そして今年は、「HiーAnimationブース」としてリスアニ!LIVE-5で実施された「アイドルマスター シンデレラガールズ」ステージのVR体験のほか、同ライブのハイレゾ音源視聴コーナーなどを展開。多くの来場者が新体験を求めて列を作った。
2012年の「Oculus Rift」発表以降、俄然注目が高まるVR(バーチャルリアリティ)。多くの人がVRと聞いて思い浮かべるのは頭部に装着する、ヘッドマウントディスプレイだろう。眼前のレンズに映し出される映像は装着者の頭部の動きにあわせて360°見える映像が変わる仕組みになっている。
2014年にはソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアが「Project Morpheus」を発表し、ゲーム界隈では、その賑わいが日に日に高まっており、ゲーム好きな読者の中には注目している人も多いだろう。
今回「Hi-Animation」ブースで展示されていたのは、ソニーのHMD「HMZ-T3W/T3」だ。この製品自体は「Oculus Rift」や「Project Morpheus」のように360°見渡せるような機能はついていない、普通のヘッドマウントディスプレイだ。
こちらは昨年と同じ機種で、仕組みとしては「ヘッドトラッカー」という専用の装置を付けることで、前述の機器と同じような仕組みを再現している。
昨年はPS3「アイドルマスター ワンフォーオール」の765プロ事務所を360°体感できるという特別コンテンツが展示されたが、今年はアニソンライブをそのまま体感させるという新しい体験ができた。再生される映像はリスアニ!LIVE-5で360°撮影可能なカメラで収録された「アイドルマスター シンデレラガールズ」のライブの様子。映像は3分に編集されていたが、アニメのOP曲でもある「Star!!」、そして「お願い!シンデレラ」の2曲を堪能することができた。
武道館の最前列など人生でもそう経験することはできないが、柵すらも飛び越えたまさに最前列でライブを実際に体感できたのは驚きだった。正面ではキャストが歌い踊っているが、左右には顔を輝かせながら盛り上がるファン、少し視線を落とせばスタッフがせわしなく動き回っている。
「日本武道館の興奮と熱気を、東京ビッグサイトで体感する」という公式のコピーも納得のできで、来場者も満足の様子。眼前に広がる光景はお世辞にも本物のライブと同じとは言えないまでも、かなり没入感の高いものだった。
とはいえ、担当者曰く、実用化という点ではまだまだハードルは高いという。今回満足度の高いコンテンツを提供できたのも、このためにチューニングした機材と映像があったからだとのこと。筆者の個人的な印象では、各地の劇場でも人気のライブビューイングと組み合わせることができれば面白そうだと感じたが、通信の問題なども発生することは容易に想像できる。
ゲーム業界では「Oculus Rift」発表から盛り上がり続けるVRだが、2014年はアニメ業界でもVRを活用したコンテンツが多くなった印象だ。「アニメフェスタ in 所沢」では『シドニアの騎士』の継衛登場体験ができるコンテンツが提供されたほか、「進撃の巨人展」でも巨人との戦いをVRで再現した。
そしてAnimeJapan 2015でもProduction I.Gブースでは『宇宙戦艦ヤマト2199』『翠星のガルガンティア』のVRコンテンツがOculus Riftで提供された他、他社ブースでも同様の取り組みがみられた。
VRとアニメ、相性ではゲームのそれとは離れるが、見せ方次第では今回のように新たな価値を提供できることは間違いないはずだ。2015年はアニメファンに向け、どのようなVRコンテンツが提供されていくのか注目したい。
ビッグサイトが武道館に!?VRで体験した「アイドルマスター シンデレラガールズ」のライブに感動
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