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必死に何かをこすっている高木氏が! これダメなやつだすみません!!
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高木氏:あれ、何してるんですかそんなところで!?
驚いた顔で、こちらを見上げる高木氏と目が合います。ビックリしつつも焦ってる様子はなく……改めて見てみると、こすっていたのは紛れもなくPS Vita。どうやらゲームに没頭していたようです。よかった、本当によかった……!
高木氏:インサイドさんですよね。今日、取材でしたっけ?
──ハイ、そうです!
ものの2秒で合法化に成功した我々が、「こっちに来てくださいよ」と快く招いてくれた地下の部屋へと足を踏み込むと……まさに全周囲がゲームの山。ファミコンから最新ハードのタイトルまでズラリと並んでおり、この部屋にいるだけで向こう10年は遊び続けられそうなほど。噂に違わぬコレクションに囲まれつつ、(合法化した)直撃インタビューに挑みました。
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──聞きしにまさるコレクションですね。これだけのモノが揃っているということは、ゲームとの付き合いも相当に長いのではと思いますが、ゲームとのファーストコンタクトは覚えていますか?
高木氏:最初の記憶は曖昧なんですが、おそらくゲームウォッチの『オイルパニック』を親に買ってもらったのが最初かなと思います。ちなみに従兄弟は『ドンキーコング』を持っていました。
──ゲームウォッチブームも、相当な勢いがありましたからね。ちなみに『オイルパニック』の感触はいかがでしたか。
高木氏:すごく面白かったですね。画面が(自分の操作で)動くっていうのは、それまで体験したことのない感覚だったので。ずっとやってましたね、同じことの繰り返しなのに(笑)。
──今振り返ると、ゲームウォッチはシンプル極まりないですよね(笑)。するとしばらくはゲームウォッチなどに没頭してたと?
高木氏:そうですね、いわゆるLSIゲームをいくつも遊んでいました。
──当時は、友達と貸し借りとかしましたよね。
高木氏:実は、ファミコンを買ってもらえなかったんですよ。多分、親の教育の方針があったんだと思います。当時は、TVも一家に一台でしたし。
──ファミコンでTVを占有すると、色んな弊害もありましたしね。チャンネル争いなど。
高木氏:もし自分の部屋に専用のTVがあったとしても、今度は部屋から出てこなくなりそうですからね。そういうのも嫌だったんじゃないかな。
──すると、しばらくファミコンには触れなかったんですか?
高木氏:そこは、全国の少年たちと一緒だと思うんですけど……「アイツん家にファミコンあるから行こうぜ!」って、ツテを辿って何軒もグルグルと(笑)。
──「アイツ新作買ったらしいぞ」みたいな情報も仕入れてですか(笑)。
高木氏:そうそう(笑)。
──当時は、人の家を渡り歩いて『ドラクエ』を解いた友達とかもいましたね。
高木氏:あ、『ドラクエIII』は友達の家をハシゴしてクリアしましたよ(笑)。
──『ドラクエIII』ということは、(バッテリーアックアップだから)ソフト持参ですね?(笑)
高木氏:ええ、持ち歩いて。と言っても、ソフト自体も借り物なんですけど(笑)。
──ソフトを借りた上で、ハードを求めて転々と(笑)。
高木氏:今時の子供達がどうなのかは分かりませんが、当時は友達が(外出中で)いなくてもお母さんが「遊んでいきなさいよ」って言って家に上げてくれましたね。それを繰り返して……『III』もですが、確か『II』も解きました。
──『II』の時は、パスワードを持ち歩いたと(笑)。ちなみに、自分用のファミコンが手に入ったのはいつ頃でしたか。
高木氏:小学校の高学年あたり……1987年くらいかな? 発売されてから、4年経ったくらいの頃ですね。ちなみに(その時買った)ソフトは、『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』と『トランスフォーマー コンボイの謎』でした(笑)。
──高難易度で知られている、あの『トランスフォーマー コンボイの謎』ですか!(笑)
高木氏:あ、でもクリアしたんですよ。だって2本しかソフトがないから、ひたすら遊ぶしかなくて(笑)。
──おお……! では、当時の感覚としては「クリアできない難易度ではなかった」という認識だったんですね。
高木氏:そうですね、頑張って遊んでました。「すぐ死ぬなぁ」とは思いながらも(笑)。
──そう思うのも、無理ないです(笑)。
高木氏:(あまりに死ぬので)「遊び方違うのかな?」とか考えて、あれこれと工夫してました。
──創意工夫で乗り切った、と(笑)。思い出深い1本ですね。
高木氏:あと小学生の頃から、ゲームセンターにもよく通ってました。そして、よく補導されました(笑)。
──出入りを禁じていた学校も多かったですよね。
高木氏:ウチも多分禁止してたと思うんですけど、やっぱりゲームで遊びたいので、さほど気にもせず通いました。怖いお兄ちゃんもいましたけど(笑)。当時って妙に照明が暗くて、不思議な雰囲気でしたよね?
──煙草吸ってる人も多い上に換気が悪くて、空気ももわっとしてて(笑)。でも怯むことなく、通っていたと。
高木氏:「怖いけど、ダライアスの3画面が遊べるのはここしかないし!」とか、「ここ1プレイ50円だし!」みたいな感じで(笑)。
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──家ではファミコン、外ではゲームセンターの2本柱で遊んでいたわけですね。中学校に上がってからは、遊ぶジャンルとか変わりましたか?
高木氏:ジャンルはあまり変わりませんでしたね。昔からアクションやシューティングがすごく好きでした。あと中学時代は、ネオジオにハマってたかな。ちょうど格ゲーのブームも重なってたと思います。
──カプコンやネオジオ系の格ゲーは、本当に一大ブームでしたね。
高木氏:当時使えるお金なんて300円とか500円とかですから、少しでも長く遊ぶために必死になるんですよね。「負けるわけにはいかない!」って。だから上達も早くて、当時滅茶苦茶強かったですよ(笑)。
──最高、何連勝くらいしましたか?
高木氏:一番勝ち抜いたのは……『真サム』で50連勝以上したことがありますね(笑)。
──(プレイした時間は)1時間どころじゃないですよね、それは(笑)。
高木氏:2~3時間くらいかかってたと思いますよ。50円で超遊びました。
──それだけ勝つのは、気持ちよさそうですね。
高木氏:気持ちよさもあったんですが、疲れもあって段々ツラくなってました(笑)。
──ゲーセン通いは、高校に上がっても続きましたか?
高木氏:そうですね。もちろん家庭用のゲームも遊んでましたが、スーファミの時代になるとソフトも高くなり、月々の小遣いではなかなか手が出なくなって……ついついゲーセンに。家庭用のゲームは、安くなってから手に入れて遊んでましたね。
──学生の頃は、手持ちが厳しいですからね。
高木氏:でも、PCエンジンDUOだけは、お金を貯めて買いました。「喋る」っていうのが衝撃で。高かったですけどね(笑)。……でも新品は手が届かず、中古で買いました。
──当時の定価は6万くらいしましたよね。改めて考えると、PS4より高かったんですね。PCエンジン系で思い出深いソフトはありますか?
高木氏:『スプリガン mark2』と『天外魔境II』は、特に衝撃を覚えました。
──どちらも名作ですね。『スプリガン mark2』は演出も凄かったですし、喋りまくりでした。
高木氏:「おお、ドラマチック!」とか思いながら遊んでいました(笑)。あとは『イース』シリーズも印象深くて。『IV』が出た時も「これは凄いなぁ…!」って。あと、エッチなゲームも多かったですよね(笑)。
──ありましたありました(笑)。黎明期だったせいもあり、当時のゲームは本当に多種多彩でしたよね。出来がよくないものもありましたけど、あの頃はなんのかので遊んでましたよね。
高木氏:否定はしなかったですよね。ある意味それも楽しんじゃう、みたいな。
──スーファミで出た『美少女戦士セーラームーン』(1作目)も、「セーラームーンが操作できる!」ってだけで、なんかスイッチ入っちゃいましたしね(笑)。
高木氏:そうそう、あれ最高ですよね。そもそも「セーラームーン」大好きなんですよ。僕が美少女系に目覚めたのは、「セーラームーン」がきっかけだったんですよ。時代的には「R」くらいからですね。
──「セーラームーン」って、小さな女の子にすごく人気がありましたけど、中高生の一部男子もかなりハマってましたよね。「なんかこれいいぞ!」みたいな。
高木氏:実は、それまでは美少女系って嫌いだったんですよ。でもある時、友達がアニメイトに行くのにつき合ったら、「セーラームーンが5人組になってる!」って気付いて、そこでじっくり見てたら……「なんか可愛いな」って思ってしまって(笑)。
──ヤラれたんですね(笑)。
高木氏:その日にグッズを買って帰るほど、ヤラれてしまいました。その直後、TVアニメも見たんですよ。確か「R」の2話だったかな? すごく面白くて、そこからドハマりですよ(笑)。
──ある意味、運命の一本だったわけですね。
高木氏:デカいですね。未だに「セーラームーン」と「キン肉マン」は、僕のベースにずっと流れています。
──どちらも一時代を築いたエンターテイメントでしたよね。ちなみに、続編が出たら嬉しいなと思うゲームなどはありますか?
高木氏:スーファミの『重装機兵ヴァルケン』がとにかく好きなんですよ。当時スーファミで描かれていたあの世界が、今のスペックだとどういう風に表現されるのか興味ありますね。
──PS4で動く『ヴァルケン』とか、想像するだけでワクワクしますね。
高木氏:『アーマードコア』みたいな見た目で、重い系の動きのアクションシューティング……作って欲しいですね。