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ゲームの舞台は日本経済がバブル景気に踊る1988年12月。『0』というタイトルからもわかるとおり、シリーズでおなじみの桐生一馬と真島吾朗がダブル主人公で登場し、彼らの若い頃のストーリーが展開されます。基本コンセプトは「金・女・暴力」で、まさに「エンタテインメント三原則」とでも言うべきサービス精神を標榜。この旗印のもとに「経験値の概念をなくし、『お金』を稼いで能力を強化させていく(=金がすべて)」など、さまざまな新システムが導入されました。
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PS4による実機デモプレイではプロデューサーの佐藤康氏も登壇し、桐生と真島の特徴的なバトルスタイルについて紹介されました。既報の通り本作では両キャラごとに「ベーススタイル」「スピードスタイル」「パワースタイル」という3種類のバトルスタイルが選択できます(桐生の場合は「チンピラ」「ラッシュ」「壊し屋」、真島の場合は「喧嘩師」「ダンサー」「スラッガー」と、それぞれ微妙に異なっています)。また新たに「ギアシステム」として、バトル中にギアの数値が上がるとモーションが次第に速くなっていく(=ギアが入っていく)というシステムも紹介されました。
もっともバトル以上に観客が沸いたのが、街の移動中にうっかりサブクエストに突入してしまい、「セクシー女優」な方々がゲーム中に登場したシーン。SMクラブの店頭で客の中年男性が、ボンテージファッションに身を包んだ女王様の前で土下座をしていたり、キャバクラの前で若い少女からいきなり「彼氏になって!」と迫られたりというシーンが表示されると、観客のテンションが目に見えて上がったのが感じられました。「今日は時間の関係で省略しますが、ぜひ会場のクロースドブースで試遊してみてください」と佐藤氏が話すと、会場からは落胆の声も聞かれるほどでした。
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また本作ではシリーズでおなじみのコインロッカーの鍵の代わりに、80年代を代表するアイテムの一つ、テレホンカードの収集要素があることが紹介されました。テレホンカードには全30人もの「セクシー女優」な方々が表示されており、それぞれA,B,Cと3タイプが存在し、タイプCがもっとも過激であること。またテレホンカードをすべて収集すると、スペシャル映像として実写のセクシームービーがゲットできることが紹介されると、少なくない歓声の声があがっていました。
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最後に発売日(5月14日)と、中文版の特典として殺し屋の老鬼(ラオグエィ)役に、香港の俳優サム・リーさんがCGで登場することが明かされました(日本版では別のオリジナルキャラクターが存在し、そのキャラクター差し替え版となります)。また、発売に合わせて桐生と真島それぞれの紋様が印刷された、特製のPS4が白黒2バージョンずつ、合計4バージョン発売されることも発表されました。
最後に名越氏は「他の日本タイトルも含めて、中文版タイトルは増えていく傾向にあるだろうし、多くのユーザーが望むほどに、その傾向は強まっていく」という考え方を示しました。その上で中文版タイトルを早くたくさん出せるように、今後も『龍が如く』シリーズと、日本のゲームをどんどん応援してくださいと呼びかけ、イベントを締めくくりました。
ステージ終了後には名越氏と佐藤氏へのインタビューも行われました。
―――台湾をモデルにした『龍が如く』を作ってくれませんか?
名越: 先ほどサイン会の会場でも、ユーザーから何度も言われました。大前提として中文版を望んでいるマーケットは大きいと思うので、可能性はゼロではないと思います。ただ今回シリーズで中文版に初めて対応したので、その結果もみたいですし、中文版を望む声が大きければ、将来的に考えたいと思います。
―――『4』では英語版の発表もありましたが、『0』でも英語版の可能性はありますか?
名越: まだ予定は正直いってありませんが、望まれている声が大きい順にやっていくのが基本です。中文版はその中でも、チャレンジしがいがあるから対応しました。海外の他の地域の方々も、台湾のファンに負けないように声を出してほしいですね。
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―――サム・リーを選んだ理由はなんですか?
名越: いくつか候補はありましたが、自分自身が個人的に知っていたのが大きかったです。また日本映画にも何本か出ていて、認知が高かったですしね。
―――PS4のシェア機能について、前作『維新』では実質的に2周目から使用できましたが、今回はどうですか?
佐藤: 同じような制限がかかっています。
―――台湾での「セクシー女優」の人気の感想についてひとこと。
名越: 彼女たちには、日本でもイベントに来て頂いています。そして、これに負けないくらいの熱気があります。台湾が特にすさまじいのではなく、どこにいっても人気があるんです。世界中で、男はみんな「好きだなぁ」と感じます。ただこういうイベント自体、ゲームコンテンツと絡められるのは『龍が如く』だけなので、一つのシンボル的なイベントになったなあと思います。
―――今回。一般のオーディションではなく投票で行ったのはなぜ?
名越: 実は男性のオーディションは一般でもやっているんです。女性はプロフェッショナルから、男性は一般からという仕分けが、ちょっと新しいかなと思いました。
―――サム・リーがモデルになる老鬼というキャラクターから、チャイニーズマフィアも絡むのか?
名越: ネタがばれてしまうので、今は控えさせてほしい。
―――バトルスタイルについて、真島の「ダンサー」というスタイルが特徴的だったが、その経緯は? また桐生が真島のバトルスタイルを習得できますか?
佐藤: もともとバトルを担当しているスタッフが、スタンダード、スピード、パワーでそれぞれバトルスタイルを作ろうと考えました。その上で真島のトリッキーな動きは何がベースになっているのかを考えました。今作を通して、桐生も真島もその後のバトルスタイルを確立していくことになります。そのためトリッキーな動きにはダンスの要素が入っているのではと考えました。ただし、桐生と真島が互いのバトルスタイルを使用することはできません。
―――遊べる順番などについてはどのようになっていますか?
佐藤: まず桐生編からはじまり、桐生編と真島編を交互に二章ずつ遊んでいくことになります。
―――マップについて神室町と蒼天堀以外はありますか?
佐藤: バトルのスペシャルステージ的なものはあるが、基本的にはこの2つだけです。
名越: ただ、建物の中に入れるところや、立体的な作りになっていたりして、行くことができる部分は飛躍的に広がっています。今回は「広く」ではなく「深く」なったと考えてください。
―――バブル期の日本が舞台ということで、台湾の人には遠く感じられる点があるかもしれませんが、特に感じてほしいところはなんですか?
名越: 大前提として日本だから、台湾だから、欧米だからと関係なく、どんな時代の設定にしても、おもしろいドラマは万国共通で受け入れられると考えています。それぞれの国でみな仕事や人間関係、お金などで人々は悩んでいて、そうしたドラマに対する感覚は同じだと思っているんです。『龍が如く』は独特な世界観ですが、世界中の人が理解できる、そして感動できる作品をめざしています。そして、今回もそれができているという自信があります。だから、台湾の人にとって遠いものではないと思っています。
―――今回ゲーセンで習得されるゲームのタイトルに、過去に開発されたゲームはありますか?
名越: 『アウトラン』『スペースハリアー』などが遊べますが、どれもゲーム業界に入るギリギリ前の話ですね。僕の昔の上司が作っていました。
―――桐生と真島の出会いの描写はありますか?
名越: はい、あります。そこに興味がある人は多いと思います。ホントにゼロからの物語が体験できます。
―――今回の成長システムから経験値がなくなって、すべてお金になった理由はなんですか?
佐藤: ステージイベントで説明したとおり、本作は「金」「女」「暴力」というキーワードで作られています。1988年12月のバブルとよばれた時代は、ホントに社会がお金にあふれていて、お金でいろいろなものが得られたり、失ったりした時代でもありました。お金というキーワードをより強調させるために、稼いだお金を自分自身に注入させてパワーアップさせていく仕組みを考えました。
名越: 昨今のゲームは非常にシステムが複雑だと思っています。もちろん、ハードウェアの進化と共に、ゲームユーザーのゲームに対する理解力も増していくので、ゲームがより複雑になっていくのも理解しています。そういう状況の中で、戦うだけでなく、賭場で稼いだ金でも強くなれるというのは、一つのゲームシステムとしてまとまっているとは思います。現実世界でも喧嘩は強くないけれど、お金持ちで発言力が大きい人もいますよね。桐生や真島をそうさせたくはありませんが、そういう遊び方もできるようにしています。その一方で複雑になっていくことが良いと思っていません。スマホが流行るのも、手軽なところにあると思います。シンプルさがスマホの市場を広げていく中で、コンソールがより複雑になっていくと、逆にお客さんを逃がしてしまいます。ある程度のところでシンプルさを保っていきたいと思っていて、それが今作で経験値をお金に統一した理由です。
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