くもの。映画を観るかのように色んな人に楽しんでいただきたいと思っています」と想いを込め、「ここ数十年の間に、新しいアクションゲームは出てきていないのでは?」とアクションゲームへの憂慮も吐露。「WiiでもWiiUでも遊べる同作を、ユーザーの皆さんと同じような気分で喜んでいます。どうぞ『ロデア・ザ・スカイアドベンチャー』をよろしくお願いいたします!」と締めくくりました。
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続いてタイアップ曲「Forever」を歌うシンガーソングライターのchay(チャイ)さんが登壇。曲はミディアムテンポのバラードです。
レコーディング中にも即興で歌詞を書いていたというチャイさんは「難しいゲームは苦手」としながらも、ロデアに対し「高所恐怖症なので、ゲームなのに”ジェットコースターに乗っている時のようなお腹がキュッとなる感覚”を感じた」との事。鮮明に表現された世界を実感したそうです。
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また曲名の「Forever」は、主人公ロデアとヒロインセシリアの「永い永い年月をかけても変わらない愛」と「深い深い絆」から名付けられたもの。そのセシリアを意識した服と髪型で現れた彼女は、「クリアするとこの曲が流れてくるので、是非最後までプレイしてください!」と微笑みました。
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「ロデア生きてた」
ユーザーの声がネットを介してダイレクトに届く昨今、この言葉が、長谷川氏の心に響いたそうです。
物語の冒頭、千年もの永い眠りから覚めるロデアとも重なる想いがあるのでしょう。様々な要因を越えて姿を現したロデアは、私達にどのようなアクションを、どのような物語を見せてくれるのでしょうか? 興味は尽きません。
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今なお世界中で愛される数々のアクションゲームを生み出した「クリエイター・中裕司」。その完全新作アクションゲームにしてスカイアドベンチャー『ロデア・ザ・スカイソルジャー』の発売は、来年2015年春を予定しています!
タイトル:ロデア・ザ・スカイソルジャー
対応機種:Wii U、ニンテンドー3DS(同梱版はWii)
ジャンル:スカイアドベンチャー
発売日:2015年春発売予定
価格:Wii U 7,200円 / 3DS 5,800円(各税別)