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NEXON Korea CorporationやNCSOFTなど、韓国でもユーザーから熱い支持を受けるゲームメーカーをはじめ、ユニティ・テクノロジーズやソニー・コンピュータエンタテインメントコリアなど多くの企業がB2C会場にブースを出展。新タイトルのゲーム情報やステージイベントなど、会場は大興奮に包まれ熱気に満ちていました。
そんななかB2C会場から少し離れた場所に、世界中からゲームの買い付けや商談を行うビジネスマンが集まるB2B会場が用意され、こちらもB2C会場に劣らない盛り上がり。それもそのはず、今年はG-STAR史上最多のB2Bブース企業出展数で来場者数も1,000人を超える数でした。
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ゲームメーカーだけでなく、データセンター、広告ソリューション、イベント企画会社など様々なジャンルサービスを扱う企業がブースを構え、韓国企業だけでなく、アジアを中心にアメリカやヨーロッパなどの企業はもちろん、日本企業も数多く出展していました。
国内でも知名度の高いTapjoyもB2Bブース出展社のひとつ。ブースではネイティブアプリマーケティング担当者向けに「私たちのゲームのホエールは誰?」というタイトルのセミナーを実施しました。スピーカーは、5Rocks 代表取締役 イ・チャンス氏。
データに基づいたアプリ内マーケティング施策の自動化ソリューションを提供するApp-Tech企業Tapjoyとネイティブモバイルゲームのためのグロースハックツール、データ分析に関するコンサルティングサービスの提供を行っている5Rocksがタッグを組み、来年初春に統合サービスを提供する予定です。本セミナーでは、統合サービスのデモプレイを行いつつ「本当の”ホエール”は誰なのか」という内容のセッションとなっています。
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ホエールとは、モバイルゲーム課金者の中でも1%にも満たない高額課金ユーザーのことを指します。極めてマイノリティなユーザーですが、ホエールが与える売上へのインパクトは大きく、ホエールを逃がさないための施策は非常に重要となってきます。
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ただ、ひとくちにホエールといっても、どんなユーザーが該当するのかは意外に分かりづらいのが現状です。仮に初回、2回目と課金をしてくれたユーザーがいたとして、そのユーザーはホエールと呼べるのでしょうか?答えはNOです。
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上のグラフを見て頂ければ分かる通り、意外なことにアプリをダウンロードしたその日に課金をするユーザーは非常に多かったりします。そして、日を追うごとに減少していき、その後課金をしないままゲームから離脱をするユーザーも多々います。
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課金ユーザーの課金回数の割合をみてみると、課金回数が1回のユーザーが35.8%、2回のユーザーが16.8%、3回のユーザーが8.3%、4回のユーザーが5.6%、そして5回以上行うユーザーが33.5%となっています。※5Rocksが保有する過去データを基に上記数値は算出
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また「最初の課金」をどこに置くかによって、マーケティング手法も変わってきます。データをみてみると、50%以上のユーザーが3日目を堺に課金をしなくなり、4回目以降はなだらかに減少していく傾向にあります。
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つまり何が言いたいかと言うと、既に課金をしてくれているユーザーに対し、更なる課金を促すのではなく「将来のLTV」と「売上」を見た時にどういったユーザーに対してマーケティングを行っていくのかを見極めることが非常に重要ということです。ホエールについては、既に課金をしてくれている優良ユーザーであることは間違いないのですが、それに加えて「将来的にホエールになりうるユーザー」に対し、効率よくプロモーションを行うことにより、アプリの売上を最大化することができます。「非課金」および「ミーノー」に対しては課金を促す形のプロモーションではなく広告プロモーションを実施、自社または他アプリのDLを促しマネタイズを行い、将来的にホエールになりうる存在である「ドルフィン」に対しては積極的に課金を促し、アプリ内でのマネタイズを行っていくことが重要、とイ氏は言います。
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過去のデータを見れば、そのユーザーがどういったグループに含まれるのかが分かりますが、明日以降パタリとゲームをやめてしまう可能性もあります。そんななか「ホエール」「ドルフィン」を見極めるためにはどうすればよいでしょう?
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そういった問題に対し、解決策を提示するのが今回デモプレイを行ったTapjoyと5Rocksが手がける統合サービスです。5Rocks側で蓄積・分析を行っている様々なデータをもとにユーザーのグルーピングはもちろんのこと「このユーザーは将来、このグループになり得る」という予測まで行うことができます。これは数多くのアプリのデータ分析を行ってきた5Rocksだからこそできることでここまでの精度で将来予想ができるソリューションは類を見ないことでしょう。
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またTapjoyが持つ広告ソリューションサービスとも連動しており、過去のデータをもとに算出された「将来予想グループ」に対して、広告の出し分けを行うことが可能。効率よくプロモーションを行うことができます。データ分析もしくは広告ソリューションの一方を提供している企業はあっても「データ解析(将来予想)+広告ソリューション」といった形のサービスは世界に目を向けてもあまり見かけることはありません。
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来春以降には日本にも提供されるであろう本サービス。今後の動きにも注目です。